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2023年モデルチェンジ打者3選

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新シーズンも開幕から1ヶ月半が経ち、各選手のスタッツも徐々に平常を取り戻してきている。開幕直後には多数見られた4割打者もわずかになってきた。

 ただ平常を取り戻す中でも、昨季からはっきりしたパフォーマンスの変化が見られる選手が存在する。今回は昨季からここまでモデルチェンジが起こっている可能性のある打者3名を紹介していきたい。

スイング自体が劇的に減少。「超出塁型」近本光司

 近年、阪神の1番に定着している近本光司。しかし今季の近本は例年とは明確に異なる。打率/出塁率/長打率で見ると、今季は.284/.401/.474。長打も大幅に増えているが、ここでは出塁率の向上に注目したい。打率は昨季とほぼ変わらないにもかかわらず、出塁率が大幅に向上しているのだ。

近本光司の年度別成績
年度 打席 打率 出塁率 長打率
2019 640 .271 .313 .375
2020 519 .293 .344 .416
2021 612 .313 .354 .441
2022 580 .293 .352 .352
2023 142 .284 .401 .474

 出塁率向上の要因は四球が激増したことだ。打席に占める四球の割合を表す四球割合を見ると、昨季までの近本は5%前後。リーグ平均が10%弱であるため、昨季までの近本は平均よりも四球が取れない打者であった。その四球のペースが今季は倍増。15.5%の割合で四球を獲得している。これが打率では同程度にもかかわらず出塁率を高められている要因だ。

近本光司の四球・三振割合、スイング率(%)
年度 BB% K% スイング率 Sスイング率 Bスイング率
2019 4.8 17.2 49.2 69.2 30.2
2020 5.8 11.8 48.5 69.8 31.3
2021 5.4 9.5 51.0 73.0 31.5
2022 7.1 10.9 46.9 69.3 27.3
2023 15.5 9.9 34.3 51.2 20.5

 なぜ四球を獲得できるようになったかは、とにかくスイングに対して慎重になったためだ。例年近本のスイング率は50%前後。例年平均が46%ほどであるため、平均より高い水準で推移していた。それが今季34.3%まで低下。これは今季規定打席に到達している56打者のうち最も低い値だ。

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