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そのサッカーを疑え!

スポーツライター杉山茂樹が月4回程度発行する有料記事
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#堂安律

リバプールの南野拓実。勇気ある撤退という選択肢

リバプールの南野拓実。勇気ある撤退という選択肢

 パナマ戦(11月13日)とメキシコ戦(11月17日)に臨む日本代表。所属チームが招集を拒んだ堂安律(ビーレフェルト)に代わって、追加招集した奥川雅也(ザルツブルグ)も、所属チーム内に新型コロナ感染者が出たことで、合流を見合わせることになった。

 したがって、今回のメンバーの中に新顔は1人も入らないことになった。奥川にしても追加招集なので、森保監督は最初から新顔を誰も選ぶつもりがなかったことにな

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U−22に招集された久保、堂安とシドニー五輪に出場した中田英寿との関係性

U−22に招集された久保、堂安とシドニー五輪に出場した中田英寿との関係性

 ブラジルで開催されているU−17W杯。グループリーグを首位で通過した日本U−17は、決勝トーナメント1回戦でメキシコに0−2で敗れ、ベスト8入りを逃した。

  この結果について語ろうとした際に必要なのは、このU−17W杯の主旨や概念だ。W杯。世界一決定戦とはいえ、言わずと知れたアンダーカテゴリー(年齢別)の大会である。

  大会の最大の目的は、サッカーの普及発展だ。当初はU−◯世界選手権と呼

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急増した左利きアタッカーを効率よく布陣上に落とし込む方法

急増した左利きアタッカーを効率よく布陣上に落とし込む方法

 スタメンの第2列目に左から中島翔哉、久保建英、三好康児の3人が並んだのは、コパアメリカで最後の試合となったエクアドル戦だった。

 試合はどちらに転んでもおかしくないスコア通り(1-1)の内容で、喜ぶべきかどうか微妙な戦いだったが、世の中はいたって好意的な反応を示した。3人揃って華のあるプレーを見せたからだ。

 A代表の4-2-3-1の3は、現在の優先順位に従えば中島、堂安律、南野拓実と続く。

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CL準決勝バルサ対リバプールで、日本人がメッシ対サラーに注目したい理由

CL準決勝バルサ対リバプールで、日本人がメッシ対サラーに注目したい理由

 来週行われるバルセロナ対リバプール(チャンピオンズリーグ準決勝)。見どころはいろいろあるが、この試合の結果は、リオネル・メッシとモハメド・サラーの活躍度にそのまま反映するように思う。

 サッカーは11人対11人の戦い。個人の争いを強調することは本質から外れる恐れがあるが、この試合の場合、彼らの活躍なしに、それぞれのチームが勝利する姿を想像することは難しいので、あえてそう言わせてもらう。

 と

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堂安につける薬は? サッカーにおけるスピードの意味

堂安につける薬は? サッカーにおけるスピードの意味

 足の速いサッカー選手と言われて想起する選手は誰か。

 ムバッペ(フランス代表/PSG)の姿が頭を過ぎるが、それに続く選手の名前はなかなか出てこない。ロッベン(オランダ代表/バイエルン)は100mを10秒台で走るとのことだが、その一番の自慢は相手の逆、逆を突くドリブルだ。スピードスターというより技巧派の側面の方が強い。

 スピードが技術を上回る選手と言えば、昨季アーセナルからエバートンへ移籍し

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ボール支配率は、なぜ上がらないのか。見えてきた森保ジャパンの特性

ボール支配率は、なぜ上がらないのか。見えてきた森保ジャパンの特性

 ベネズエラとキルギス。その前に戦ったウルグアイとの差は著しかった。ベネズエラは2010年、2014年に続く来日。コンスタントに遠路はるばる日本まで、アウェー戦に訪れてくれるありがたい存在ながら、今回のチームの力は4年前、8年前のチームに劣っていた。

 ベネズエラと言えば南米10ヶ国の中で唯一W杯本大会に駒を進めたことがない実績に乏しい国。毎度最下位候補ながら、2010年南アW杯南米予選では8位

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キーマンはサイドバック。中島、堂安の活躍度もサイドバックで決まる

キーマンはサイドバック。中島、堂安の活躍度もサイドバックで決まる

 4-3で勝利した前戦のウルグアイ戦では、特に前線の4人の活躍が目立った。中島翔哉、南野拓実、大迫勇也、堂安律だ。大迫は180センチを超える長身だが、他の3人はけっして大きくない。中でも中島、堂安の両サイドアタッカーはそれぞれ164センチと171センチで、まさに小兵だ。

 ロシアW杯で活躍した左ウイングの乾貴士も169センチ。これまでハンディとされていた小ささが、試合の中でむしろ奏功している印象

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絶滅危惧種を守れ。いまフィーゴのウイングプレーにノスタルジーを抱く理由

絶滅危惧種を守れ。いまフィーゴのウイングプレーにノスタルジーを抱く理由

 GKを除く10のポジションで、右利きの選手が一番やりたくないポジションはどこか。やりにくいポジションと言うべきかもしれない。右利きの選手の絶対数が少なく、同様にスター選手の数が少ないポジションとは。

 左サイドバック(SB)ではない。左はむしろ歓迎すべき場所。もちろん右SBでもない。右利きのSBには名手がたくさんいる。それより一列高い場所だ。採用する布陣で分かれる。

 4-4-2の右サイドハ

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