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ペナンに増えつつある、廃墟居ぬきショップ。街並み保存の救世主か!?

マレーシア ペナンの繁華街ジョージタウンは、毎年ここに来る度に観光地化している実感がする。「観光地化」とは、あまり良いイメージ無いかと思いきや、そうでも無いので、今回は「そうでも無い!」と感じた一例について書いてみたいと思う。

数年前にペナンに来たとき、街のあちこちにレンガの壁だけ残して屋根も床も跡形もなく崩れ果て、雑草に覆われている廃墟が目立っていた。あまり良い光景ではないし、市はそのうち撤去するのかと、そう思いきや、最近そういう廃墟のリノベーションが活性化されたようだ。ひとに聞くと中国資本が入って露地ごと廃墟を買収してリノベーションを施してホテルにするとか、飲食街にするとか、そういうのが主らしい。

ホテルは道路に沿って建ち並ぶ何軒もの商店をつなげて改造して、おしゃれな感じのホテルになっていて、中は見てないから分からないけど、外観から見ると泊まってみたくなるような感じはする。飲食店は、中華料理店に入って、牡蠣の揚げ物を食べた。味は良かったが、床もテーブルもやたらごみだらけで、あまり居心地はよくなかった。こちらはもっとソフト面を改善しなきゃならないだろうと思った。

廃墟カフェ

スーパーマーケット「GAMA」の西側の道路は、今年道路整備が行われていて、きっと来年にはちゃんとした歩道がある歩きやすい道になると思う。それを南に100メートルほど進んだところに、この廃墟カフェ「BRICKLIN」がある。

この付近には、何やら「行列のできる飯や」があり、一度ここを経験しようと妻と眺めていたんだが、午後からしか開店せず、しかも午後はやたらと暑い上に、ここは屋根しかない食堂だから冷房があるわけものなく、見ているだけでとても耐えられんと妻が言うので、ここは断念した。

その眺めていた道路反対側で「じゃあ、あそこのカフェに寄って行くか!」と入り込んだのがこの廃墟カフェ「BRICKLIN」。

ここは日曜日だけやっている手作り小物市「HIN-POP-UP MARKET」と同じ場所にあり、中庭がそのマーケット会場みたいになっている。入口付近にはこんなオブジェ。これがある意味目印。

昔こんなものが日本でも見たような記憶があるんだが、今はもう無さそう。

ここは昔は、工場か倉庫か、もしかしたらショールームだったのだろうか?重厚な入口に鉄の扉があって、店内に入って行くと元々のレンガ造りの部屋に、レンガを似たような雰囲気で荒っぽく積み上げて作った室内インテリアがあり、無骨なテーブルとイスに「軍用か?」みたいなクッションが転がしてある。総じて煤で汚れたムードの落ち着いた店内。テーブルにある水の入ったボトルは、薬瓶だと思う。実に部屋のムードにフィットしていて居心地がいい。

アイスコーヒーを注文した。エスプレッソで淹れたコーヒーでアイスにしてくれて出されたその味は、数年前にオーストラリアで味わったコーヒーと多分同じ味がしていたから、ここはオーストラリア人のオーナーなんだろうと思う。しかもこのグラスに差し込まれたストローは紙製である!マイクロプラスチックゴミが問題視されているのは良いこととして、しかしストローがやたらとやり玉に挙げられているのはなぜだろう?とまたここでひとり思索をはじめてしまった。

コーヒーを入れてくれた人はたとえば香港とかそういう英語を流暢に喋る系の中国系の人のようだったので、きっと彼がオーナーなんだろうと思った。「頭の切れそうな二枚目マスター♪」という、古いフレーズを思い出した。

入口の外にはテーブル席が一組だけあって、そこに欧米系の若い女性と、たぶんレゲーやっている、としか見えない野郎が座ってさっきからずーっと話ししている。二人でたばこ吸って、ずいぶん楽しそうな雰囲気。

その先の道に面したところには、でかいピックアップトラックが駐車していて・・・現地の人はここに入って来る様子もない。ここはお値段が高いからだ。それでもアイスコーヒーは日本円で300円(為替によります)ぐらいだったから、日本人にはスタバとかと同じ程度だからいいけど、ここは明らかに観光客のためのカフェということは間違いない。

でも、こんな廃墟居ぬきの店が増えることは、ペナンの歴史的建造物がけっこうそのまんま、観光客から落ちるお金を得て残ることになるんだから、これは歴史的町並みを残すためには良いアイデアじゃないか!と思った。

ちなみにこのGAMA横の通りは、他にも飲めるところとかが店を出しているので、この先「要立ち寄り処」となるのではなかろうか?



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