共感の時代へ

サピエンス全史から妄想あれこれ(3)

ハラリ氏の徹底した「standing on the shoulders of giants」の姿勢

 ユヴァル・ノア・ハラリ氏は人類の歴史に関するあらゆる分野の研究成果を学び、巨人の肩に乗って自身の独自の壮大な歴史観を展開している。ハラリ氏の姿勢はまさにstanding on the shoulders of giantsを地で行っている。
 第1章「認知革命」第2章「農業革命」には、一般人にとってはおなじみのなかった人類学上の研究成果が凝縮されている。そこからの展開が面白い。この本により人類学の研究成果を知ることとなった人も多いはずだ。人類学に関心を持つ人を増やしたという一大功績がありそうだ。私までご本家の人類学者の本をこの機会に読もうという気になったのだから。

◎ 人類進化論 : 霊長類学からの展開 / 山極寿一著. -- 裳華房, 2008
 サル化」する人間社会 / 山極寿一著. -- 集英社インターナショナル, 2014. -- (知のトレッキング叢書)
◎ 山極寿一×鎌田浩毅ゴリラと学ぶ : 家族の起源と人類の未来 / 山極寿一, 鎌田浩毅著. -- ミネルヴァ書房, 2018. -- (MINERVA知の白熱講義 ; 1).
◎共感の時代へ : 動物行動学が教えてくれること / フランス・ドゥ・ヴァール [著] ; 柴田裕之訳. -- 紀伊國屋書店, 2010
◎山極 寿一; 本郷 峻. 人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality) (下): 共感社会と家族の過去、現在、未来 (アイカードブック)
◎『歌う ネアンデルタール—— 音楽 と 言語 から 見る ヒト の 進化』     スティーヴン・ミズン   熊谷 淳 子 訳( 早川書房、 二 〇 〇 六 年) 原著 二 〇 〇 五 年
◎ 『家族 進化論』 第六 章・第一 節   ホモ・サピエンス の 登場     山 極 寿 一( 東京大学 出版 会、 二 〇 一二 年)

次回以後で、この本からさらに広がった妄想を書いてみることにした。


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