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孫正義の弟、孫泰蔵さんの話と僕の悩み

先日あいちトリエンナーレスクールの授業で孫泰蔵さんが名古屋に来てくれました。年間300件くらい講演依頼が世界中からくるくらい有名な方で名古屋で、しかも一緒に飲めて、しかも無料なんて奇跡に近いことでした。(それなのに20代の参加者が1割くらいしかいなくて怒りすら感じました。)

今回の話の構成はこんな感じです。
■孫さんの話
・アートに興味を持った理由
・なぜ今アートなのか?
・人工知能から見る今すべきこと

■僕の悩み
・儲からないけど求められるアートでもビジネスでもある活動
・新世界の神はなんだ?

■孫さんの聞いてみた
・物々交換2.0
・お金の機能と依存性

■結論
・神は自分かコミュニティか挑戦か?

■孫さんの話
まずは孫さんの話がどんなものだったのかを簡単にまとめていきたいと思います。孫さんの詳細はこちらをみてください。


・アートに興味を持った理由
今回のテーマはトリエンナーレということもあって「アートがビジネスに対してできること」というテーマでした。

なぜゴリゴリビジネスでやってきた人間が今アートに興味を持っているのか?彼はスマホーゲームで成功した後にインキュベーション会社を立ち上げ多くの起業家に投資していました。

僕の友達も2000万円出資されていて、いいなーなんて思っていました。笑
そんな中で自分に金を求めてくる人が多すぎて嫌になってきたそうです。笑

こうすれば儲かる、これがどれだけ儲かる。そんな話が乱立していて全然魅力的に感じなかったのです。そんな中でも魅力的な起業家はいました。それはまるでアート作品を作るかのように自分の世界観を打ち出し、モデルを形成し、社会に影響を与える起業家です。

そこの多くにはマネタイズがなかったですが、そんなことはどうでもよくてただただ自分が夢見る世界を見てみたい!その一心で彼らは自分の信じる世界を突き進んでいます。

その美しさに触発され、孫さんもアートに興味を抱きます。
お金を目的とした活動がダサく、古く、人として本質的ではない生き方に見えてしまったのです。(ただし、お金も必要なので100or0の話ではない。比率の問題)




・なぜ今アートとビジネスなのか?
最近デザインとビジネスの本がたくさん出てきていますが、これからはアートとビジネスの本がもっと出てくると思います。(もう出てきてもいますが)

その理由が孫さんも言っていましたが、既存のビジネスモデル構築プロセスでは社会に受け入れられないからです。今まで散々にお金を稼ぐということを理として導き出したモデルが飽和しているのです。

利益を上げることを頂点に置いた既存ビジネスに人々は飽き飽きしているのです。だからこそアートを主軸にしたロジックで導いたモデルこそがこれからのビジネスの潮流になっていくと孫さんも考えています。(アートは「感性的認識の完全性の表現活動」で、広義では「自己追求」とここでは認識します。)



・人工知能から見る今すべきこと
上の文脈で今回のトリエンナーレにきていたのですが、この後の話が本当は話したかったんじゃないかなー?と感じるくらいここからの話を真剣に、辛辣に、ワクワクしながら話してくださりました。

彼は社会にまだ出てこない最新の技術に投資をしているのでこれから未来を変える世界を見ています。そんな彼が今回僕らに見せてくれた新技術は3つ。

①200キロ飛行が可能な大型ドローン
ハングライダーの仕組みを使って長距離飛行を可能に。
人工知能が1日30万回ルートの仮説検証を行い、フライトの際には絶対に落ちることはない。嵐でも飛行可能。

②どこでも生活可能にするモバイルグリッドシステム
スマホ一つでインフラが自動運転で届く。富士山の山頂で1ヶ月生活することも可能になる。アメリカのバーニングマンでテストした時は「日本人がやばいもん開発してるぜ!」って感じで大人気だったらしい。(バーニングマンは1週間砂漠でインフラなし生活)

③20Lで無限シャワーを可能にする水濾過システム
人工知能で水の状態を検知して自動で適応フィルターに分けるシステム。
アタッシュケースサイズになってきたのでもう直ぐ商品化。水道局も下水もいらなくなるかも(てことはインフラいらなくなるから国がいらなくなる。)


※ほんとは全てリンク貼りたいんだが、サイトもないような情報だった



そんな世界を見ている中で彼が殺意を覚えるほどやばいと思っていることが日本の教育とのこと。

 これから医療や士業といった今のヒエラルキー社会の中で上に存在している職業が来年か再来年くらいで崩壊が始まる。ということは今の教育で頑張ってる子達が途中でひっくり返る事態になりかねない。しかし、なんの危機感も持たずに対策しない日本政府はまるで子供達の未来を絶望の淵に落とそうとしているようなものだという。

そんな中で子供達が学ぶべきことは何か?
「World is programmed」「No Limit」この考え方をインストールしてもらいたい。つまり、世界は自分で変えられるし、自分に限界はないと感じて欲しい。



今の日本教育は隷属的サラリーマンを作り出すシステムだから世界は変えられないと思ってるし(会社の中ではそっちの方が都合良い)、自分には無理だと思うようにできてる。

そんなやつらはこれから淘汰されていくし、人工知能社会において必要のない人間になるからそこの考え方を変える施設を彼は作っている。

それがVIVITAという施設。簡単にいうと教育的なファブステーションだ。

ここでは子供達が作りたいと思ったものがなんでも作ることができる。しかも無料で!!一人の男の子はジェットコースターが作りたいということで実際に作ったらしい(運営側はみんな驚愕。笑)

でもこれこそ、まさにNo limitでWorld is programedな事象で、限界はないし、全ては自分で作ることができる。


この施設にビジネスモデルはあるかと言われたらなくて、全然利益を考えていない(ここは僕らと似ている)。これが彼のアート作品なのだ。

しかし、多くの人はこの施設を各地で作りたいと言っている。儲からないビジョンが人を動かし、世界を変えようとしている。これこそ新時代の経済活動である。



■僕の悩み
そんな中、僕の世界の話ももう少しクロスさせていきたい。
僕は最近とても悩んでいるんです。その相談にも載って頂けたら。。。笑

・儲からないけど求められるアートでもビジネスでもある活動
物件を8件も9件も持っててすごい!成功してる!儲かってる!!と言われるがそんなことはない!笑
物件はあるが儲かってなどいない。けど社会から求められることは多々ある。しかしお金は必要。

んー、なんで僕らはこんなに苦しんでいるのか?そしてなぜ苦しみながらも僕らは続けているのか?

それは時代が変わりつつある中で変わる寸前だから現代社会のヒエラルキーのなかで苦しんでいる。(と信じている。から続ける。)



・新世界の神はなんだ?
神とは何か?それは絶対的なものであり、それに逆らえば罰が下され災害に合う。だから悪いことはしてはいけない。

あなたはこの考え方の中で悪いことをしますか?
する時もあるし、しない時もあるでしょう。

じゃあ次。
悪いことをすれば罰が下されお金がなくなり、一文無しになる。だから悪いことをしてはいけない。

あなたは悪いことをしますか?
する時もあるし、しない時もあるでしょう。


科学が発展する前の時代、宗教が頂点となる社会がありました。宗教主義社会としましょう。理解できない自然現象の全てが神の力とされていた時代です。

この社会ヒエラルキーの中では神が絶対的な力を持ち、神に近づくために装飾、仕事、遊び、性などが決定されていました。これを旧社会とします。

神に反することが死につながり、神にそぐうことが生につながる世界です。


しかし、科学が発展し災害は神の仕業ではないということがだんだん証明されてきました。そして技術革新が起こり、産業革命が起こりつづけ、経済が発展していきました。その結果お金が大きな力を持つ世界ができます。これが資本主義社会であり、ここでは現代社会と名付けることにします。

現代社会ではお金が神です。お金がなければ生活困難になると思い、お金があればなんでもできると思ってしまいました。


しかし、経済発展も頭打ちになり世界成長率も先日ストップしたというニュースも流れました。経済発展が前提の社会ではお金が神格化され、絶対的な存在として超越的な力を持っていましたが、そのバランスが崩れます。

そして訪れるのは新社会です。
企業、国家がやってきたことが個人でできるようになり、インフラもお金も保険も不動産も全てのことが民主化されていきます。

人工知能が人々の仕事を奪い、どんどん暇になっていきます。

そんな新社会では神という存在も金も機能はしていますが、今までのような絶対的な力はありません。それらを基準に人は行動をしなくなります。

じゃあ新社会の神となる存在はなんなのか?
これがなければ生きていくことができず、死んでしまうような絶対的な存在、ヒエラルキーを作り出す存在はなんなのか?

これが僕の最近の悩みでどうしても導き出せない答えだったのです。

しかし、講演会後、たまたま孫さんとトイレで鉢合わせしたのでついでに聞いてみました。



■孫さんの聞いてみた
・物々交換2.0

端的にいうと「お金はただの媒介なのでお金を媒介にしない物々交換社会が生まれるよ。」ということでした。

しかし、そんなネットに転がっているような答えでは満足できなかったので、「それって今までは経済発展のために、流通を効率化する必要性があって、その問題解決をしてくれたのがお金のストック性とモビリティ性の特徴だと思うんですが、それを補填するようなサービスがもうあるってことですか?」

って聞いたんですけど、あんまりその辺りのサービスなどはないようでした。


■結論
・神は自分かコミュニティか挑戦か?

といったところで結局僕の疑問はまだ晴れていないのですが、新社会の神となる存在はなんなのか?コミュニティなのか?挑戦なのか?民主なのか?

これから時間ができて、やることなくなる社会の中で主体性のない人(休日にやることなくて困ってる人要注意)は退屈で退屈で死にたくなると思います。

そういう意味で自分で自分の希望を抱けない人は淘汰されて死ぬ可能性を考えると、主体性そのものが神のような存在になるのかも。でも主体性って認識できないから、それの具体化したものとして、コミュニティ、挑戦といったものが評価対象になるのかなー。

とかそんなことを考えています。
しかし、まだ結論が出ていません。


あなたはこれからくる新社会の神はなんだと思いますか?


ありがとうございます!引き続き頑張ります!