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そのサッカーを疑え!

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#メッシ

権威あるバロンドールは人気投票に成り下がった? 時代に逆行するメッシの受賞

権威あるバロンドールは人気投票に成り下がった? 時代に逆行するメッシの受賞

 リオネル・メッシが通算7度目のバロンドールに輝いた。通算5度受賞しているクリスティアーノ・ロナウドに、受賞回数で水を空ける格好になった。「昨年(2020年)、選考が行われれば、ロベルト・レバンドフスキーが選ばれただろう」とメッシは受賞のスピーチで述べているが、筆者は今年、メッシが受賞したことに少なからず違和感を覚えている。

 以下は投票の結果、10位までに入った選手の顔ぶれだ。

 1位メッシ

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0トップの元祖ロナルト・クーマンとメッシの親和性

0トップの元祖ロナルト・クーマンとメッシの親和性

 リオネル・メッシがバルセロナに残留する。メッシは移籍の意志を固めていたが、そのためには7億ユーロ(約878億円)という莫大な違約金の支払いが不可避という事実が判明すると一転、残留に方向転換した。

 一方で、来季以降、移籍にその違約金が伴わないこともハッキリした。メッシがバルサでプレーするのはあと1年。2020-21が最後のシーズンとなるメッシと、どう向き合うか。サッカーのやり方はメッシがいる、

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欧州一に輝いたバイエルンのサッカーからメッシの居場所を考える

欧州一に輝いたバイエルンのサッカーからメッシの居場所を考える

 2019-20シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)は、バイエルンの優勝で幕を閉じた。パリ・サンジェルマン(PSG)と対戦した決勝戦。スコアは1-0で、バイエルンが準々決勝でバルセロナに8-2で大勝した試合とは異なり、何かを語るにはインパクトに欠けるスコアだ。

 実際、PSGが前半に掴んだ好機をモノにしていれば、結果はどうなっていたか分からなかった。とはいえ、総合的に振り返れば、妥当な結果と言

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CL準決勝。バルサ、メッシではなくリバプールによって最大値が更新されたサッカーの魅力

CL準決勝。バルサ、メッシではなくリバプールによって最大値が更新されたサッカーの魅力

 バルセロナがリバプールに3-0で先勝したチャンピオンズリーグ(CL)準決勝第1戦を見て一番に何を思うか。リオネル・メッシは確かに凄かった。現在31歳。サッカー選手として下り坂にさしかかる年齢である。アタッカーにとってはなおさらだが、俊敏さと巧緻性はそのままに円熟味が増している印象だ。この試合の3点目のFKシーンでは、弾道のあまりの鋭さに震えが来たほどだった。まさにマンオブザマッチ級の活躍をしたメ

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CL準決勝バルサ対リバプールで、日本人がメッシ対サラーに注目したい理由

CL準決勝バルサ対リバプールで、日本人がメッシ対サラーに注目したい理由

 来週行われるバルセロナ対リバプール(チャンピオンズリーグ準決勝)。見どころはいろいろあるが、この試合の結果は、リオネル・メッシとモハメド・サラーの活躍度にそのまま反映するように思う。

 サッカーは11人対11人の戦い。個人の争いを強調することは本質から外れる恐れがあるが、この試合の場合、彼らの活躍なしに、それぞれのチームが勝利する姿を想像することは難しいので、あえてそう言わせてもらう。

 と

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堂安につける薬は? サッカーにおけるスピードの意味

堂安につける薬は? サッカーにおけるスピードの意味

 足の速いサッカー選手と言われて想起する選手は誰か。

 ムバッペ(フランス代表/PSG)の姿が頭を過ぎるが、それに続く選手の名前はなかなか出てこない。ロッベン(オランダ代表/バイエルン)は100mを10秒台で走るとのことだが、その一番の自慢は相手の逆、逆を突くドリブルだ。スピードスターというより技巧派の側面の方が強い。

 スピードが技術を上回る選手と言えば、昨季アーセナルからエバートンへ移籍し

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絶滅危惧種を守れ。いまフィーゴのウイングプレーにノスタルジーを抱く理由

絶滅危惧種を守れ。いまフィーゴのウイングプレーにノスタルジーを抱く理由

 GKを除く10のポジションで、右利きの選手が一番やりたくないポジションはどこか。やりにくいポジションと言うべきかもしれない。右利きの選手の絶対数が少なく、同様にスター選手の数が少ないポジションとは。

 左サイドバック(SB)ではない。左はむしろ歓迎すべき場所。もちろん右SBでもない。右利きのSBには名手がたくさんいる。それより一列高い場所だ。採用する布陣で分かれる。

 4-4-2の右サイドハ

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バルサに忍び寄るアルゼンチン代表化

バルサに忍び寄るアルゼンチン代表化

 中4日のフランスと中3日のクロアチア。クロアチアは決勝トーナメントの3試合をいずれも120分間(計360分間)戦っている。90分の試合に換算すれば4試合分だ。フランスより実質1試合分多く戦っているので、消耗度も25%増しと考えていい。コンディション面だけを見ればフランス有利、クロアチア不利となる。

 しかし、モチベーションで勝るのはクロアチアだろう。優勝経験があるフランスに対しクロアチアは3位

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