挑む浮世絵 国芳から芳年へ展に行ったよ!

名古屋市博物館で開催中の「挑む浮世絵 国芳から芳年へ展」へ行きました。
美術巡りを初めた頃は浮世絵には全く食指が動かなかったのですが、モネの作品などの説明で浮世絵について言及されているのを読み、興味を抱きました。
浮世絵同様、逆輸入タイプです。

国芳はヒーローものの作品(呼び方忘れました)で名を馳せたそうです。
なので、源頼光やその一派の話に纏わる作品が多くありました。
名前だけしか知りませんが、酒呑童子や坂田金時などの名が見れて楽しかったです。

浮世絵、細かいところまで描き込まれていている点はもちろん、勢いある構図もすごかったです。
国芳は特に横長の作品が多かったのですが、幅を最大限に活かして迫力のある場面が演出されていました。
ある風景を切り取り素朴に忠実に描写した西洋絵画とは違い新鮮でした。
名前を忘れてしまったのですが、酒呑童子退治の場面を描いた横長の作品(後年の方)は、物語を一切知らない私でも「おぉ~!」と感心しました。

また、この展示会の目玉として「英名二十八衆句」の作品群があります。
フライヤーなどにも「一部残虐な表現があります~」等と説明されていたアレです。
この英名二十八衆句は、歌舞伎の名シーンを浮世絵で描いたシリーズです。
「残虐ったって大したもんじゃないやろ」と思っていましたが、ところがどっこい大したものでした。
どの作品も大体流血表現か生首が描かれていました。
血液の部分に血糊を混ぜてあって、リアルさが追い求められていたりしました。
どの場面も大体男性が女性を切り殺した場面なのですが、誤解に基づいて殺してしまった~みたいなもので、切ないというか何というか…でした。

さて、英名二十八衆句の展示のあとは「芳ファミリー」の平和な浮世絵に移ります。
芳ファミリー、動物を題材とした浮世絵を好んで描いていました。
色々ある作品のなかでも、歌川国芳の「里すずめねぐらの借宿」が好きです。
この作品、人物が一切描かれておらず、代わりにすずめが描かれています。
雀が着物を着たり喋っていたりしています。
なんでも、当時は吉原を題材とする絵に人物を描き込むのが禁じられていたそうで、雀を描けば文句言われないだろ!ということだったらしいです。
また、当時は吉原に通う人々を「吉原雀」と揶揄していたことから、動物の中から雀に白羽の矢が立ったのでした。
や~、雀が着物を着て帯刀している様は可愛いですよ。
この作品も横長です。

や~、浮世絵もなかなか楽しいものですねぇ。
西洋絵画とは全然違う感じです。
外国で話題になったのもわかる気がしました。
また何か浮世絵関係の美術展があれば行ってみたいです。

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