見出し画像

ヤマザキマザック美術館に行ったよ!

行ってきました。
ほんと~に何も期待せず、暇だしまぁ行こうかなくらいのテンションだったのですが、結構良い美術館で驚きました。
無料の音声ガイドの貸し出しも行っていて、貧乏人にとっては有り難かったです。

写真を見て分かるように、内装がとても凝っているのです。
写真だけ見ると「海外の美術館かな?」という感じさえしてきます。
床の木材にもこだわりがあるそうです。
この部屋の壁は赤い布で覆われていますが(的確な表現が分かりません…)、他の部屋は青い布で覆われたりしています。
部屋に置かれている椅子の柄と壁の柄は統一されていました。
また、全ての部屋ではありませんが、この部屋のようにシャンデリアが飾られている部屋もあります。
おフランス…!という雰囲気でした。

さて、コレクションは18世紀頃のフランス絵画から始まります。
勝手な考えなのですが、日本にある美術館の絵画って19世紀以降の近代絵画が多いと思っています。
なので、18世紀頃のフランス絵画を展示しているという意味で、この美術館は珍しいのでは?と感じました。
さすが古典絵画ということで、肖像画や神話を扱った作品が多くありました。
中でも、ブーシェの「アウロラとケファロス」には目を見張りました。
ローマ神話が土台な作品なのだそう。
女神・アウロラが、若者・ケファロスを誘惑しているシーンです。
左下に描かれている弓矢や猟犬が、この若者は猟師であることを表しているそうです。
二頭の馬が引いている馬車も描かれているのですが、手前の馬は女性に鼻の下を伸ばしているような表情をしているのが個人的にツボです。
ちょうど冒頭の写真に入っている大きな絵画です。
描写力といい大きさといい、圧巻な作品でした。

さて、18世紀の絵画は一部屋で終わりです(確か…)。以降はお馴染みの近代絵画に移ります。
この美術館で一番見応えあると言っても過言ではない(個人の見解です)のが、キース・ヴァン・ドンゲンの「Flowers(邦題は忘れました)」です。
いや、もう、本当にこれ!!!!!これすごいんです!!!!!
この作品は是非とも、と言うか絶対に現物を見た方が良いです。
一見すると紫陽花とカラーが描かれた極普通の絵画なのですが、絵の具の塗り方がすごいのです。
絵の具を塗ったというより乗せたという方が適しているくらい、絵の具が分厚く塗りたくられています。
目を凝らしてみなくても、花びらの部分の絵の具がとても厚いことが分かります。
これはネットやポストカードではなく、直接作品を鑑賞すべき!です。
また、全体的に青い作品なのですが、この絵画が飾られている壁の柄も薄い青地で、とてもマッチしていました。
この作品ほんっとうに好きです

近代絵画のコレクションには、有名画家の作品も多く含まれています。
モネの「アムステルダムの港」もその一つ。
34歳という比較的若い頃の作品で、睡蓮などとは少し違う感じもします。
この作品、絵の具が雑にサッと乗せられているだけで、塗られていないところもあります。
当時の批評家が「未完成作」と酷評したのがよく分かるのですが、不思議と遠くから見ると情景が浮かぶんですよね。
近くで見ると雑なのに、遠くで見ると一つの風景として成立しているという…ある種点描に似た感じもします。
また、マルケの作品もいくつか展示してありました。マルケ、素朴な感じがどこかルソーを思わせるところがあると思うんですよね…。
実は、マルケがフォービズムの画家であると知って驚きました。
マティスの印象が強すぎて……。ヴラマンクはまだ分かるんですけどね…。
更に、今日初めて知った画家なのですが、スーチンの「ふしのある木」もオススメです。
いや、製作背景が暗いので、オススメすべきか否か…という感じはしますが、個人的には好みです。
スーチンは社交的な性格ではなく、フランス語も話せなかったことから友人が少ない上に絵も売れなかったそうです。
そんな彼の唯一の親友が、イタリア出身のモディリアーニでした。
しかし、モディリアーニは様々な事情があり(音声ガイドで説明があります)自殺してしまいます。
モディリアーニが自殺した後に製作されたのがこの作品です。
このような重い背景を反映するが如く、荒々しく描かれています。
言葉では表現できないのですが、作者の絶望を感じとることのできる作品です。

他にもまだまだ作品はあります。
今まで全くのノーマークですみませんでした!!!!と謝りながら鑑賞していました。
作品のみならず、内装や雰囲気も含めて見応えのある美術館でした。
絵画が展示してあるのは5階のみで、4階はアールヌーボーの家具類が展示されているのですが、そちらも必見です
家具verでまた纏めたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?