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Ctripのオフライン戦略

どうもマハリタです。

今日取り上げるのは中国最大のOTAであるCtripです。

中国がITの最先端をいっているため、最近は中国のニュースをよく読んでいますが、Ctripがオフラインに力を入れているという記事があったので、紹介します。

これまで、基本的にはオフライン(リアルエージェント)の世界からインターネットの発達によってOTAへと発展し、その流れは不可逆と考えられているのが普通だったと思いますが、Ctripの逆を行っているように見える動きは何を意味しているのでしょう。

https://skift.com/2017/08/31/ctrip-makes-offline-store-push-in-china-as-its-profit-margins-rise/

こちらの記事によれば、CtripとグループブランドであるQunarの両ブランドで2017年初めに約400店舗の小売店舗を開設しています。

また、2016年秋にはCtripはオフライン旅行代理店Traveling Bestoneの支配権を取得し、フランチャイズとして5500店舗を展開しています。さらに2017年末までに6500店舗まで拡大する予定と発表しています。

こちらのフランチャイズのオーナーは人件費と賃貸料を負担し、Ctripにフランチャイズ料金を支払う仕組み。

Ctripはフランチャイズ店舗に対してテクノロジー、ブランディング、商品を提供し、店舗側はその店舗のあるローカルマーケットの知識を活用して、適切な商品を販売し、新しい顧客を獲得すると述べています。

Ctripの発表によれば、これらのフランチャイズ店舗はわずか数ヶ月後に月平均約30万ドルの収益を上げているといいます。

Ctripは欧米の2大巨人である、Plicelineグループ、Expediaグループに追いつくための利益改善を急いでおり、オフラインへの進出は「収益性が高い」ためということです。

オフラインの収益性が高いというのは日本の旅行業界での常識とは異なっていて面白いところですが、オフライン進出はもうひとつ大きな理由があるように思います。

ここからは筆者の推測ですが、近年、中国ではECの巨大プレイヤーのオフラインへの進出が目立っています。

中国EC第一位のAlibabaはコンビニからスーパーからショッピングモールまで手を伸ばしているし、第二位のJDもコンビニを100万店舗開設することを宣言しています。

なぜ巨大ECサイトがわざわざオフラインに進出するのかというと、中国のオンライン化率は日本よりも高いものの、それでもまだ15%を超える程度です。伸び率も鈍化しています。

中国は広く、農村部も多くあり、まだまだECを利用する機会がない人たちが多く、オンラインの巨人たちはさらなる成長のためにはオフラインの巨大な残り85%の市場を穫る必要があると考えています。

同様の背景が旅行業界にもあり、巨大ECプレイヤーたちと同様にCtripも考えたのではないかと推測しています。

背景が異なりますので中国の動きがそのまま日本に当てはまる可能性は低いですが、オンラインからオフラインへの逆輸入的な動きはなにかしらの事業品とになるかもしれないと思っています。

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