もしトレーナーを志す高校生の僕に進路指導をするのであれば という話

高校1年生の冬。僕は右膝の靭帯を切りました。おそらく人生で一番の大きな怪我です。そして僕にとっては大きな挫折でした。大好きな部活(スポーツ)ができなくなる。もしかしたら部活も辞めないとダメになるかも・・・

でも、その怪我がキッカケでトレーナーを志しました。
高校1年生なので16歳とかでしょうか。当時はインターネットも学校に行けばあるけれど、家にはつながっていないような時代だったので情報収集が難しく、何の資格を取ればいいのか、どこの学校に行けばいいのかもよく分かっていませんでした。

反対に今は情報が多すぎて、どの情報を信じればいいのかが難しくなっていると思います。そしてコロナをはじめとする感染症の蔓延。
こんな時代を生きるトレーナーを目指す学生さんやそのご家族に届けばと思い記事を書いていきます。

前提条件として・・・僕は現在、おそらく日本で一番トレーナーを志す学生たちの本音を聞いてきて、彼らの進路を把握しているのは僕だと思います。そしてプロスポーツチームとも提携したり、大学や専門学校でも講義をしているので内情を知っています。そしてトレーナーを雇用したい企業ともたくさんつながっています。

これらの情報を総合して書いています。

トレーナーとは何をする人か?

トレーナーになりたい!と夢見る人はたくさんいます。ただ最初に知っておいてほしいのは『トレーナーは何をする人なのか』ということです。

大きく2つに分けることができます。
・メディカルトレーナー(治すトレーナー)
・フィジカルトレーナー(運動を教えるトレーナー)
です。

これをごちゃまぜにしているからトレーナーという職業がわかりにくくなっています。両方できる人になればいいじゃないか!?と思われた方も多いかもしれませんが、それぞれも分野のプロがいるので大学や専門学校で学んだくらいでは両方ともを学び切るのは難しいと思います。
ちなみに僕は『運動を教える』方のトレーナーをやってきました。

メディカルトレーナー(治すトレーナー)

一般的に治療家という職業になります。王道は柔道整復師や鍼灸師、理学療法士などの医療系国家資格を取得するのがいいですね。日本国内で治療行為を堂々とできるのは医療ライセンスを持っている方だけです。ちなみに『整体』は民間資格です。いろいろな競技の日本代表チームのメディカルトレーナーになるには医療系国家資格は持っておいた方がいいですね。間違いなく。メディカルトレーナーに詳しく書くと長くなるので別の記事で。

フィジカルトレーナー(運動を教えるトレーナー)

身体を鍛えるトレーニングや身体を伸ばすストレッチなどを教えるのはフィジカルトレーナーです。僕はこれですね。
フィジカルトレーナーに関しては国家資格がありません。民間資格でいくつかある感じです。なのでこの資格を取りましょう!というのは正直ありません。運動を教えるだけならできそうだ!という方、お気をつけください。運動を教えるにあたっても医学的な知識などは必要です。筋肉があればできる仕事ではありません。

どっちのトレーナーを目指すべきか

メディカルトレーナーが勉強してフィジカルトレーナーの仕事を兼任することは可能です。しかしフィジカルトレーナーが勉強してメディカルトレーナーの仕事を兼任するのは難しいです。なぜなら治療するためには医療系国家資格が必要になるので。
なのでどちらのトレーナーになるのか決めかねる場合は、医療系国家資格を取得しておくことをお勧めします。
逆に自分は絶対にフィジカルトレーナーになるんだ!という強い意志があるのであれば、フィジカルトレーナーの道に進めばいいと思います。

求められる性格の違う2つのトレーナー

じゃあ両方できるトレーナーになろう!と多くの人が思うかもしれませんが、実は向き不向きな性格があります。
例えばメディカルトレーナーに向いているのは穏やかな性格で、人の話を聞くことが好きで、相手の気持ちがすぐにわかるような人に向いています。
反対にフィジカルトレーナーは人前で話すのが好きで得意な少し目立ちたがり屋な人の方が向いています。あとは熱い言葉をかけて人をやる気にさせたりするのも好きな人が向いていると思います。
メディカルトレーナーとフィジカルトレーナー、性格によっても向き不向きがあります。ただ性格はある程度、就いた職業で変わる場合もあります。18歳で全て決めてしまうのはもったいないので、穏やかな性格の人でもフィジカルトレーナーになることは可能です。

どちらの方が安定しているか

気になることの一つは『給与』だと思います。フィジカルトレーナーとメディカルトレーナーどちらの方が給与が高いのか、そして安定しているのか。
結論。例外もありますがメディカルトレーナーです。同じキャリア、同じ実績であればメディカルトレーナーの方が給与が高い。
特に柔道整復師や鍼灸師は初任給が25万円を超える企業もあります。(メインはスポーツではなく治療ですが。)国家資格を持っていたら100%近くの確率で就職ができると思います。逆にフィジカルトレーナーはなかなか就職先がありません。感覚的に就職できるのは30%くらいです。
ただプロスポーツ現場で仕事をするとなるとどちらも狭き門で、なれる確率は同じくらいでしょうか。新卒でプロスポーツ現場に入れるのは1%くらいだと思います。ほぼ無理です。ちなみにプロスポーツでトレーナーをするときは単年契約が多いので一切安定しません。詳しいことは別の記事で。

結論

脇坂少年の目立ちたがり屋な性格を考慮するとフィジカルトレーナーの方が向いているかもしれません。ただ将来を見越して安定も求めるのであればメディカルトレーナーになるために国家資格取得を目指しながら、フィジカルトレーナーに関することも並行して学ぶようにアドバイスすると思います。




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