全然わからなかったラスサマの歌詞

MEMEです。
　今回アイドルグループRingwanderungの楽曲の一つ「Last Summer Daydream」の歌詞考察をしてみたいと思います。
　初めてラスサマをライブ会場で聞いた時、曲の儚さ・爽快感に一気に心を持っていかれてしまいました。まぎれもなく、リンワンの代表曲の一つだと思っています。
　ただ、アルバムの歌詞を見た時は、何を表現した曲なのか読み取れませんでした。当時は「好きだった人に捨てられたけど、忘れられない曲かな」くらいで深くは考察していませんでした。ただ、それにしては「君が誘う手」とか「手を取って」というのがいまいちしっくりこない・・・・。モヤモヤとちゃんと考察をしないまま月日が過ぎてしまいました。

ラスサマは見送った推しを忘れられないヲタクの曲・・・かも

　本当に突然のことでした。バイクを運転している最中に「あれ？もしかしたらラスサマって推しとヲタクの話なのか？」と閃いてしまいました。小さいころから読書も国語も苦手で作者の意図を読み取る問題で○をもらったことの無かった私が、なぜ？と半信半疑でしたが、考察を進めるととてもしっくりした答えにたどり着いたので書いていきたいと思います。

　主人公は世界が曲がって見えるほどの環境に身をおいていたのに、「君」と出会って「あること」に気づくことができたようです。
　この「あること」とは「緑の龍走ってた赤く燃える火曜日」「ゆらゆら広がったピンクのクラゲ」「騒々しいほどのあの花」を指しますが、これらを読み取るのがとても難しく、実はMEMEもはっきりとこれだ！と断言できません。ただ、作詞を担当したみょんさんは、読み手聞き手の想像の余白をのこしたのかなと考えます。
　MEMEの考える「あること」は「アイドルたちそのもの」または「ライブで表現される楽曲」です。主人公は「君」と出会って「アイドルのすばらしさ、ライブのすばらしさに触れた」のだと考えます。

サビで突如やってくる「君」との別れ・・・・。多分君はもう会えないところに行ってしまう（アイドルを卒業してしまう）のでしょう。
　主人公は沢山の素晴らしい思い出を胸に、君を笑顔で送りだそうとします。そして、心の奥深くに君と君との思い出を沈めてしまおうとします。一瞬で主人公の心を奪った君の声を思い出しながら、「きっとまた来年も会える」といった儚い願いと共に。

　さえぎるものの無い空とは対照的に、主人公の心は君から抜け出せずにいます。「虹色の目した猫」はアイドルたちのことでしょうか？なんにせよ、希望にあふれていたあの時はもう今はないのだ。といった喪失感を感じます。
　主人公はもうこんな状況を終わらせようとします。しかし、想像してたよりもずっとそれは難しかった。振り返れば今も君が目の前に浮かび上がってしまいます。

　記憶の中の君はいつでも手を差し伸べてくれているのでしょう。君を忘れられない主人公はもう戻らない君の残した思い出にすがってしまいます。
　最高の気持ちにさせてくれた君、この世の終わりかと思うほど最低な気持ちにした君、どちらの気持ちでも受け止めるから、どこにも行かないでほしい。そんな心境であると思います。
　「銀色の空　赤い龍が飛んだ」のフレーズですが、これもまた読み手聞き手が想像するものが正解なのだろうなと感じます。MEMEは「銀色の空」は主人公は知らない世界を表現しているように感じ、「赤い龍」は「君」を表現しているように感じました。ここでは、主人公がどんなに願っても「それでも君は旅立って行った」と表現されているように考えます。

　もう君に会えない絶望の先、君の残した思い出だけが主人公の希望となっていきます。「最高の思い出」も「最低な思い出も」その域を超え、もしかしたら「執着」や「依存」へと変化しているのかもしれません。
　ただ・・・・推しを失ったらと思うと、切ないですね。

　主人公は儚い夢や未来にも折り合いをつけて、笑顔でサヨナラしようとします。だけど、どうしても君との別れを受け止められずにいる。最高な気持ちでもいい、最低な気持ちでもいいから、君を失いたくないという心境だと考えます。
　そんな君との思い出から抜け出せずにいる主人公を残し、君は旅立ちます。（赤い龍「が」からここでは赤い龍「は」になっています。これは旅立つ君と対比してそうじゃない主人公を表現したように思います。）

昨日までいた君はもういない。
主人公は思い出の中の君と手を取りどこまでもついていくと決めます。
大好きだった君を永遠に追い続けて。

考察　まとめ

　ラスサマはファンタジー要素が強いなと思いましたが、それがまた、アイドル現場の非日常感とマッチしているなと思いますし、アイドル達との出会いや別れも非日常だもんな！としみじみ感じました。
　ラスサマは執着や依存がテーマになるのかな？と感じますが、すごいのはそうした重めのテーマもここまで切なく儚く美しい楽曲に作れることだと思いました！