裾上げのこと

 仕事で、たまにしか履かない作業ズボンを新調しました。
ワークマンで980円のスラックスです。


 このズボンは薄手で丈夫でクリースも消えなくて大好きです。なにより安い。
シルエット土管ですが、すぐ乾くので旅行にも履いていっています。汚れてもお風呂場で踏み洗いしてハンガーにかけるとすぐカラカラになります。

 それはいいんですけど、「裾上げはなさいますか?無料です」と聞いてもらえたので、「自分でやります」と言いました。
 無料で翌日仕上げですからやってもらったほうが確実に楽なんですけど、やってみたくなったので。

 中学の時にミシンにハマりすぎて、金土日は徹夜で洋服や小物を作っていました。図工や音楽も好きだったけど、完成形と工程がしっかり見えて自分の理想と他人の理想がマッチしやすい家庭科にめっちゃやられたのです。

 裾上げなんかは初歩ですけど、やっぱりやってみると難しいです。

 裾はなにげに目の行くところなので、真っ直ぐ切って真っ直ぐ縫いたいし、左右の長さを完璧に同じにして、ちょっとの突っ張りも無く縫いたい、と思っていると自然と工程も多くなります。

 でも、野球の試合を見ながら手はまち針やアイロン、ミシンをせかせかと迷いなく動かしていると、単純に楽しくて、うまくできた、と鼻息荒く興奮します。

 自分はものぐさなので、(汚いけど)糸を歯で切ることもあって、糸の味って今までの、裁縫の記憶のドアを開く鍵です。

 小中学校の家庭科が、算数より授業数多くなればいいのになあ。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?