見出し画像

初めての入試

2月 。私立高校入試の日の朝。

娘にとって初めての入試であり、私にとっては自分の子どもが初めて入試に臨む日だ。

受験会場は隣町。車で下見にも行った。公共交通機関からすぐ、というわけでもないので、試験当日は車で会場近くまで送っていくつもりだったけど、娘は電車と徒歩で行くと言うので、駅まで送ることになった。

7時。娘は受験票に記載されている持ち物をすでに揃えているらしく、後は私担当の弁当と水筒を待つのみだ。英語の試験の前にお昼の時間があるからお弁当が要るらしい。試験にお弁当、持って行ったことあったかなぁ?とにかく、いつもの弁当を作る。

娘はもう一度持ち物を声に出して点検し始めた。「鉛筆ってこれだけあればいいかな?」と4、5本見せてくる。本当にシャーペンはダメなのかと今更聞くのもなんなので、いいんじゃないかと答えておく。確認した後、勉強するもの、なにかあったほうがいいかなぁ?と迷っていた。

「お母さんが受験の時、なにか持ってった?」と聞くので、頭の中を思い巡らしてみたが、何も思い出せない。「会場で勉強した記憶がない。学校の子と一緒に高校に行って、なんだか楽しかったのだけ覚えている。」といったら「おいっ!」と叱られた。

自分の時はどうしていたんだろう。試験当日にどう集まって、だれか引率の先生がいたのか、駅から歩いていったのか、試験前に教科書とか見ていたのかとか、試験を受けた部屋はどんなところだったのか。本当に思い出せない。

ただ、唯一思い出せたのは、試験が終わって、友達と茶色の校舎を歩きながら、「綺麗な高校だねー。」と言って、笑いながら帰っていったことだけ。ようやくリラックスできた瞬間だったのかもしれない。

その日の夕方、家で娘が色々教えてくれた。試験会場には誰がいたとか、他の中学校の子は同じ学校の子が多くて休み時間が騒がしかったとか、とにかく興奮気味に話しまくっていた。「小さい勉強本しか持って行かなかったから、休み時間が暇で暇で。過去問とか見てた子もいたのにー。」といいつつ、なにやらいろいろ楽しかったようだ。

受験はまだ続く。
無事終わりますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?