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倍数と公倍数「端数のある繰り返し複数を統合する場合、ピッチ(倍数、割る数)から端数を引いてみる」

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前回、植木算「植木算は片端入れのパーツで繰り返しにしよう」のところで、中学受験算数の大きなテーマに「繰り返し」があること、そして、そこでは繰り返しの発見や端数の処理が肝になることを伝えました。

倍数や公倍数は何かがその倍数や公倍数単位で繰り返すときの状況の把握に役立ちます。

ただ、中学受験の問題としては、頭からきれいに繰り返すのではなく、もう一歩踏み込んで、途中から繰り返すかたちも多く出題されます。

その途中まで、すなわち端数については2つの異なるとらえかたができます。

①「その端数を切り捨てて、そこから先に繰り返しがある」ととらえる方法

②「その端数に足りない部分をつけたして、そこを含めて繰り返しがある」ととらえる方法

(参考 立体の表面積のとらえ方でもこれと似たような2つの異なるとらえ方を学びました。立方体と直方体「直方体を組み合わせた立体の表面積は、足していくか、引いていくか」


さて、それでは、以下の端数を含む繰り返しは、どのようにとらえることができるでしょうか。

例1「aたすと〇で割り切れる」

①でとらえると
(〇ーa)切り捨てれば、そこから先に〇ごとの繰り返しがある
②でとらえると
aつけたすと、そこを含めて〇ごとの繰り返しがある


例2「bひくと△で割り切れる(≒△でわるとbあまる)」

①でとらえると
b切り捨てれば、そこから先に△ごとの繰り返しがある
②でとらえると
(△ーb)つけたすと、そこを含めて△ごとの繰り返しがある


さて、いままでひとつの繰り返しについて考えてきました。
次に、同時に2つの繰り返しがあるとどうなるか考えてみましょう。
2つの小さい繰り返しを包含する大きい繰り返しがあるはずです。
そうです。その大きい繰り返しのピッチが小さい繰り返しのピッチの最小公倍数なのです。

それでは、その端数処理はどのようになるでしょう。

一般には、双方に共通する繰り返し開始地点を簡単にさがしだす手順はありません。それぞれの繰り返しの開始地点を複数書き出し、シンクロする地点を ”一つ” 見つけ出さなければなりません。(共通する繰り返し開始地点以降は最小公倍数を周期として繰り返します。)

ただ、例外として、双方に共通する繰り返し開始地点を簡単にさがしだす手順があるものがありますので、以下にあげてみます。


例3「aたすと〇で割り切れて、aたすと●で割り切れる」

②でとらえて
aつけたすと、そこを含めて〇と●の最小公倍数▢ごとの繰り返しがある


例4「bひくと△で割り切れて(≒△でわるとbあまり)、bひくと▲で割り切れる(≒▲でわるとbあまる)」

①でとらえて
b切り捨てれば、そこから先に△と▲の最小公倍数▢ごとの繰り返しがある


ここまでは、すぐに気づけます。
受験テクニックとしては、ここからが重要です。


例5「aたすと〇で割り切れて、Aたすと●で割り切れ、
   かつ、〇ーa=●ーAのとき」

①でとらえて
〇ーa(=●ーA)切り捨てれば、そこから先に〇と●の最小公倍数▢ごとの繰り返しがある

ex. 3たすと6で割り切れて、5たすと8で割り切れるとき
  3切り捨てれば、そこから先に24ごとの繰り返しがある
  3、27、51、75・・・


例6「bひくと△で割り切れて(≒△でわるとbあまり)、
   Bひくと▲で割り切れ(≒▲でわるとBあまり)、
   かつ、△ーb=▲ーBのとき」

②でとらえて
△ーb(=▲ーB)つけたすと、そこを含めて△と▲の最小公倍数▢ごとの繰り返しがある

ex. 3ひくと6で割り切れて、5ひくと8で割り切れるとき
  3つけたすと、そこを含めて24ごとの繰り返しがある
  21、45、69、93・・・


例7「aたすと〇で割り切れて、
   bひくと△で割り切れて(≒△でわるとbあまり)、
   〇ーa=bのとき」

①でとらえて
〇ーa(=b)切り捨てれば、そこから先に〇と△の最小公倍数▢ごとの繰り返しがある

ex. 3たすと6で割り切れて、3ひくと8で割り切れるとき
  3切り捨てれば、そこから先に24ごとの繰り返しがある
  3、27、51、75・・・


例8「aたすと〇で割り切れて、
   bひくと△で割り切れて(≒△でわるとbあまり)、
   a=△ーbのとき」

②でとらえて
a(=△ーb)つけたすと、そこを含めて〇と△の最小公倍数▢ごとの繰り返しがある

ex. 3たすと6で割り切れて、5ひくと8で割り切れるとき
  3つけたすと、そこを含めて24ごとの繰り返しがある
  21、45、69、93・・・


先に行ったように、受験テクニックとしては例5から例8が重要です。なぜなら、知っているのと知らないのとでは、最終的な答えにたどり着けるかどうか、またその時間に大きな差がでてしまうからです。

端数のある繰り返し複数を統合する場合には、上記のように複数のパターンがありますが、

繰り返しのピッチ(倍数、割る数)から端数を引いてみると、シンクロする地点をみつけやすいことがある、

くらいに覚えておけばよいでしょう。


「端数のある繰り返し複数を統合する場合、ピッチ(倍数、割る数)から端数を引いてみる」


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