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第二の大竹を探せ リーグ間移籍で復活が見込める選手

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試合中だけではない、投手のキャリアにつきまとう「慣れ」

先週のこのコーナーでは「周回効果」と呼ばれる、試合中の選手の慣れに注目した。これは、先発投手の成績が1巡目に比べて2巡目、2巡目に比べて3巡目に低下していく傾向にあるというものだ。1試合の中で同じ投手の投球を見ることで、打者が球筋に適応することによって起こるものとされている。

一方で、慣れの影響は何も試合中だけのものではない。試合、あるいは年度をまたぐ形でも起こりうる。リーグあたりの球団数が少なく、同じ球団と対戦する回数が多いNPBでは、投手はシーズン中何度も同じ打者と対戦することになる。特に主力選手ともなると、キャリア通算では数十回対戦したことがある組み合わせも珍しくない。この繰り返される対戦によって打者が投手に慣れ、投手の成績が低下する現象が起こる。

このように試合をまたいだ慣れによって成績が低下した投手は当然ながら一軍での出場機会を減らしていく。そのまま復活できずキャリアを終えてしまうことも多いが、何らかのきっかけをつかみ再浮上してくる選手も時折見られる。そのきっかけになりうるのがリーグ間の移籍だ。NPBは交流戦で他のリーグの特定のチームと年間3試合しか対戦しないため、主力であっても他リーグの打者と対戦する回数は少ない。その結果、他リーグに移籍すると慣れによる成績低下がリセットされるため成績が向上することがあるのだ。

そして、昨季その影響を感じさせる成績を残したのが大竹耕太郎(阪神)だ。大竹はソフトバンク時代、キャリア2年目の2019年に17試合、106イニングでWAR2.7を記録する活躍を見せて以降、その後は一軍登板すらほとんどない状態に陥っていた。だが、昨季阪神に移籍しローテーションに定着すると、21試合、131.2イニングでWAR3.3を記録する大活躍。村上頌樹に次ぐ先発の柱としてチームの日本一に貢献した。

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