観た。2018/08/09『宝塚BOYS』

池袋の東京芸術劇場。『宝塚BOYS』を拝見しました。
五度目の上演で、ワタクシは初演と再々演、再々々演を拝見しております。今回は2チーム制で、公演前半を担うteam SEAさんの方でした。

一方的に拝見している山西惇さん以外、紅一点のタモさん(愛華みれさん)はじめ、皆さんよく知っている方々。
マサ(藤岡正明さん)と百名くん(百名ヒロキさん)はこの前まで一緒で、よっくん(東山義久さん)とらっちゃん(良知真次さん)はこれから一緒で。
同じ事務所の健人くん(木内健人さん)、なかなか御一緒出来ないけれど楽屋でよく話してくれる一彰(石井一彰さん)と、一回も御一緒した事ないけど楽屋でよく話してくれる上山くん(上山竜治さん)。
皆さんそれぞれの個性が活きて楽しく、それまでのver.の思い出が交錯して懐かしく、そして物語は切ないのでした。

宝塚歌劇団男子部という、幻となった、しかし確かな歴史を基に描かれたフィクションです。
細かいアレヤコレヤは実際とは違うと思うのですが、終戦後の時代、当時の歌劇の雰囲気が滲みます。
有名な作品で言えば『南の哀愁』初演から『虞美人』初演の頃?今よりも優雅で品よく鷹揚な風情な気がします。

そう。そして、これは宝塚の話であると同時に、戦後に生きる若者の群像劇なのです。
登場人物の一人、「星野さん」は、73年前の8/9にキノコ雲を見たのです。誰もが、戦争の記憶を宝塚の夢で払拭しようと、もがいていました。8月という季節が、物語を濃くしていたように思えます。

さてさて。

かつて一度は中にいた人間が見ると面映ゆく、くすぐったい部分もありますが。
そこは、外国の方が、日本で演じられる赤毛物を見る心地と似ているのかしらん。ちょっとチガウみたいな。ファンタジー入ってますね、的な。
しかしファンタジーは「嘘」ではなく、確固たる「ドラマ」ですから。
今回も、舞台に描かれた「タカラヅカ」を堪能したのでした。
夢の国を夢に語る夢、でした。

そもそも、最初に目に飛び込んでくる扇面が雄弁で。
初演、ヨソの劇場でアレを拝見する不思議にフワフワとした気持ちになったものです。


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