湯河原のバルコニーにて

湯河原の宿のバルコニーにて、木の椅子に腰掛けて、本を読む。

虫の音と鳥の声と、遠くに聞こえる川の流れが心地よいBGMを奏でている。姿は見えないが、朝と昼と夕と夜と、メンバーがだんだん入れ替わり、時間が経つごとに少しずつ音色が変わっていく、シフト交代のオーケストラ。ほのかに暖かな陽光と、しっとりと湿り気を帯びた山の空気が肌に心地良い。

文字に疲れたら、木々の向こうに見える山の背を眺める。青黒い山の、稜線すれすれを、重たげな雲がのっそりと流れていく。ゆったりとした時間の流れを感じ、清々しい空気を吸い込んで、再びページに視線を戻す。


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掬屋一

食べることと読むことと旅することが好き。文豪ゆかりの食べ物を作ったり食べたりします。 C95 3日目 東P60bにて、文豪ゆかりのレシピを文献を元に再現する文豪ごはんシリーズを頒布予定。 https://musubiyahonpo.jimdofree.com/

旅と食とときどき文学

旅行と食べることが好きな筆者の旅日記。だいたい食べてます。
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