横イメージ2

あなたは砂場でマルボロを 表紙デザインの話

NovelJam2018秋、チームモリサワで2冊の本を出版しました。

『あなたは砂場でマルボロを』森田玲花さん
https://bccks.jp/bcck/156972/info
『マイ・スマート・ホーム』沢しおんさん
https://bccks.jp/bcck/156973/info

『あなたは砂場でマルボロを』の表紙デザインの話を書いておきます。
森田玲花さんの作品。森田さんは詩人です。言葉の、モチーフの持ってき方が印象的で、1つ1つの言葉が強いビジュアルイメージを持っています。さすが詩人、、!

※ここからちょっとネタバレするので、まずは読んでから見ていただけると嬉しいです!

最初のプロットを読んだ時に思ったイメージはツブツブの粒子、お日様の光で埃が舞ってるような絵が思い浮かびました。
様々なサイズの粒子が様々なイメージを持って登場します。砂や砂利や塩や粘土や、、ふわふわのわたあめとか。タバコもガサガサの葉を燃やして煙と灰にする。主人公の彼女はガサガサから変容してふわふわの煙になりたいのかな。彼女の世界はツブツブだったりガサガサだったりふわふわだったり、、目まぐるしい。
そしていつも喉が乾いている。乾いているのにタバコをすいたくなっちゃうのは、火で粉塵爆発したいのかな?とか思ったり。世界を壊してくれる、自分を変容させてくれる何かを求めているってことかと思います。

主人公の彼女の求めるものは特別な何かでは全然なくて、みんな同じように苦しんで求めているものです。ただこれを言葉にしておいてくれることで、救われる人は多いだろうなと。
全然味わいが違うけど『カキフライが無いなら来なかった』(せきしろ&又吉直樹 幻冬社)というタイトルの俳句集の話をしたことを覚えています。「カキフライ」というある一定範囲の人には響きまくるキャッチーなワードというか感覚みたいなもの、「あるある」というか「それそれ」というか、、自分が何となく思っていたことを言葉として形にしてくれる人がいるということだけでとても救いになるだろうなと思いました。言葉を紡げるということはとても強いな。

とりとめない感想になってしまった、、
表紙はこんな感じになりました。

森田さんの小説には「使える」ビジュアルイメージがたくさんでてきます。あれもこれも、あのシーンもいいな〜となる。そういう取捨選択が不得意で、、全部盛り込もうとしてしまいがちなんです。なので最初に作ったものは盛って盛って暗く、重たい雰囲気になってしまっていたので、景虎編集長にディレクションしてもらって、何とかここまで削ぎ落としてもらいました。読者さんの間口がぐっと広がってとてもよかったと感じています。

人物写真は使おうと思ってました。人物写真を使うと信用できる感じがします。目立ちますし。ただ写真の選定はもう少し頑張れた、、記号的になってしまったと反省です。失敗を怖がらずに森田さんを撮影すればよかったな、、
あと縦に文字を組むのってこんなに難しんですね。練習しないと、、

チームの人を頼りまくってやっと形になった感じです。とっても愛おしい。
そんなチームモリサワの作品たちをどうぞよろしく。
https://bccks.jp/store/181815

Kindleでも発売開始されました!

『あなたは砂場でマルボロを』森田玲花さん
http://amzn.asia/d/hQH0lhl
『マイ・スマート・ホーム』沢しおんさん
http://amzn.asia/d/6facop2


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