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子供の頃考えた「俺の超人」思い出しながら読んで欲しい話。

子供の頃泳げなくて。

幼稚園とか小1の圧倒的子供の時。近所の(北海道的距離感)浜に何度か行った覚えがあるんだ。カセットテープのピョーって引っ張り出した中身そっくりの海藻がびっしり生えてる磯を越えないと辿り着けない浅い内海で私はゴムボートに乗っかって揺蕩ってただけだった。
どの位浅いかと言うと、幼児が手を伸ばしてヒトデが捕まえられる位。母は私に着いてボートを押したり引き戻したりしてくれてた。私は母の視線の先にウニが居るのに気付いてはいたが、ウニは刺々しくて可愛くないので知らんぷりを決め込んだ。後から知ったが、そのウニは獲ったら、いや盗ったら密猟になるウニだったよーなので星型ヒトデだけを獲った私を褒めて欲しい。

そんなゴムボートをヒトデで埋め尽くした私だが、小2の時衝撃の事実を知る。

夏休み中に水泳教室のイベントに参加した時に、泳げる子は深いプール、泳げない子は浅い(膝まで無い位)プールに別れたのだが、浅いプールの小学生は私だけだったんだ。
えっ皆泳げるんだ‥。先を越された、っつーか泳ぐと言う行為を練習するって全く考えなかった自分の情報収集能力の無さを恥じた。更にスクールの先生が「さあ、水に沈んだ宝物を見つけよう!」と練習用のゴム製の石を投げ込むと、大きなプールの子達は水に潜って探し回り、上がる歓声を聞きながら私は小さなプールで幼稚園児に混ざって水に顔を浸ける事なく手を伸ばして宝物を拾った。

「こんなすぐ手に入れられるモン宝じゃねぇ!俺は自分だけのワンピースを手に入れる!」
イベントの帰り、水泳教室に即時入会した。


ソレはさておき、フォール・アウト・ボーイの声の真っ直ぐ具合と曲の王道っぽさの組み合わせが好きなんやが。
こんなん絶対売れるやん。って漫画原作が10本有るとして、実際採用されんのって3割位なんじゃないかと思うんよね。(何の根拠も無くただの勘です。)で、更にその中でも作画入れたら頭抜けて売れるよーな、最高に売れるしか無い1本。そーゆー楽曲を作ってんのがフォール・アウト・ボーイです。

私はCDとか携帯のスピーカーを通して聞く声には、放射状に広がってくようなイメージになるのと、口から放たれた声の塊が列車みたいに進んでくるイメージと、大まかに2種類感じるんだけど、ボーカルのパトリック・スタンプはもう絶対後者で王道の中の王道・少年ジャンプの中のワンピース、と言った主人公声をしてる。決して幕張では無いよね、っつー。(幕張大好きだけどね。)

しかもねー声の重さが凄いんだ。密度が高い、圧縮された声の塊をガシガシぶつけられてる感じ。
あんなんカーリングのストーン当てられてるよーなモンだよ。あんな重いの(調べたら20kg有るらしい)あの速さで衝突したら絶対骨折れる。
それでいて置きたいトコに置きに行く正確さも痺れる。普通スピード取ったらテクニカルな部分は諦めんのよ、でもパトリックは敢えて全部取りに行く。しかも小細工無し、テクニックが発揮されんのは音程にのみでソレがまたシンプルで気持ちが良い。主人公なのよ既に。
少年誌の超王道ただ題材はややマイナースポーツのカーリング。やべコレ絶対売れるって!

もう既に売れてるけどな。は、さて置いて(2回目)パトリックを支えるバンドもまた良い。間違い無く売れる漫画原作の部分。
フォール・アウト・ボーイは一時期解散してたんだよね。んで復帰第一弾のコレ。解散前のアルバムと復帰後聴き比べてみたんだけど、前者はキャッチーでポップ、後者は楽曲がハードになって訴えたい事があるんだ!みたいな吠え感を思わせる。バンドのストーリーが進んだのかも知れない。


話は戻って、スイミングスクールに通って泳げるようになったかと言うと割とフツーにその年の秋頃には泳げるようになった。
本当あっさり、いつの間にか。でも、水の中で目が開けるのが怖い!からの勇気を振り絞ってみたら驚く程平気だった、ような積み重ねが自分を強くしたように思う。

そんな当たり前に気付いた瞬間、誰しもが主人公になれるんだろう。
その物語に似合うオープニングは王道に王道を重ねた、まるで少年誌原作のアニメのような。


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