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続・職歴20個以上の女の話

僕の知り合いにA子という女性が居た。
彼女の残した大量の日記の中から、職歴の話のその後が見つかったから此方も掲載しておこうと思う。
念願の文筆業になることが出來た彼女の記録である。


フリーランス文筆業になったA子の話。

仕事の話を書いていきます。
ここ5年くらいのお話です。

文筆でお金をもらっていました。
今年も少し頂きましたし、年内にあと1つ入る予定があります。
わーい\(^o^)/

だけど、この先どうやってお金を稼いでいこうかな、ということを考えます。

(1)
初めて文筆でお金をもらったのは2012年のことだった。
PBWのゲームのシナリオライター。
当時子供は2歳で預かり先がないと働きに行くことも出来ないし
そもそも当時の夫は私が働きに行くことを許さなかったし
それなのに、もめ事があるとすぐに私から生活費と子供と二人分の健康保険証を取り上げるという人で、
わたしは1円でもいいから自分で稼がなくちゃまずいと思って
結果見つけたのが、PBWのゲームのシナリオライターの仕事だった。

他にも色々な内職はあったけれど、
今まで色々な仕事をやってきて、合わない仕事を続けても、何れ無理が生じて破綻することがわかっていたから
出来ること、続けられること、好きなこと、という観点で探してみた結果見付かった仕事だった。

この時、シナリオライターの募集に辿り着く前に「在宅占い師」も本気で検討していて
ルーンストーンを買う直前まで行ったんだけど
有料占いに来るお客さんって、恐らくみんな追い詰められているだろうし、
果たしてわたしはそんな人たちの人生に責任を持てるのだろうか?
と思うと、とても出来る気がしなかったからやめた。
友達と雑談の中で、ゆるい鑑定とアドバイスをするのとは違うもんね。

そんなわけで辿り着いたゲームのシナリオライターのお仕事。
募集では1文字1円だったけど、実際に作業をしていくと
1本いくら、というもので、3文字1円、
仕事量と人気があればボーナスがついて1文字1円くらいになるのかな、という感じだった。
私の子供は本当に寝ない子で、寝るのはいつも2時くらいで、それなのに起きるのは9時で昼寝もせず
生活のリズムをリセットしようと色々と何度も頑張ったけど結局ダメで、私も日々をやり過ごすことだけで精一杯だった。
そんな中、子供が寝た2時〜4時に執筆、4時〜9時まで5時間睡眠という生活を続けて
仕上がるのは1週間に1本。
収入は1ヶ月に1万円前後だった。
ライターの中では、遅筆の方だと思う。

この仕事は向いてないと感じていた。
ゲームの世界観や内容が、自分の引き出しにないものだったし
キャラクターやその他設定やルールなどの縛りを上手く描けなかったし
規定のキャラクターを生かしながら、自分らしさ(作家性)も出さないとお客さんもついてくれないし。
何年やっても自分の文体で書けなくて苦しかった。
それでも少しずつ描けるようになってきたけど。
けれど悪いことばかりじゃなかった。
描けないものを無理に描いていたお陰で、文章力は確実に上がっていった。

時給換算したら最低賃金の半分以下だけど、家で出来る仕事があるのはありがたかった。

(2)
それから1年ほど経って、離婚に向けて別居・調停をしている間に、
友達のつてでソーシャル系のエロゲのシナリオを書かせて貰うことになりました。
こちらの案件、報酬が格段によくて、エロゲシナリオの経験0なのにいいのかな、と恐縮するほど
毎月10万円ほど稼ぐことが出来ました。
この調子で続けて行けば、ひょっとしてこれで生計立てられるんじゃないかな、と思いました。
シングルマザーになるのなら、なるべく早いうちに再就職キメたいと思ってたんですけど
実家の親は「生活の面倒なら見るから、子供が可愛そうだから傍にいてやってくれ」と言うので
子供を預けることも出来ず、
また、うちの子供が完全に発達障害で中々対処が難しく、保育園も一時保育やファミリーサポートなどに預けることも
厳しいと思ったので(※質問に答えられないし、何言ってるのかよくわかんないし、会話が成り立たないし、癇癪やパニックも1時間くらい収まらなくて失禁とかざらだったので。)
実家でお世話になりながら、家にいることを選びました。
とはいえ親だっていつまでも働けるわけじゃないし、うちだって裕福なわけじゃないから
早いところ経済的に自立しないとやばいなあというのはいつも思っていました。
そういう状況だったので、在宅で生活費を稼ぐ。在宅仕事で生計を立てる、という選択肢しか当時はなかったです。

この時は、以前の仕事と違って締め切りを落とすと、自分以外の人にも迷惑がかかるので、
親には「大事な仕事だから、締め切りがヤバいときは子供を見ていてほしい」と頼んで、まあまあ見てもらえました。
昼間2〜3時間お願いして、残りは深夜に描く。
見てもらえない時は、有料室内遊園地で子供が遊んでいる間にパソコンを拡げて描くとか
そんな生活が続きました。

幸い貯金があったので、この貯金を使いつつ、仕事の実績を作って独立しようと考えていました。

(3)
エロゲの仕事が半年ほどで終わると、タイミングよく商業小説レーベルの方で担当さんがつきました。
報酬的には、それだけで生活出来るようなものではないですけど、
商業から本を出したことがある、ということで次の仕事に繋がるんじゃないかな、と思ってがんばりました。
いや、それ以上に商業デビューしたいって気持ちが強かったですが。
初めにプロットを送り初めて、たくさん没になってそれからなんとか、10ヶ月後に初めての本がでました。
それから、2冊目のプロットを送り、返事を待っている間に小説の練習をしたり
知人の紹介で頂いたエロゲのシナリオを書いたりいていました。
この頃から異様に眠くて筆が捗らないということが、起きるようになりました。
やらなくちゃと思うのに、描こうとすると即寝落ち。そんな感じでした。
そうしているうちに、2冊目のプロットにOKが出て、執筆→出版となりました。

2冊目の本は書きたい物を全力で書き切れた!という気持ちが強かったです。
こういう経験は初めてで、描き終わった後の快感と疲労がはんぱなかったです。
でも、だからこそ毎回この感じでがんばれたら、専業作家になれるんじゃないかなって気がしました。

というか、ならなくちゃいけない!
どうやら自分のエロ文章は需要があるみたいだから、これでなんとか食べていきたい!
そう思って、本が出て、シナリオを納品したあとは
大手官能小説レーベルの新人賞へ応募しました。
そして、元々サブカル出身のわたしはどうも、萌え・アニメ系に疎いし弱い。
シナリオの発注を受けた時「XXみたいなキャラ」と言われても、それを知らないということばかりで
恥ずかしかったです。

そんなわけで、有名アニメはラノベを一日中読んだりしました。
この頃はもう子供が9時〜14時で幼稚園に行っていたので、時間に余裕が出来ていました。

けれどその結果、2日でぶったおれました。
原因は肺炎。
寝る前は普通に元気だったのに、深夜に急に悪寒を感じて起きると、高熱でふらふらでした。
診断の結果肺炎で、一週間ベットから起き上がれず、2週間くらい本調子じゃなかったです。

そのとき好きじゃないものを無理に見るのはよくないのかな〜と思って
少しこわくなりました。
きっと、疲れや色んなストレスが溜まって弱ってたってことなんでしょうけど。

だけど気を取り直して頑張ろう!!
と思ったその時、また胃炎で倒れます。
肺炎が治った2週間後。
今度は胃炎で1週間ベッドから起き上がれず、寝込んでいました。
こんな時、実家だとありがたいですよね……。一人だとどうにもなんなかったと思います。子供の世話も出来ないし。

それが2015年の12月で、どうしたもんかなあとわたしは考えます。
今までは、睡眠時間を削って・精神力で乗り越えて・小説やシナリオを書いてきたけど。
このままじゃもう身体が持たないなあと。

(4)
そうして年が明けて、考えました。
貯金は質素に暮らせば、一年は持つかなあという額があったので
その1年は専業作家になるべく、投稿に専念しようと決めました。

……しかし、そうも言ってられなくなりました。
付き合い始めたMYおちんぽと遊んでいたら、お金がガンガン減っていきました。やばいです。

小説や雑文は毎日描いていたのですが、形にならなかったです。
そうして、お金が減ってきたのでわたしはもう一度、文章のお仕事を探すことにしました。

(5)
・小説講座の講師
→ダメもとで応募したら通ってしまいました。とはいえ、マンツーマン講座なので、受講生さんが申し込まないと始まらないんですが。
結局、自分自身執筆が上手くいかない時期に入ってしまい「人に教えてる場合じゃないわ!」と思って、やめました。
いつか余裕が出来てうまくなったら始めたいですけど……。
面白い小説の書き方はわからないですけど、書きたいものはある程度書けるようになるかなあ、ということで。

・エロゲシナリオの仕事
→最終選考までいったけど落ちました。
そもそも在宅で募集している案件が少ないようで、あまり見付からなかったです。

・ゲーム会社の企画…
→「あなたに出来る仕事はありません」とメールが届いて落選。すいませんでした。

・キュレーションメディアなどに書くコラムの仕事
→コラムの文章は上手くないし、専門知識もあまりないし、好きじゃないことを続けるのはしんどい!
しかも単価がクソみたいに安い。
PBWの方が報酬がよかったので、これは却下です。

というわけで、ランサーズで探してみました。
ランサーズ経由で2件受けましたが、はっきりいってヤバい案件しかありません。
ライティング方面しか見てないですが……。

・内容がヤバい
→ニュースにもなったけど、ヤバい物を受け取って、指定の場所へ発送するとか。
わたしも子供がいて思うように働けない時、一瞬やろうかと思ったんですが、ヤバいんじゃない?と思ってやめました。正解でしたよ。
→パクリサイトのお手伝いとか、パクリ記事を書く仕事とか。倫理的にどうかなという感じですね。

・金額がヤバい
→2000文字300円とか。そんなのもあった気がします。
小説ならまだしも、キュレーションメディア用の雑学的なことでそんなにだらだら書けませんって。

・クライアントがヤバい
→一度やりとりをしたら友達だと思われたのか、仕事と関係ない要求を無償でする方に出会ってキツかったです。
「その作業でもお金頂いてます」と言ったらメールがこなくなりました。

それから、出来そうな仕事を見つけて応募しても
クライアントが何の動きもなく、いつの間にか仕事が消えているということもあって、
これじゃスケジュールも立てられないし、
応募するだけ応募して、締め切りが守れなくなっても困るし……
というわけで、ここで仕事を採るのは厳しいな、と考えて
ランサーズは撤退することにしました。

(6)
子供が幼稚園の年長になり、以前より精神面が落ち着いてきて園生活も問題なさそうになったので
恐る恐る母親に相談して、パートに出られるようになりました。
うちの母は、「母親」というものに対して、一挙手一投足にも及ぶような確固とした理想像を持っていて、
そこからズレるとすぐに「愛情がない」「冷たい」「ひどい」「大丈夫なの?」と疑ったり非難したり怒ったりする人なのです。
なので、外へ働きに出たいと相談するのは、はっきりいってビクビクものでした。
けれど私自身、0歳の頃から母は働きに出ていて保育園に行っていたので、
「働きに出たら子供が可愛そうって何なんだよ? あんたが私にしてきたことは何だったんだよ」って感じですけど!

それはさておき、
14時までに帰るという条件で、外へパートへ出られるようになりました。
無理して続かなくなってもダメなので、
この地方都市の地方都市でも無理なく出来ること、ということで
お年寄り向けのパソコン教室の先生になりました。

時給は850円でしたが、睡眠不足で身体を壊してひーひーするより遙かに簡単に、3万円稼げました。
この仕事は面白いので、また改めてその話を書こうと思っています。

(7)結局
・シナリオ業は撤退しようかなと思っています
シナリオの仕事は、今の自分ではスキルが低く、単価も安い。
お金を稼ごうと思うなら、量をこなす必要があるけど、そうすると身体を壊す。

それに、わたしのお受けしているシナリオは、予めキャラクターがいて、シナリオの流れも決まっていて、
その中でいかに魅力的にキャラを見せるかということなんですが、
わたしは何年やってもそこまで行けずに、設定を「縛り」だと感じて、外れないようにビクビクしてばかりでした。
そんなんじゃ、面白いシナリオにはならないですよね。

あと、シナリオ文体も自分の文体じゃないから、書くのがしんどくて。小説より遙かに、爆裂に執筆速度が遅くなるんです。
頑張って勉強したけど、体力的な面もあって、こういうのはちょっと限界かなあと思いました。
シナリオ文体で書いていると、小説の文章の書き方を忘れてしまうので、これもつらかったなあと。

・やりたいことは
やっぱり小説を描きたいです。小説を描いていたいです。
って、ここで日記ばかり書いてるくせに何だーって感じだけど。
小説書きたいです。小説を日中に書いて、家族のためにご飯を作って、8時間睡眠して、お風呂入ってメイクする時間もあるような、そんな生活がしたいです。
風呂も入れず、ご飯も食べれず、日中は家族のために尽くして、睡眠時間を削ってなんとか執筆時間を捻出するとか、そういうのはもうやりたくないんです。

でも小説を描いてお金をもらえればいいってわけじゃなくて、
その、ランサーズでオーダーメイドで書いたこともあったけど、そういう日陰のしごとばかりっていうのも
つまんないですよね。

やっぱり理想は、小説を描くことで社会と繋がりたい、評価を得たい、お金を稼ぎたい、生計を立てたい。
そんなところです。

(8)
年末に引っ越すので、パソコン教室の先生を退職して次の仕事を探さなくてはなりません。
出来れば家で文章を書く仕事が出来ればいいんだけど。

(9)
無理をせず、好きなことでお金を稼ぎたいものですね!
みなさんにも幸福あれ★


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