熱帯夜

 寝られない。ついさっき、ドラマ「だが、情熱はある」を見たら気持ちが高ぶってしまったのか、まったく寝られない。

 こういう日はたまにある。ベッドに入り、目をつぶってみないとそうだとわからないので厄介だ。今回もそうだ。「だが、情熱はある」の最終回を約1週間遅れで見終わって、やっとその情熱に触れることができた。熱すぎて熱帯夜だ。もう!

 寝られない夜というのは、大抵の場合、頭が不必要に動いている感じがする。頭の中をぐるぐると色んな考えが回る。自転車で坂を下っているかのようだ。自分の意志とは関係なく車輪は回り続け、止めようと思っても止まらない。そして、無意識に歯を食いしばっていたことに気づく。ブレーキを握りしめるかのように。自転車のブレーキって、いっぱいに握りしめたらゆっくりになるものだと思ってた。

 坂を下っていると、脇道に逸れることがある。というか逸れる。気づいた頃には、当初考えていた物事からは大きく逸れ、全然違う話題に移っている。しかし、振り返っておぼろげながら思い出してみると、確かに地続きではある。少なくとも2つ、3つ前の曲がり角までは。スピードに乗りすぎて制御がきかなくなっているのだ。

 今になって思えば、幼いころからそのきらいはあったのかもしれない。小学校の登下校中や授業中、よく考え事をしていた。最近の悩みや直近の問題などではなく、他人に聞かれたら笑われるような、そんなテーマばかりだった。もちろん、そこでも脇道に逸れる逸れる。逸れまくる。

 時には「自分が野球選手だったら登場曲は何にするか」、またある時には「自分が漫画の主人公だったらどんな能力で、今敵が襲ってきたらどう戦うか」、そんなことを、一人で考えていた。今挙げたものはほんの一部で、その中でも、もしかしたら共感してもらえるかもしれないというポテンシャルを秘めた有望株たちだ。

 今も、脇道に逸れに逸れた結果、ここに辿り着いている。久しぶりにnoteにログインし、こうして文を書いている。「だが、情熱はある」内の、エッセイを執筆している若林さんの姿に影響を受けたのかもしれない。


 しかし、自分はなにものでもないし、こっから何かを始められる気もしない。大抵の人にとって、全く身にならない文章だ。だが、どうも車輪は回り続けるので、一旦吐き出してみた。Grazie!

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