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「おっさんずラブ-リターンズ-」に対する批判的意見について思うこと(おこがましくも提言してみる)

私の「おっさんずラブ=in the sky=」の感想ですが、思いのほか拗らせておりました。悪い意味ではなく、ドラマからいただいたギフトがたくさんあって、うまく言葉にすることができないようです。
しかしながら、「おっさんずラブ-リターンズ-」を語る上で、私にとっては=in the sky=の存在は欠かせません。物語はつながっていないけれど、シリーズとしては間違いなくつながっていると思っています。
私自身がリターンズ展に行くまでには一通りまとめたいと思うけれど(うーん無理かも)、今は一旦保留とします。すみません。



「おっさんずラブ」シリーズって、登場人物たちのラブストーリーも素敵だけれど、それだけではなく人間ドラマとしても面白いですよね。
「おっさんずラブ=in the sky=」はお仕事ドラマとしてもとても素敵で、私はシリーズ通して、特に心に残っている&事あるごとに思い出すシーンがあります。それは第6話、大変優秀な新人・獅子丸怜二と自分を比べ焦って空回りして、大切なフライトの直前に体調不良で倒れてしまい、それでも空を飛ぼうとする春田に対する黒澤キャプテンのシーンです。

「周りが見えていなければ、いつか必ず大切なものを失うことになる。
一度、本気で自分自身を見つめ直せ。」

周りが見えていない時は大概自分のことも見えていなくて、自分本位に動いてしまって、大切なものを失ってはじめて事の重大さに気づく。
本当に自分が嫌になるー。4年前とちっとも変わってない。
ただあの頃と違うのは、ここで立ち止まるわけにはいかないのです。
気持ちを切り替えて、-リターンズ-の感想に入ります。すみません。

「おっさんずラブ=in the sky=」はラブストーリーとしてもお仕事・人間ドラマとしてもとっても素敵なので、未視聴の方はぜひご覧くださいね。



さて、「おっさんずラブ-リターンズ-」ですが、SNSや作品評価サイトにある感想を見ていると、十人十色で本当に面白いです!
「すんごいわかる〜!」と共感するものから、「その発想はなかった最高か!」と自分とは違った視点のものまで、素敵な感想の数々に「いいね!」しながら楽しんでいます。

ただ、その中には気になるものもありまして。それは、公式(作品自体や制作されている方々)に対する批判的な感想です。
人はひとりとして同じ人はいないから、「つまらなかった」とか「わからなかった」「自分には合わなかった」という感想が出るのは当然かと思います(私もまだ理解できていない部分が結構ありますし)。
しかし、だからといって「ドラマは駄作」「製作陣はおかしい・間違っている」という意見は、私は違うと思うのです。

そうおっしゃる方々に共通している点の一つに「おっさんずラブ=in the sky=」を視聴されていない点があると感じています。
「おっさんずラブ=in the sky=」と「おっさんずラブ-リターンズ-」はお話はつながっていないし、=in the sky=を見ていなくても-リターンズ-は十分に楽しめます。
しかし、2018年連ドラ版「おっさんずラブ」からいきなり「おっさんずラブ-リターンズ-」を見ると、「え、どういうこと???」となることが結構あったのではないでしょうか?展開が唐突だったり、なんでその設定???とか、話がわかるようでわからない、とか。
それ、すごくよくわかります。私も2018年連ドラ版「おっさんずラブ」、劇場版を経て「おっさんずラブ=in the sky=」を見たときにとても感じましたから。
なので、こんな点に気をつけて見てみたら「おっさんずラブ-リターンズ-」をもっと楽しめるのではないか?という点を、「おっさんずラブ」シリーズを全部楽しんでいる私・おむぎから、おこがましくも提案させていただこうと思います。
よかったら、見ていってね!

「おっさんずラブ-リターンズ-」をより楽しむために必要だと思う視点について(by おむぎ)


⒈ドラマの趣旨をもう一度確認してみる

批判的な意見の中でよく見るのが、2018年連ドラ版は「春田と牧(だけ)の物語」というご意見。
確かに主人公は春田だし、春田の恋が主軸に描かれているけれど、私にとっては、2018年連ドラ版も登場人物みーんなが、それぞれの人生の主人公である群像劇であったと思うのです。
ちなみに、2018年連ドラ版の公式HPイントロダクションはこんな感じ。

“常識”で考えたら、あり得ない。
でも、その“常識”ってそもそも何?
“人を好きになる”って…何!?
多くの人が普通だと思っている価値観を改めて問うラブストーリー『おっさんずラブ』。
笑って泣いて、ときめいて…!
気がついたら、男とか女とか…そんなちっぽけな既成概念を飛び越えて応援したくなる
“真剣トキメキ・ラブコメディー”がついに開幕!!

土曜ナイトドラマ「おっさんずラブ」公式ホームページ「イントロ」より

春田が今まで自分にはなかった価値観から好きだと言われたことをきっかけに、様々な人と関わっていく中で、自分の固定観念を覆し、本当に大切なことに気づいていく。そんな人が人を好きになる本質を描いたドラマであって、特定のカップルだけのラブストーリーではなかったと感じています。
「おっさんずラブ」のキャラクターって、みんな本当に魅力的で、誰が欠けても今の春田と牧はいなかったと私は思う。
-リターンズ-においても、天空不動産の面々に加え和泉さん、菊様がいなかったら、最終話ラストの春田と牧そして黒澤部長はいなかったと私は思うのです。

⒉登場人物の心・気持ちに注目してみる

「おっさんずラブ」シリーズは、たくさんの春田創一が出てきます。
文房具企画会社の春田創一、天空不動産の春田創一、天空ピーチエアラインの春田創一。演じられているのは全て田中圭さんで、春田創一の本質は似ているけれど、それぞれ全くの別人ですよね。
ちなみに、牧のことが大好きな春田の好物はから揚げですが、
=in the sky=の春田の好物はオムライスなんです。ね、ちがうでしょ。
-リターンズ-には春田そっくりの真崎秋斗も登場しますが、ご覧の通り全くの別人です。
あまり外見にとらわれると、お話の大切な筋を見失ってしまったりするので、注意が必要です。

ただ、個人的にはこの点も「おっさんずラブ」の素敵な要素だと思っています。
私は、登場人物の外見を見ているようで見ていない、でも俳優さんが表現されている人物の気持ちや演出を追って見ていました(目の表現、表情の機微、ふとした仕草、歩き方、照明の色や明るさなどなど)。これについては他の方はどのように見ているのだろうか?それは分からないけど(笑)。

3人の春田創一、そして真崎秋斗を演じ分けている田中圭さんは、本当にすごい。そしてとっても素敵です!

⒊映像化されていない部分の登場人物の気持ちを考えて、自分でお話を繋げてみる

前述した通り「2018年連ドラ版おっさんずラブ」→(「劇場版」)→「-リターンズ-」とご視聴された方の中には「物語が唐突だなぁ」と感じられた方がいると思います。これは、映像化されていない空白の部分が結構あるからだと私は思います。
この空白の部分は、脚本に書かれていなかったり、脚本にはあるけれどカットされていたり、映像化されているシーンの裏に流れている他の人物たちの気持ち・物語などになります。
でも、話が無いから、映像化されていないからといって、そこに何にも無いかというと、そうではないのです。無いように見える部分にもきちんと登場人物たちの気持ちは流れています。気持ちって目に見えないですからね。
その目には見えない登場人物たちの気持ちに寄り添い、考えながらドラマを見てみると、全てのシーンがつながって一つの物語となっていることがわかると思います。

「=in the sky=」はさー、この部分がかなりあったのですよ(私的に)。成瀬の気持ちの移り変わりが知りたかった私は、この空白の部分を自分なりにすんごく考えながら見てたんです。気持ちが一つ分かるたびに、自分の心に成瀬の感情が入り込んでくるような感覚があってとても楽しかったです。それが明るい気持ちの時は心がぽかぽかするけど、切なかったり辛い気持ちだと心のダメージが半端なかったです。本当にしんどい(笑)。このような感覚はその程度は違えど、皆さん感じられているのではないでしょうか?
この作業をしているときに、「これって般若心経でいうところの”色即是空 空即是色”じゃね?=in the sky=の”sky”って”空(くう)”ってこと?」と気づいたことも良き思い出です。

また、「おっさんずラブ」は人との関わりの中で登場人物たちが成長し、関係が繋がっていく物語であると私は思っています。なので、場面を飛ばし飛ばし見てしまうと登場人物の気持ちも途切れてしまって話がわからなくなってしまう要因にの一つになっているのではないかと思います。特に-リターンズ-は登場人物の人数も多いし(主要メンバーの数は劇場版と同じ)、限られた時間の中にたくさんの要素が詰まっているので、個人的にはどこも飛ばして見ることなどできないのです。
限られた時間の中にたくさんの要素が詰まっていることが、空白部分の多さにも繋がっているかもしれないけれど、それがドラマのテンポの良さにもなっているのではないかとも思うので、私は大好きです。
ちなみに物語の空白の量は、私の体感ではこんな感じ。

2018年連ドラ版 < 劇場版 < =in the sky= < -リターンズ-

俳優さんて、本当にすごいですよね。
脚本の文字情報はもちろんのこと、この空白の部分についても、そこにある登場人物の気持ちを考えて役を生きて表現されているわけだから。
その素晴らしい演技を素晴らしく撮影される監督さんも、その映像を素晴らしいドラマの形にする編集さんも、全く何も無いところから登場人物の気持ちを生み出し素晴らしい物語を作り上げる脚本家さんも、それを素晴らしく統括されるプロデューサーさん方も、みなさん本当にすごい!と私は思うのです。

「なんか、めんどくさいなー。」と思われた方もいるかもしれないけれど、
何も難しいことではないのです。
たぶん、他のドラマを見られる時も、これらのことを意識・無意識問わずされていると思います。それに、これらのことって実生活でも人と関わる中で意識・無意識問わずされていると思います。
そういうところも視聴する我々にとってのリアリティにつながっているのかなと、私は思ったりします。

大丈夫です。
こんな風に視点を変えてドラマを見ても、あなたが大切にしている春田と牧の物語は無くなったりしませんよ。
よりキラキラして素敵にパワーアップした物語になると思います✨
ぜひ、勇気を出して試してみてくださいね!


さて、説教くさい話はここまでにして、次からは私が見た「おっさんずラブ-リターンズ-」についてお伝えしていきたいと思います。

ちなみに私は、牧凌太に心奪われ牧推し&春牧推しでしたが、=in the sky=にて成瀬モンペと化しました。

そしてコロナ禍 & -リターンズ-を経て現在は、
武蔵と一緒に一生「はるたん」にペンラを振り続けたい、
成瀬の母 兼 中身は仕事ができない武川政宗”な”女(独身&はるたんと同い年)です。


本来は春田さんを幸せにする会までに完了させたかったのですが無理そうです。
でもなんとか公式ブックが発売されるまでには完了させたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

〜続く〜

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