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【ワントーーク!第5回】村上淳プロ

麻雀スクールOne Gameに関わるプロのお話を聞く『ワントーーク!』、第5回は最高位戦日本プロ麻雀協会A1リーグ所属の村上淳プロ

理論に裏打ちされた麻雀スタイル、「リーチ超人」の異名を持つ村上プロに『One Game』や生徒さんの印象、そして村上プロご自身のお話まで、いろいろとうかがいました!

村上淳
最高位戦日本プロ麻雀協会所属。
好きな牌は【白】
好きな役は【立直】
村上 淳(@zunzuntantan)さん / X (twitter.com)


鳴海プロの直談判で実現した村上プロの勉強会


――『One Game』で 講師をすることになったきっかけを教えてください

村上プロ:久山さんから突然ご連絡をいただいた感じですね。その時面識はなかったんですけど…

久山校長:村上さんは鳴海くん(『One Game』スタッフ・日本プロ麻雀連盟 鳴海拓斗プロ)から「呼びたいっす!」ってリクエストがあったんですよね。

村上プロ:たぶんそんな感じですよね(笑)。
鳴海くんとは久保さん(KADOKAWAサクラナイツや日本プロ麻雀協会のスポンサーをしている『一久』の久保祐樹社長)の家で何度かお会いしてました。久保さん宅では他にもみなみさん(日本プロ麻雀連盟 秋場みなみプロ)とか『One Game』さんに行ってる人とお会いすることが何度かあって『One Game』さん自体は知ってたんですが、その場で鳴海くんから「講師のお仕事どうですか」みたいなことを言われたことはなかったので、鳴海くんの独断で話をしてくれたんじゃないかな(笑)。でもなんか嬉しかったです。
勝又(日本プロ麻雀連盟・EX風林火山 勝又健志プロ)とかうっちー(日本プロ麻雀連盟・KADOKAWAサクラナイツ 内川幸太郎プロ)が先生をやっているのも知っていて、僕も教える仕事は好きでいろいろやっていましたし、こちらで講師をすることになりました。

■後日、鳴海プロに当時のことを聞きました!

鳴海プロ:スクールの生徒さんから「村上さんの授業を受けてみたい」という声が多かったのと、お会いした時にものすごくいい人で麻雀の知識もものすごく深くて、是非講師として来ていただきたいと思って久山さんに直談判しました!

ナイス直談判!

成長を感じるのが教える喜び


――教えるお仕事は結構されてらっしゃったんですね

村上プロ:そうですね、Mリーガーになるよりもっともっと前には、よく女流プロに教える会をやっていて、その前もさかのぼると『女子麻雀サークル たまご組』というのがあって。もう20数年前とかですかね。『たまご組』のすごいところは、先生が安藤さん(日本プロ麻雀連盟 故・安藤満プロ)とか原浩明さん(麻将連合-μ-)とか来賀さん(『天牌』などの原作者、故・来賀友志先生)とかだったんですよね。主催が漫画家の花摘香里さんと津嘉田さん(当時101競技連盟のプロだった津嘉田 三起子さん)で、一般の初心者の女の子向けのサークルでした。女の子といっても未成年ではなくて、20~30代の女性向けというか。当時はそういう女性向けサークルはたぶん他に一個もなくて、そこに僕が20代前半くらいでお手伝いに行ってました。そのときにまず「教える」ということが楽しかったんですよね。
本当に初心者さんからいて、牌も触ったことないレベルの子だとたまご組、成長するとひよこ組になって、点数計算できるとにわとり組という感じで(笑)、合宿とかもありました。
でも『たまご組』にいた子であってもプロにはなってないかな、多分ですけども。その当時はそんなに女流プロもいなかったですからね。
たしか僕がプロ入りして2、3年とかで片山先生(『ぎゅわんぶらあ自己中心派』などの漫画家 片山まさゆき先生)と仲良くなって、それで連れてかれたんで、相当昔ですね(笑)。大学2年でプロになって、4年とかで行ってたような気がしますね。
そのあとしばらくして、また片山先生が今度は新人の女流プロに麻雀を教えるような企画をやり始めて、僕とか、たろうさん(最高位戦日本プロ麻雀協会・赤坂ドリブンズ 鈴木たろうプロ)とか剛くん(麻将連合-μ-・U-NEXT Pirates 小林剛プロ)とかを先生として順番に呼んでたんですね。麻雀教えるのが好きなのでそれも結構行ってました。
ただ、そのときはどっちもボランティアですからね(笑)。片山先生が「終わったら飯はおごるから」みたいな感じで行ってたのが、今ちゃんとお仕事としてやらせていただけるのは本当に嬉しいなと思います。

久山校長:当時は麻雀を教えるっていう場所が本当になかったですよね。

村上プロ:ですね。カルチャースクール、例えばうちの最高位戦だと阪元さん(最高位戦日本プロ麻雀協会 阪元俊彦プロ)とかがルミネの何階かとかでご年配の方々を相手に、みたいのはあったりして、特に麻将連合-μ-はそういう麻雀教室で活動してる人が結構いっぱいいたんですけど、若い子相手にちゃんとした実践的なことを教えるみたいなのってなかったと思うんですよね。

――そんな時代から若手に教えてらっしゃったんですね

村上プロ:そういうのを経て、後輩だと日向藍子(最高位戦日本プロ麻雀協会・渋谷ABEMAS)とかにも教えてました。日向藍子はどんどん強くなって、結局リーグ戦B(当時)まで行ったんです。今でいうA2、上から2番目まで行って。最初はそこまででもなかったんですけど教えてたらちゃんとリーグ戦勝ち上がってくれて、結局最高位戦の女子の一番上まで行ったんですよね。そういうのもすごい嬉しいなと思うじゃないですか。教えてる子が強くなってくれることで、「教えることが楽しい」っていうのはずっとありますね。
知り合いに教えている個人的なレッスンもあるんですけど、そこでもちょっとずつ上手くなってるなって感じることがあって。最初はリーチ来たらすぐ降りちゃって「いつあがるの~!」みたいな感じだった人が、「こういうチャンス手だったらもうリーチ者の捨て牌なんか見ないほうがいいですよ」みたいに一生懸命教えてたら、最近だともう赤赤とかが来るとスパーンスパーンって切って勝てるようになってきて、嬉しいなと。
一生懸命教えたことがちょっとずつ身になってるのがわかるとすごく嬉しいので、そういうのもやりがいを感じますね。
『One Game』さんでは勉強会を始めて数回ですし、まだパーソナリティまではわかってないので成長を喜ぶところまでは来てないんですけど、何回も来てくれる人がいたらやっぱりだんだんちょっとずつ変わっていくところが見れる感じですよね。月1回でも1年間ずっと、例えば12回来てくれる方がいたら、1年後にすごい強くなって嬉しい、みたいなことがありそうですよね。  

9月から開講☆村上プロの勉強会

――『One Game』にはじめて来た時の印象はいかがでしたか?

村上プロ:予想通りではあったんですが、まず「個人でやってもこんなに人呼べないな」っていうのがありましたね(笑)。

久山校長:いやいやいやいや(笑)。村上さんなら呼べますよ!

村上プロ:いや、要するにいわゆる土壌があるのとないのでもう全然違うというか…あと教わることに慣れてらっしゃるなと。初めての方も何人かいらっしゃったのかもしれないですけど、やり取りがすごくやりやすかったんですよね。
僕が今まで教えてたときって一卓を3時間とか見ることが多かったんで、「3卓だとどうしようかな」「ひとりひとり見る時間はほとんどないな」と思って最初来るまですごい心配だったんですけど、ここの卓で教えてたら向こうの卓から「先生!」みたいな感じで呼んでくれて、行って質問に答えたら「ありがとうございます」って納得してくれて、戻ったら質問持って待っててくれて、みたいな感じで、1回目から「すごくやりやすい!」って思ったのがめちゃめちゃ印象的でした。
もしかしたら僕が気付いてないだけですごい不満がある方もいらっしゃるかもしれないですけど、全体的に雰囲気が良いというか、とにかくやりやすかったです。みんなでしっかり学びましょうみたいなムードができてるのがすごいなと思いました。なかなかないと思います。というか都内でちゃんとレッスン特化したお店って多分ないですよね。多分ここだけだと思いますね。

――学べる場がもっと増えるといいですよね

村上プロ:あんまり増えたらここが困っちゃいますよね(笑)。

久山校長:そこは相乗効果で…(笑)

村上プロ:そうですね、それがいいですね(笑)。

村上プロのコミュニケーション能力


久山校長:村上さんはコミュニケーション能力が抜群に高いと思います。挨拶とか話している言葉とか、全体的に素晴らしくてすごくびっくりしましたね。

村上プロ:多分ですけど、知らない人としゃべるの結構得意なんですよね。得意というか苦にならないというか、人によってはすごい一生懸命笑顔を振りまいてるけど、知らない人としゃべるの無理、みたいなタイプの人もいるじゃないですか。「実はしんどい」みたいな。僕はそういうしんどさがないんで、全然大丈夫です。

――とても講師向きですね!

村上プロ:ただあんまり慣れ慣れしくしちゃって結構いけないことも言っちゃうんで、それだけ気をつけなきゃとは思ってます(笑)。相手からすると距離感詰められすぎみたいな。人によってはちょっと…と思う人もいるんじゃないかと思いますね。「初めてなのにこの人グイグイ来るな…」みたいな。
ここだとそんなプライベートの話をすることはなくて麻雀の話だけなんですけど、バーゲストとか行くと、「どこ住んでるんですか」とか「家近いんですか」みたいな、そういうことを結構すぐズケズケと聞いちゃうんですよね、大阪人みたいな感じで(笑)。めちゃくちゃ関東なんですけど。

――「その服いくら?」みたいな感じで?(笑)

村上プロ:そうそうそうそう!「家賃なんぼ?」みたいな、すぐ聞くじゃないですか(笑)。そういう気質があるからそういうのが平気な人は仲良くなるんですけど、なんかそんなこと聞かれても困るみたいな人もいますよね、きっと。

――でもみなさん、村上プロに会って教えてもらうことが目的で来てらっしゃいますから大丈夫だとは思いますけども…(笑)

村上プロ:そうですかね、でも気をつけます(笑)。ここでは麻雀以外のことはそんなに話さないので大丈夫…だと思うんですけども(笑)。

久山校長:子供人気とかすごそうですけどね。

村上プロ:小学生とかに教えるのはやっぱりすごく好きですね。Mリーグ機構さんのお仕事で、2回「夏休み小学生麻雀大会」っていうのに呼んでもらったんですが、小学生としゃべるのも結構、得意な方だと思います、多分。

久山校長も脱帽の村上先生のコミュ力!

村上プロの目指すところ


――村上プロの、麻雀プロとして目指すところを教えてください

村上プロ:やっぱりプレーヤーとして日本麻雀史に残りたいというか、生きた証を残したいというのが強くて、「日本一」と言われるようになりたいっていうのが目標だったんですね、ずっと。でも団体もいっぱいあるし、どこで何回勝とうが誰が日本一なんてないんですよね。
でもMリーグが出来て、ここでめちゃめちゃ活躍してMVP2連続とか獲ったら目標達成かな、みたいな感じで意気込んでたんですけど、まんまと真逆の成績になってしまって、一旦その夢が絶たれたところなんですけど。
今48歳で、ここからプレーヤーとして成長できるかがかなり分岐だと思うんで、自信はないですけど、でもやっぱり目標はひとまず「プレーヤーとして日本一になること」です。

――自信持ってください!

村上プロ:いやいやいや、やっぱり若い子みんな強いですし、昔もうちょっと簡単に覚えられてたはずのものが今すごい苦労しちゃうんで、やっぱり衰えは感じます。

久山校長:いますでに覚えてるデータ量がすごいですから。村上さんの手出しツモ切りとかの記憶力とか、もうずば抜けてるって話をよく聞きます。

村上プロ:いやでも、昔の人の方が多分すごかったと思いますね。僕、金子さん(最高位戦プロ麻雀協会 金子正輝プロ)が、師匠ってほどじゃないんですけどいろいろ教えてくれた先輩で、1年目2年目に一緒に打っててめちゃめちゃ言われたことがあって。当時牌理塾っていうのを一緒にやってまして、安藤さんとか来賀さんとか、多井さん(RMU・渋谷ABEMAS 多井隆晴プロ)と河野さん(RMU 河野高志プロ)阿部さん(RMU 阿部孝則プロ)もいたかな。そこに僕とか黒木さん(日本プロ麻雀連盟 黒木真生プロ)とか若手がいて、とにかく「プロだったら手出しツモ切りなんか全部覚えて当たり前だろ!」みたいに怒られてたんですよね。「そうだそうだ!」と思って一生懸命、27年前から「もう全部覚えるぞ」と思ってやってきました。
今の人は結構逆のこと言ってて、「そんなのにリソース使うぐらいだったらもっと大事なことがあるから、ちょっとそこは手を抜こう」みたいな。特にネット勢とかもそうですし、「そんなの覚えることより大事なこといっぱいあるよ」と。
でも僕の時代は全然違って、「手出しツモ切りなんか全部覚えて当たり前だろ!」「はい!!!」みたいな感じでギンギンにやってたので、それが訓練になってたと思うんですよね。
その名残と言いますか、今の若い子よりはすっと覚えられるようになってたんですけど、今度は記憶力の衰えが出てきて、今はまたギンギンに眺めてないと忘れちゃうみたいな状態ですね。なので、結構怖いなと思いますし、あと5年ぐらい経ってもう覚えられなくなって「わかんないけどもういいや、えいっ」ってやるようになったら、ちょっと引退を考えなきゃなみたいな気持ちではいるんですけど、現状ギリギリ大丈夫なので、まだもうちょっと上を目指そうかな、という感じです。

まだまだ上を目指す!ファッションにもあらわれる麻雀愛

どんな人でもウェルカム!な村上プロの勉強会


――どんな方に村上先生の勉強会にきてほしいですか?

村上プロ:ここ(『One Game』)って麻雀牌にまだ触ったことないって人も全然来れる教室だと思うんですよね、一番こっちの卓座ってもらって(※注 『One Game』は卓ごとにざっくりとレベル分けされています。一番入り口に近い卓が初心者さん卓です)。周りの人も優しいし、それこそフリーデビューよりも先に、ここで牌デビューするのはいいと思いますね。
そこそこ腕に自信のある人が来てもその人にあった形でちゃんと教えますし。その辺はこっちの腕の見せ所というか、その人がどのぐらいの情報を欲してるのかっていうのは1日でいきなりずばりと見抜くは難しいんですけど、ちょっと話しながら、奥の上級卓の人には捨て牌の情報も入れてあげたり、初心者卓の方はもうむしろ捨て牌なんか見ないで自分の手牌だけでね、「124ってあったら1はいらないんだよ」みたいな話を一生懸命してあげるみたいな。そういう風に生徒さんに合わせてちゃんとやるつもりなので、どんな方でもウェルカムですね。

――最後に、読んでくれている方にメッセージをお願いします

村上プロ:僕は結構いろんなとこに行ってるんですが、『One Game』さんは本当に雰囲気がいいんで怖がらずに一歩目を踏み出してほしいと思いますね。一歩目は『One Game』さんおすすめです。
まだ数回しか来てないから怖いおじさんとかももしかしたらいるかもしれないけど、僕は今のところ見たことないです(笑)。

――私も見たことないです(笑)

久山校長:僕も見たことないです(笑)。
そのためにここに来るためのハードルを意図的に少し上げてる部分はありますね。看板を出さずに、予約システムにして、”ちゃんと学びたい人”が来る、という感じで。

村上プロ:でもすごい大事なことですよね。一人ちょっと不機嫌なおじさんとかいると、それだけでみんな委縮しちゃいますもんね。
ここはほんとに、お世辞抜きで雰囲気めちゃめちゃいいなと思います。1回来ると2回目来やすいというか。ただ確かに1回目は来づらいですね(笑)。場所も、実は僕今日一回通り過ぎちゃったんですよね、初めてじゃないのに。「このへんだよな~」って思ってたのに行きすぎてあれってなりました(笑)。


最後はお茶目なエピソードも披露してくれた村上先生(でも入口がわかりにくいのは本当にそうです)。
本当にお話が面白くて、そこにいるだけでその場がパッと明るくなる特殊能力を持っているのでは…?と思ってしまいました。
村上先生の勉強会は、レベル別の卓で打っているところを村上先生が回ってアドバイスをしていくというスタイルなので、麻雀をいっぱい打ちたい、その場その場でのアドバイスが欲しい、という方にお勧めです☆
どんなレベルの方でも楽しく学ぶことができますよ!

村上先生の勉強会が気になる方は是非、『One Game』のホームページやTwitter(X)をチェックしてくださいね。

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今回のちょい足し!!

今回は【麻雀プロの酒の肴】と、【「誰でもウェルカム!」な村上先生でも「こういう人はちょっと…」】となったお話です。新たな勉強会の可能性…?

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