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需要予測はなぜ当たらないのか?(欠品と過剰在庫を防ぐ新たな在庫管理方法)

「需要予測はなぜ当たらないのか」をテーマに話したいと思います。


様々なシステムが会社に導入されていますが、「当たるようになった」とか言って「いやーもうすごいんですよ。3割ぐらいは当たるようになりました」という人がいます。しかし、実際には7割が外れるんですね。

みんなが「いやーもう20%改善しました」とか言うので、「すごいですね」と言うんですが、もともと当たる確率が7割ぐらいだったんですよ。
それで20%改善したというのは、実際にはノイズみたいなものではないでしょうかと言ったら、その通りですね。そんなことが結構、多かったりするんですが、需要予測がなぜ当たらないのかということについては、実はもう既に昔から明らかになっています。

予想に隠された衝撃の真実っていうのはご存じだと思いますね。
予想をひらがなで書くと「よそう」で、後ろから読むと「うそよ」ということで、もうすでに嘘だということが書いてあります。

本当はここに「予想」と書いたんですよ。
だから本当だったらここに「予想」と書きたかったんですよ。ただ「よそく」と書くと、逆さの意味がちょっと下品なのでやめたほうがいいなぁと思って。今回はやらなかったんです。

予想が当たらないのは証明されている

予想は当たらないということが広く認識されています。
科学的にも証明されています。

第2次世界大戦中の話ですが、
ドイツから落ちてくる迎撃ミサイルをどうやって迎撃するかという問題に取り組んだ学者がいました。
アメリカのトップサイエンティストたちは学問領域を超えて協力し、その結果、興味深い事実が明らかになりました。
弾道ミサイルは物理学の法則に従って飛行するはずでしたが、実際には飛行環境に左右されることが分かりました。

空気の密度や温度、風の動き、炎の燃え方など、飛行環境は常に変化するため、各要因は常にばらつきを示します。
そして、これらのばらつきが互いに影響し合うことが判明しました。その影響を考慮すると、将来の予測が不可能であることが証明されました。
これが複雑系のカーブとして知られています。バタフライ効果として有名な話です。

さまざまな業界においても同様の状況が存在する可能性があり、
複雑な環境下での作業が求められます。
したがって、「AIは当たるよ」と主張する人たちがいる場合、科学的な常識に基づかない行動をとっている可能性があります。
こうした行動に惑わされ、大金を投じてもうまくいかないという事例が多く報告されています。このような悲しい事実を踏まえて、常識に基づいた考え方をしていただきたいと思います。

確かにAIはチェスや将棋で人間に勝つことができますが、これらはルールが不変であり、データを完全に取得できます。
一方、現実の環境ではルールが変化します。長年の業界の概念を変える革新が成功します。一般的な世界ではこれが常識です。

また、数字化できる要素もありますが、
商品の魅力や販売スキル、デザインの魅力などは数字化できません。
競合店の価格やセールの有無なども重要ですが、これらの情報を得るために法を犯してしまう可能性もあります。これは合法的な手段ではありません。

このような環境では、過去のデータをもとにした予測モデルがあります。
AIがこれらの予測モデルを機械学習して作成し、結果が出力されます。
しかし、これはブラックボックスであり、アルゴリズムがわからないため、信頼性に疑問が残ります。

このような状況では、人間は理解できないものを信じたくなる傾向があります。実際には大金を投じても、誰も使用していないことや、
人間が修正していることが明らかになることがあります。
したがって、注意が必要です。

こういった相関関係があるという主張がなされることがありますが、なぜその数字が出るのか理解できないことがあります。
その数字が提示されると、まるで神の啓示のように感じられ、直感とは異なる場合、それを信じることが難しいと感じることもあるのではないでしょうか。

しかし、実際にはそのような事例が存在します。
提示された数字に従った結果が外れてしまうと、「この手法は信用できない」「何かおかしい」という反応が生じ、その手法を使用しなくなることがあります。人間は理解できないものに対して信頼を寄せる傾向があります。

実際に、膨大な金額を投じてAIを導入しても、結果として誰も利用していない場合や、人間が手作業で修正しているという状況が多く存在します。したがって、注意が必要です。

予想を当てるためにはどうしたらよいか

刻々と軌道が変化するミサイルがなぜ命中するのか、その理由は実はフィードバックサイクルを使用しているからです。

これはサーモスタットの原理です。
温度が一定に保たれるように、わずかな変化があると調整が行われます。外部要因に対応するためのフィードバックサイクルは、実は70年以上前から科学的に証明されています。

これを具体例で考えてみましょう。例えば、お寿司屋さんがあるとします。3つの種類のお店があります:スーパーのパック寿司、板前、回転寿司です。

スーパーの場合、待ち時間は非常に短く、調理は予測に基づいて行われます。価格が安いため、売り上げは高いです。
一方、板前のお店では、待ち時間は長く、調理は注文に基づいて行われます。価格が高めで、売り上げはそれほどでもありません。
回転寿司はどうでしょうか?待ち時間が短く、調理は消費に基づいて行われます。価格が手頃で、売り上げも良好です。

皆さん、回転寿司はお好きですか?
実は、回転寿司を見てみると、レールが回転している時に、昼休みが終わってお客さんが帰った場合、供給量が食べられる量を上回ることがあります。

では、その結果はどうなるでしょうか?

供給が需要を上回ると、過剰な在庫が生じてしまいます。その結果、品質が低下する可能性があります。そこで、供給量を調整するためにレールを制限することがあります。

このように、食べる量と供給量をバランスさせ、調和させることが重要です。そうすることで、需要と供給が適切に調整され、バランスが取れます。

そうして、長期間にわたってグリーンが続いていることは、在庫があまりにも多すぎることを意味しています。
そのため、在庫を減らすためにレイドを少なくしてみましょう。そして、それでも在庫が多い場合は、さらにレイドを減らしましょう。
常に変動する状況をモニターしながら、状態を黄色のバランスに調整していきます。

一方で急に赤になりました。つまり、予想よりも売れていることを意味します。この場合、どう対処すべきかというと、需要に応じて対応を拡大することになります。

それでも、まだ対処可能であると判断された場合、要するに、需要の変化に応じて在庫を調整し続ける必要があります。これは先ほどのミサイルの例で言えば、当たるまで照準を合わせ続けることに相当します。
つまり、予想通りに当てられるのではなく、当てるまで絶えず調整を続けるのです。

自動運転も同様の原則です。実際に、継続的な調整が必要です。
例えば、事故が発生してからエアバッグが展開されるように、その前に欠品が検出されて発注が行われるのと同じです。欠品の前に赤信号が出た場合、問題が発生する可能性があることを事前に警告することが重要です。
つまり、傾向を把握し、必要に応じて対処するためのアラートを設定することができるのです。このようにして考えれば、自動運転も可能になるのではないでしょうか。

自動制御させるために必要なこと

実際に、これをダイナミックバッファマネジメント(DBM)と呼んで、自動運転が可能になります。
短期間での変化も考慮する必要があります。
例えば、土日は必ず売れるとか、この時期はバーゲンシーズンで売れるとか、そういったことが分かっている場合は、あらかじめ予測される急激な変化を入力しておき、その変化に対する目標を設定し、目標に対する変化を常にモニターすることで、在庫を効果的にコントロールできるかもしれません。

考えてみると、自動制御装置で当たり前のように使われているフィードフォワードとフィードバックを前もってインプットしておくことになります。
状況の変化を見てフィードバックしていくということは、この理論を全く同じように適用できることを意味します。
そして、自動制御の要点はこういうことを言います。

こうやって見ると、モニターし続け、十分な範囲で見て、それで想定からのずれが明らかになった場合には、即座に修正を加え続けます。
また、前もってのプロモーションがある場合は、その情報を事前に入力し、外乱について事前に分かっている情報も同様に入力しておくべきです。このようにして、調整を継続します。

これを行うと、アルゴリズムがしっかりしていれば、億を超えるSKUでも十分に管理できる可能性があります。
要するに、単品管理はこのように簡単に行え、数字だけでなく色分けも有用です。赤が少なすぎると分かり、緑は多いと分かるようにすることで、人間が色で情報を把握することができます。

動画視聴はこちら↓
需要予測はなぜ当たらないのか?(欠品と過剰在庫を防ぐ新たな在庫管理方法) - YouTube

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#サーモスタット #自動制御 #Onebeat  

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