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米津「PaleBlue」3曲を改めて推す!/気まぐれ雑記(#スキな3曲を熱く語る)

「#スキな3曲を熱く語る」という企画参加なんですが、みなさんもうご承知のように、「スキな3曲」なんてテーマを絞らないと決められるわけがない!・・・というわけで私の好きなアーティスト・米津玄師さんのシングル「PaleBlue」収録の3曲の魅力を語りたいと思います!

1、PaleBlue

タイトル曲「PaleBlue」はTBSドラマ「リコカツ」の主題歌として制作され、ドラマの中でも主人公の男女2人の心模様が、次第に恋に染まりゆく様子を絶妙に描き出していました。マイナーコードを巧みに使いながらワルツのテンポで囁くように歌い上げるさまは、いうなれば「物憂げな夜の因数分解」!

・・・はい、ワタクシいま自分でも何を言っているのかわかりません!

と、無駄に興奮してしまいましたが、米津さんの発想力・構成力のすばらしさに舌を巻く思いであります。マイナー=切なさワルツ=大人の恋囁き=秘密。こうした味わいを重ね合わせていくことで、楽曲全体にコクがでるというか、立体感が増すというつくりを感じました。

立体感と言えば、別のチャレンジもありました。CDに同梱の「フレグランス」。嗅いでみると、甘酸っぱさの中に潜む、蠱惑的・煽情的なエッセンスが鼻腔に広がります。驚きはこれだけに留まりませんでした。

なんと!こんなアイテムまで!

米津さんプロデュースのアイス!次元を超えた形で楽曲の中の【物語】を伝えようという熱意には感服です!


2、ゆめうつつ

日本テレビ「news zero」のエンディングテーマとして制作された「ゆめうつつ」。この曲の驚きポイントは「歌詞のワードセンス」です。この曲には「ゆめ」と「うつつ」の二面性があると私は感じています。ひとつは、ニュース番組のエンディング曲としての「余韻=ゆめ」。そしてもうひとつはアーティストとしての「風刺のマインド=うつつ」

さきに「風刺」の方からいうと、歌詞にはこんな毒のあるフレーズが仕込まれています。

広告を携えて 飛び立つ紙飛行機  何処まで飛んでくんだろう
何かを探し何かを見捨てるアドバルーン  私はどこにいるんだろう
あんな人には解らない 物語の裏 隠れたままそれじゃ また明日

スポンサーからのCM出稿を生業とする民間放送。その民間放送のニュース番組は世の中の事象にどこまで切り込んでいけるのか。報道の使命と、利潤の追求のはざまで、自分の立ち位置を見失うことはないだろうか。国民を欺き、権力が暗躍するさまを見逃してはいないだろうか

真実の追求。弱者の味方。権力の監視。

報道に求められている役割を、「news zero」は果たしていますか?と、米津さんは突き付けているのです。私がスタッフだったとしたら、この曲を聴くたびに身の引き締まる思いに駆られると思います。

そして、もうひとつの「ゆめ」について。米津さんは最後に言ってくれるのです。

疲れたら言ってよ 話をしよう

ささやかな救いのフレーズののちに、聴くものを眠りへと誘うアウトロ。リズムはノイズに紛れ、ふつりと曲は終わります。まるで誰かの意識がその瞬間に途切れるかのように。


3、死神

米津さんが落語をテーマにした曲を制作したと気づいたとき、まずは大いに驚きました。

1、2の曲はそれぞれ依頼を受けて制作したもの。いわば職人としての米津さんの姿が見えたわけです。それに比べると「死神」はカジュアルで遊び心に富んだ楽曲と言えるでしょう。

シングルに収録された3曲、聴き方の違いでいうと「PaleBlue」は世界観にどっぷり浸りながらお風呂で無限リピート。「ゆめうつつ」は寝る前のベッドの中で毎晩聴いて寝落ち。「死神」は、嫌なことがあった後にゲン直しで聴いてストレス解消!アジャラカモクレン、テケレッツのパー!って感じ。

米津さんの素晴らしいところはそれぞれの楽曲に、聴くもの一人一人が自分なりの解釈をできる余地を残してくれているところです。みなさんは、どんな印象を、思いを抱くでしょうか。みんな違ってみんないいw

以上、米津玄師さんの魅力がふんだんに詰まったシングル「PaleBlue」の3曲、2021年の私の激推しでした!

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