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【ワントーーク!第6回】鈴木優プロ

麻雀スクールOne Gameに関わるプロのお話を聞く『ワントーーク!』、第6回はレギュラーシーズンも最終盤に差し掛かり、盛り上がりを見せるMリーグでU-NEXT Piratesのメンバーとしても活躍中の鈴木優プロ

Mリーグ新記録の個人5連勝を達成、「戦闘民族」の二つ名を持つ鈴木優プロに『One Game』や生徒さんの印象、どんな想いで講師をされているかなどお話をうかがいました。

鈴木優
最高位戦日本プロ麻雀協会、U-NEXT Pirates所属。
好きな牌は【7ピン】
好きな役は【緑一色】(見た目がきれいだから)
鈴木優(@yu_suzuki_ABC)さん / X (twitter.com)


面識ゼロ! 突然のDMオファー


――『One Game』で講師をされることになったきっかけを教えてください

鈴木優プロ:久山さんからDMをいただいた感じですね。

久山校長:いきなりDMしました。面識はゼロです!

鈴木優プロ:でしたね(笑)。

――面識ゼロでいきなりですか!「何これ?」って思いませんでしたか?

鈴木優プロ:いえいえ(笑)。僕は元々愛知にいるときに麻雀店を経営してたんですけど、麻雀教室も週に1回講師として行っていて、そういうお仕事も元々すごく好きでまたやりたいなと思っていたので、すごくありがたかったです。
基本的には大会のゲストに行って、麻雀して、写真撮って、みたいなお仕事が多くて、もちろんそれも楽しいですしありがたいんですけど、それだけじゃなくて手牌を見てアドバイスして参加者の方の雀力向上に携われる、みたいな仕事が好きなので、ご連絡いただいたときは「行ってみたいな」っていう気持ちでした。

――元々講師をされていた時もプロではなく一般の方々向けに?

鈴木優プロ:そうですね、一般のアマチュアの方に向けてでしたが、そういうところで「麻雀強くなりたいんだ」「プロからアドバイスもらいたいんだ」という方はやっぱり向上心の高い方が多くて、そこからプロの試験を受けたりですとか実際にプロになった方もいましたね。
当時は愛知からだったので、片道1時間くらいかけて電車乗ってという感じで行くのはちょっと大変だったんですけど、それでもやっぱりやりたいなっていうお仕事でした。

↑面識ゼロでもDMしちゃうのが久山校長です

ただ勝つだけが麻雀の楽しさじゃない


――『One Game』やお客さんの印象はいかがですか

鈴木優プロ:レベル別に分けてできるというのがいいなぁと思いますね。
点数計算が苦手で牌に触れたこともあんまりないんですって方もいれば、いろんな麻雀大会出ててもっといい成績を残したいんだって方もいて、いろんなお客さんが来てくださるんですが、なるべく同じぐらいの雀力の方で4人集まって卓分けして打てるようになっていて。「ちょっと刺激的に打ちたい」にちょっと高レベルな質問したい」って方には技術的なことを教えて、「まずは技術的な部分よりも基礎的なところや麻雀の楽しさを4人でコミュニケーションとりながら教えて欲しい」って方にはそれに合わせて、と分けて教えることができるので、それは本当にとてもいいなと思います。
来てくださるお客さんも僕のゲスト先によく遊びに来てくださるお客さんだけではなくて、僕が『OneGame』さんで講師を始める前から元々来ていらっしゃる方で、僕の話を聞いてみたい、アドバイスを受けたいって方も来てくださっていて、「強くなりたい」とか「麻雀の深い技術や戦略的なところを取り入れたい」っていう向上心の高いお客様が多いなっていう印象です。

――『OneGame』での講義で印象的だったことを教えてください

鈴木優プロ:麻雀を教える時に僕がいつも心がけていることが「その方が求めていることを教えてあげたい」「その方がどういう麻雀を打ちたいのか
を尊重してアドバイスしてあげたい」ということなんです。
こちらで教えていて本当に印象的だったのが、高目大三元のテンパイですね。白が出たら大三元でもう1個の方もホンイツで倍満くらいあったんですけど、安目の9索が出て「先生、私こっちでアガリたくないんです」っておっしゃるんですね。なので「○○さんはそれでいいんです。白が出たら大三元ですからね」とお返事しました。本当にその方が打ちたい麻雀を打ってくれたらいいと思うので、その大三元安目見逃しがとても印象的でしたね。
別の時でもドラ3で鳴いてもいいなと思うような手で「これはまだ鳴きたくないんです、リーチしたいんです」って言われたこともあって。
これはすごく大事で、僕はただ勝つだけが麻雀の楽しさじゃないと思うんですよね。自分の麻雀を打つ楽しさというか。本当に勝つことが目的で「先生ならどうしますか?」と聞いてくる生徒さんには「これはチーして、もうカン3索の2000点のテンパイを取るべきです。供託が2000あるんで」みたいなことをお伝えしますが、そうじゃなくて、ドラ3あっても「これは鳴きたくなくて」とか「三色にならないこっちはアガリたくなくて」という人もいる。
ここって、部活でいう合宿みたいな「麻雀を強くなるためには自分の考え方を捨ててこうしなさい」、例えば「ダブ東は一鳴きしなさい」とか、そういうものじゃないと思ってるんですね。僕は本当に麻雀の楽しさを伝えたい。こんなに素晴らしくて面白いゲームは他にないと思ってるんで、「麻雀ってこんなに楽しいんだよ」「自由なんだよ」って、別にこれを鳴いても鳴かなくてもいいし、押しても止めて降りてもいいし、リーチしてもしなくてもいいし、その人が一番麻雀を楽しめるように、ちょっとひとことふたこと、その人に寄り添ってあげたいなって、いつもとても思っています。

一人ひとりのお顔を見ながらの座学

「なにくそ」と思った初心者時代

――素敵な指導方針です…!Mリーグが始まってからより顕著に感じますが、以前より麻雀が気軽に楽しめる環境になっている気がします

鈴木優プロ:今はABEMAで麻雀チャンネルがあって、実況も解説もわかりやすくて素晴らしい。戦術本もめちゃくちゃ出てますし、麻雀始めたての方も本だったりメディアだったりで強くなる環境が整ってきてますよね。
昔って本当に何もなくて、僕もそうですけど、先輩だったりとかお店の人に「駄目だよそんなダブ東絞らなきゃ」「こんなチーは駄目」とか「これは暴牌だ」とかすごい言われて。そういう中で僕は「なにくそ」「強くなるぞ」って思ってやってきたんですけど、僕もお店で経験したんですが、常連の人にきついこと言われたとか点棒投げられたとかそういう嫌なことをされて、せっかく若い子が勇気出して雀荘に一歩踏み入れて「麻雀やってみよう」って来たのに、「怖いところだな」「ちょっとつらい経験したな」って麻雀から離れてっちゃう方もいたと思うんですよね。
でも今は本当に変わってきて、『OneGame』さんもそうですけど、ちょっと最初頑張って勇気出して一歩踏み出して来てもらえたらみんなで楽しく打てる場所が増えてきてますよね。もちろん楽しいことばっかりじゃなくて、放銃したりとか点数なくなっちゃったりハコテンしちゃったりとかもあると思うんですけど(笑)。
でも本当に昔と比べて、今はアドバイスしてくれるプロの方のいる麻雀教室があって、同じく昔と比べて女性の方や若い方がすごく増えてますよね。昔は女性って麻雀荘に全然いらっしゃらなかったですし、若い子が頑張って来ても常連の人にきついこと言われて、「向いてないな」「もう行きたくないな」っていう方が多かったと思うんですけど、今はもう本当にいい時代だなって思います。
そんな中で何か少しでも、「楽しいな」「また来たいな」「初心者でももっと練習して大会に出てみよう」とか、ちょっと大げさですけど「プロ試験受けてみよう」とか、そういうふうに麻雀により興味を持ってくれて、たくさん打ってくれる方が増えたらいいなってすごく思います。
なので、この仕事は本当にありがたいですし、やってて楽しいですね。

本当に麻雀が好き!という気持ちが伝わります♪

成長を見守る親鳥・鈴木優プロ

――初心者の方の麻雀を見てやきもきしたりはしませんか?

鈴木優プロ:全くないですね。僕もそうですけど、始めて1週間のときに点数計算もできて取り出しも間違えずに、周りのペースに合わせてキビキビ打てたかっていうと全然できなかったですし、やっぱり初めはみんな初心者なんですよね。
みんな初めは初心者だったのに、今できるからってできない人に対して「打つの遅いな」とか「そんな計算もできないのか」とか、「裏ドラ乗ってるんだから跳満あるよ」みたいにきつくあたるような態度って誰もいい気分にならないと思うんです。昔は常連さんや強い人の中に割って入っていく形になってやっぱりどうしてもつらかったと思うんですけど、今は同じぐらいのレベルの人と打ってそれこそ若い方女性の方もいて、そんな中で僕の目の届く範囲で打っていただけたら、楽しんで「また来たいな」って思ってもらえる自信はとてもあるので、勇気出して麻雀を打ちに来てくれる人が一人でも増えたらいいなと思いますね。
たまたまMリーグを見てだったり、初めは家族や彼氏彼女、友達の影響で見始めて、全然何もわかんないけどちょっとやってみたいな知りたいなって思って来てくださる方もすごくいらっしゃって、そういう方がもう今バリバリ打てるようになったりとか、半年前に初めて講義受けに来てくれた方がもういろんな麻雀大会行ってますとか、成長していく姿を見るのもとても楽しいというか。
自分のお仕事が、麻雀の部分だけですけど、他の方にちょっと影響するというか、すごく成長していってどんどん独り立ちしていく姿を見るのはとても嬉しいですね。

――成長を見て親鳥のような気持ちに…?

鈴木優プロ:本当にそうですね!(笑)
「先生、この前こういう手牌があって、ここまでいったんだけど上がれなかったんです」とか「こういう手牌があって、私三萬切ったんですけどどう思いますか?」とかそういう質問持ってきてくださったり、「今度この麻雀大会行ってきます」とか「先生のおかげでこの麻雀大会で優勝したんです」みたいなことを写真付きで報告してくれたりすると、なんか嬉しいですね。
半年前、それこそ全然手つきもおぼつかなかったような方が、もちろん本人の努力があってこそそうなってるんですけど、麻雀にすごいもっと深く興味を持って成長するきっかけに僕がなれたかもしれないと思えることは、こういう仕事してて嬉しいなと思います。

親鳥の眼差しで指導する鈴木優先生

魚谷プロにも受け継がれる「最後まであきらめない気持ち」


――ご自身が麻雀を打つ上で、軸となっている考え方はありますか?

鈴木優プロ:生徒の方にもよく言うんですが「放銃は駄目なことではない」と思っています。

――『OneGame』にいただいた色紙にも「放銃は友達」と書いてあります

鈴木優プロ:はい、友達です(笑)。やっぱり、オリてるだけでは点数増えないですからね。みんな最初2万5000点で始まって、終わって「やったー!2万5000点持ってる」とか、「放銃しないで2万2000点持って、ゲーム終われたー!」ってなっても、これ絶対トップ取れないんですよ。
点数を増やさないと絶対トップを取れないゲームなので、トップを取るためには自分でアガらなきゃいけない。アガるためにはオリてばっかりじゃ駄目ですよね。勝負どころを見極めるのはとても難しいんですけど、自分がトップを取るためのアガりを取るために、自分に「これはもう放銃しても後悔しない」といういい手牌が来た。半荘最短8局しかなくて、毎回手が入るわけではないので、「これはもう巡り合ったな」っていう手牌が来たら、他からリーチ来ても、もう見えないふりして自分の上がるためにまっすぐ切りましょう。それで放銃したって全然いいんですよっていう。
なので自分で打つときも、放銃を怖がりすぎないっていうのはとても意識してますね。

ノーレート雀荘対抗戦の時にいただいた色紙

鈴木優プロ:あとは、魚谷さんもよく言ってるんですけど、たくさんの方が応援してくださってるので、どれだけきつい状況になっても、もう手がすごく悪くて4着目でも、最後の南場の親で仕掛けも2個入ってリーチも入ってきつい状況でも、本当に応援してくれてる方よりも先に諦めない。最後まで締めない。

――魚谷さん、よくおっしゃってますね

鈴木優プロ:はい。それは僕が魚谷さんに言ったことなんですけど(笑)。なので本当に「もう駄目だ、もうきつい、この手牌はもう無理、この半荘はラスだ」って、簡単に自分が諦めては駄目ですよ。「もうこれはさすがにきついな」ってときもあるんですけど、でも自分がそれで弱音を吐いちゃったら、自分のことを信じてくださってる方が今すごく応援してくれてるのに、先に諦めたらそれは駄目だなって思っています。だからどんだけきつくても、最後まで一番いい一打を打つし一番いい選択をしようっていうのは一番気をつけてますね。

最後の一打まで、最良の選択を

超上級者から初心者までだれでもウェルカム!


――どんな方に優さんの講義に来てほしいですか?

鈴木優プロ:「麻雀からちょっと足が遠のいてたけどもう1回ちょっとやってみたいな」とか、「昔やったことあるけど少し嫌な思いしたな」「最近やってみたけどまだ怖いな」っていう人に来てほしいなと思いますね。麻雀の楽しさを伝えられる自信はとてもあるので。
ゲーム性もそうですし、コミュニケーションツールとして麻雀ってとても優れていると思うので、足がちょっと遠のいちゃった人、麻雀にあまり良いイメージがない人に来てほしいなと思います。
初心者の方はもちろん来てほしいですし、今もう腕にすごい自信があるけどもっと強くなりたい人、もっと知識を得たい人にも来てほしいな。
超上級者から初心者の方まで、本当にどなたが来てもその方の目線に合わせて伝えられると思うので、みなさんぜひ来てほしいと思います。

麻雀の楽しさ、伝えます!

実は優先生のインタビューを録らせていただく日、私(note担当・中の犬)が逆の電車に乗ってしまいお約束の時間に遅れてしまったのですが、「大丈夫ですよ、僕もよくやりますので~」と優しく許してくださいました(本当に申し訳ありませんでした…!)
プロインタビューは読んでくださる方が一緒にプロのお話を聞いている気持ちになってほしいと思い、あまり要約せず口調やリズムを残した形でまとめているのですが、お話をうかがっているときから口調もお言葉も優しくて、本当に「優」さんだなぁと思いました。
一貫して「麻雀の楽しさを伝えたい」「教える仕事ができてうれしい」と語ってくださった親鳥・優先生の勉強会は麻雀を打ちたい方ならどんな方にもお勧めです☆

優先生の勉強会が気になる方は是非、『One Game』のホームページやTwitter(X)をチェックしてくださいね。

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今回のちょい足し!!

今回のちょい足しは、仲林圭プロから頂いたちょこっと質問への回答と『OneGame』で起こった「お白湯(さゆ)の怪」です☆

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