見出し画像

FitBoxingで餅を焼き払う(あごぶろぐ)

タンドリー七面鳥……ケーキ……ナタデココ……スペアリブ……ロブスター……年越しおソバ……おせち重箱……そして餅。人々がこの半月で食べた品々の羅列だということに即座に気づけた者は中々の慧眼だと褒めても良い。そして同時にその夥しいカロリーを自覚し、アスファルトの上にくずおれる者も出てくるだろう。そういうイベントだから……無礼講……為せば成る……思考を止める数々の言葉と気分に誘導されてそれらは既に胃の中に入り、血肉となり、つまり脂肪にもなった。呪わしい慣習だが我々はそう簡単に逃れ出ることはできない。美味なる物を食し、何も考えずにHOTカーペットに寝転んだりするのは至上の幸福だからだ。だが・・・何の対抗策もなしに享受すれば手痛いしっぺ返しが待っている。肥えし者に真の春はやってこない。自分はそれをこれまでの過酷な戦いの数々から既に学んでいたのでこの冬には一つのレジスタンス行為に打って出ることにした。それがボクシングだ。

ボクシング……その言葉に戸惑う者も出るかもしれない。「シューシュシュシュ! とか言いながらメットとかを付けてスパーリングするヤツでは? 怖い」そう言って帰宅する者も出る……その可能性はある。だが案ずるな……今回自分が買ってきたボクシングはピコピコのボクシングであり、本当に殴り合ったりしない。まずそもそもやろうと思ったときにスッとボクシングできるヤツは運動不足の心配をする必要がないことからもこの懸念が不必要なことはわかるはずだ。
「FitBoxing」……Switchでできるボクシングであり、れっきとしたゲームソフト。今回の自分が提案するのは、これだ。

・FitBoxingですごいエナジーが弾ける

なんだこの女の前髪は……? いや、重要なのはそこではない。このCMではゲーム画面と向き合い、JOY-CONを握って拳を振るう実際の動作をちゃんとプロモーションしている。ゲーム画面にはインストラクターが表示されており、お手本を見せてくれる他にもアレコレと指示をする。インストラクターは自信満々で運動のプロであり拳を振るい慣れているのでスタート地点から始まるユーザーも安心して技術を教えてもらうという寸法だ。ゲーム画面では次の指示が下へ流れていき、これに従ってJoY-CONを握った腕でリズム良くパンチとかを繰り出すことで「GOOD」「JUST」みたいな判定が出る。リズム良くやらねばならないという点では太鼓のタツジンなどにも近い。そして何よりこの動画で最も重要なのはCMの後半、15秒の部分だ。前半の女の肉体が……見て分かる通りにかなり充実しており、心なしか体格までかなり良くなっている。これを見て同一人物かを疑う者も出るだろうが、特徴的な前髪……これで見分けることで一目瞭然だろう。つまりFitBoxingの効果をありありと示している。これはかなり運動によるビルドアップの説得力を高めているコマーシャルということだ。

自分は正月に餅をたらふく食うことを考え、師走の終わりに向かう中でSwitchという黄金郷の中から手探りでこれを見つけ出した。体験版があったのでまずは体験版をやり、リズムに合わせて体を動かすことの原始的な楽しみに充足感を得た。それが始まりだった。構えを知らないところからパンチの打ち方を習い、うまくできるとインストラクターが褒めてくれる。他愛のないことに思えるかもしれないがこれはかなり大事であり、戦士の心が沸々と燃えたぎっていくようであった。体験版を終えた頃に製品版を買い、自分は拳を構えた。それからおよそ二週間近く、毎日途切れさせずにパンチングしている。これまでパンチと縁遠い人生を送った自分がだ。無論、当然それには苦難も待ち受けていた。筋肉痛の波……そういうものが度々襲い、ペースを調整したりなどの工夫で何とか乗り切ってきた。今回、自分がレビューするのはゲーム内容もそうだが普段はほとんど運動しないヤツが突然エクササイズとかを始めた時のケースなどについても書く。むしろこっちがメインとさえ言えるだろう。普段の自分は軽い筋トレ以外では殆ど運動しないのでFitBoxingという大波を越えるために考えるべきことは多かった。ピンチの連続だ。だが、これらの実体験は文章化することでシェアできることを自分は知っている。Switchエクササイズという大海原へ漕ぎ出す者たちのためにこれらの知恵を惜しみなく遺しておく……。

・体験版をやれ(買うならDL版を買え)
・前後のリズムを取る時に本当に前後でリズムを踏み続けるとダメ

・パンチに腰が入り始めた(1WAVE)
・ダッキングとウィービングで腰が地獄を見た(2WAVE)
・ついにパンチが地を裂き天を穿つ音を立て始めた(3WAVE)

全て自分の体験に基づく知識だ。一つずつ順を追って説明していく。

・体験版をやれ(買うならDL版を買え)

まずこのゲームは最低でも5200円するので普段筋トレとかをしない者がいきなり買うにはハードルが高すぎるということは分かるだろう。ではどうするか? 体験版があるのでこれをDLする。FitBoxingには「デイリー」「フリー」という二種類のモードがある。体験版では「デイリー」を三回、「フリー」は十回できる。もちろん製品版とは違い選べない項目なども多いが、そもそも製品版でも序盤はロックされていないコースがあるのであまり関係ない。「デイリー」は一日に一回、つまり日課……そういうコースだ。これは一日で一回、全部で三日間できるので要するに体験版でも三日分のエクササイズが約束されているということになる。この手の運動をやるのに三日坊主などという言葉が付きまとうのは知っての通りだ。だが、FitBoxingで拳を振るい、その爽快感にやみつきになった者ならば三日ではまんぞくできなくなる。いずれ体験版のプレイ回数上限へと達したとき……製品版というリングへと登ることになるだろう。さらに体験版では一人のインストラクターしか選べないが製品版では全部で六人のインストラクターが待っている。全員、腹筋がとんでもないことになっていて圧倒的3Dグラフィック説得力を携えた真の戦士だ。言うことを聞きたくなくなるような弱々しい青瓢箪とかはいないので安心して欲しい。自分のオススメのインストラクターはベルナルドだ。こいつは痺れるような渋い声をしている。見た目も強い。

次にDL版を買えと言った理由についても話していく。このゲームはパッケージ版では5200円、DL版では6200円。地味に千円くらいの差が開いており、よほど金に困っていない者以外はちょっと気にかかる部分と言えるだろう。これがどういうことなのか自分は知らないが、安い方……つまりパッケージ版へ飛びついたら失敗する可能性があるのでちゃんと注意喚起をしておかなければならないと思った。まずパッケージ版は物理ソフトなのでFitBoxingをしたくなったらこれをSwitch本体に差さねばならない。だがSwitchは様々なゲームソフトを擁している。ゲーム……つまりブレスオブザワイルドとかスプラトウン2、大乱闘スマッシュブラザーズSP……そういう名作をふとやりたくなった時にFitboxingと入れ替える必要が出てくるというわけだ。ボクシングで滾った血で対戦ゲームをするのは良いが、いずれ気持ちがついていかなくなった時にソフトを取り替えるのが億劫になり……グローブが錆付き……Fitボクサーとしての夢は絶たれる。そういうことが起こることを想像してくれ。Switchの良いところは起動の速さが第一だというのに一々ソフトの物理的切り替えをやっていたらたまったもんじゃないのもある。まずは好きな時にいつでもボクシングできる状態じゃないと続くものも続かない。これは重要だ。

テーブルモードで難なくプレイできるということもfitBoxingの長所の一つだ。小さな画面でも要するに次の指示が見えれば後は何とかなるのでクソでかいテレビがなくともSwitch本体とJOY-CONさえあればいつでもどこでもボクシングできる。ネット環境もたぶん必要ない。そういう足枷になるものを全て取っ払ってパンチングに専念するためにもDL版購入を強く勧める。さらに言うならば物理ソフトとして買ってしまうと飽きた時に売れてしまうという問題もある。そういう逃げ場を自ら捨てて背水の陣を張るのも有効な手と言えるだろう。値段の違いについては特に何も言えない。正直に言うと割りと値段が高い方だと自分は思った。内容が充実していないわけではないが4000円くらいの方が売れたはずだ。だがまあ、やらない奴は最初からやらないし買う奴は買う。あまり気にするほどのことではないだろう。

・前後のリズムを取る時に本当に前後でリズムを踏み続けるとダメ

FitBoxingでのオーソドックスなスタイルとして前後へ重心を移動してリズムを取るというものがある。こればかりはやらなければ感覚が掴めないと思うが、インストラクターは前後でリズムを取るようにコースの序盤に説明し、定期的にリズムを取る間を用意してくれる。膝を曲げての重心の移動はかなり重要な動きであり、ほとんどのエクササイズに含まれている。だが……自分はこの動きに慣れず、最初は困惑した。なぜなら前後へ常にリズムを取っていると後ろに重心が下がったときにジャブとかを打たなければならなくなり、体は引いているのに拳は前に出ている、みたいな変な体勢になってしまうからだ。「本当にこれで良いのか?」画面の中のインストラクターへ問うたが答えはなく、自分はかなり悩み続けた。リズムを取らなければならないのにリズムを維持することとパンチを打つことを両立できない……おそらく慣れていない者には確実にこの洗礼が待っている。このジレンマへの解決策を自分は探し、やがてインストラクターの足元を見ることで解決した。

パンチを打つ寸前まで前後に重心を移動しているとうまくパンチが打てないので、パンチを打つ寸前でその場の足踏みだけすればリズムを取りつつもその後のアクションは崩れなくて済む。つまり、前後でリズム→上下でリズムの流れだ。アクションの直前に足踏みしているだけならばパンチのフォームが崩れることはなく、重心もスムーズに前へ持っていける。しかしそこまでを口頭では説明してはくれないので後は目で技術を盗む……そうするしかない。このゲームで重要なのが「お手本が目の前にある」ということだ。しかし、どうしても我々は自分がうまく動けているか? という確認で精一杯でありその事実へと目が向けにくい。画面の中に完璧に動いているお手本がいる以上、まずはしっかりとインストラクターに目を向け、その動きを覚えながら自らのフォームやパンチを修正していくことになるだろう。ここからの成長は劇的であり、次第にどんどんスコアは伸びていき上がり調子が止まらなくなる。だが、上手くパンチが打てるようになったことでぶち当たる壁がある。それが筋肉痛だ。

・パンチに腰が入り始めた(1WAVE)

腰を入れてパンチ」という言葉をこれまで耳にしたことがあるはずだ。だが実際に打ってみるまで腰を入れるの意味を知ることはない。自分はFitBoxingでインストラクターの動きを真似ることを覚え、それまでヘロヘロだったフックとアッパーに腰をひねる動きを加えるようになった。リズムに合わせて腕だけで打っていてもゲームとしては認識しているので「JUST!」と表示される。だがこのゲームの目的であり手段はボクシングそのものなのでヘナチョコパンチで「JUST!」と表示されても実際は大した偉業を達成したわけでもなんでもない。音ゲーで「GOOD」と言われても判定的には大したことない、みたいなのと同じだ。真のパンチ……その境地へたどり着くまでの果てのない道なのだ。自分は「腰を入れて」パンチすることを覚え、解禁されたフックコンビ(フックをたくさんする)やアッパーコンビ(アッパーをたくさんする)をやりまくった。fitBoxingのコツは素早くパンチを打ち腕を引き戻すことだ。疲れないようにとかセコいことを考えたり、恥ずかしいなどの理由でノロノロとやると誤認識されてしまうので気をつけろ。自分は一日のデイリーを終えてもフリーモードでしつこくやり、様々なエクササイズのスコアが☆☆☆になるまでやった。☆を埋めるのが気持ちが良いことはゲームユーザーなら皆が知っていることだ。自分は覚えたての腰アッパーしまくり、☆☆★を☆☆☆に変えて悦に浸った。だが次の日、自分の腰は痛みに燃え上がっていた。

腰を入れたパンチを知らなかった、ということは裏返せば腰を入れたパンチを打つことで普段使わない筋肉への負荷を掛けている、という単純なイコールなのだ。自分はそれに気づけずソファの上でのたうち回り、悔しさに泣いた。これが一つ目の筋肉痛のウェーブだ。パンチは腰を捻り、肩へと力を伝達させる。バトル漫画で何度も得ていた知識が実際には脳では何ら理解できていなかったという証左に他ならず、おそらく自分のようにコツを掴んだタイミングでこの大波に直面する者も少なからずいるはずだ。完全に楽しくなってきたタイミングなので量も増やしすぎ、餅ベーションのままにブンブンとやっていると全てのダメージが腰に返ってくるので注意しろ。ゲームを始めてからぶち当たった問題はこの事件を含めて三つあるのでこの三つについてちゃんと書き記し、犠牲者を出さないようにするのが自分の使命だ。ちなみに筋肉痛は湿布を貼っていたら半日で治ったのでこの日は普通にボクシングをした。

・ダッキングとウィービングで腰が地獄を見た(2WAVE)

FitBoxingには様々な種類のエクササイズがあり、後半になればなるほど複雑な動きやパンチのコンビネーションが要求される。だが初期の単純なエクササイズのスコアを取っていなければデイリーなどで出てこないのでかなりの親切設計と言える。自分は慣れてきて上がり調子になったことでボクシングの回避の動きが組み込まれ始め、地獄を見ることになった。これまではパンチばかりだったのが突然に回避行動を要求されるのだ。これらは「ダッキング」「ウィービング」と呼ばれる動作であり、膝をかなり大きく曲げて回避しなければならない。当然、本物のパンチが飛んできているわけではないので焦る必要はないのだが、インストラクターの動きはかなりすばやく実戦に備えたものなので自分もそれを真似て動いた。結果として、フックやアッパーなどを打ち始めた時とは比べ物にならない腰の筋肉痛に呑み込まれ、歩いているだけでヒリヒリとした痛みが襲ってくるようになった。この痛みは二日間続いた……この筋肉痛は恐らく、かなり多くの駆け出しfitボクサーが体験する最も高い壁だと言えるだろう。だがこれを越えた時にこそ真のエクササイズの殿堂が開かれる。どうすれば筋肉痛と向き合いながら継続してプレイできるのか? 自分の経験から語ることで殿堂へと導く礎となりたい。

このゲームのメインは「デイリー」にある。デイリーは一日に一度しかできず、プレイする前におおよその傾向とプレイ時間の目安を決められる仕組みになっている。例えば「ダイエット」と「健康維持」ではダイエットの方がハードになっており、その中でも「二の腕シェイプ」「ボディシェイプ」など部位ごとに的を絞ったエクササイズを選ぶことが可能だ。そして時間は10分から40分までを10分刻みに決められる。デイリーをプレイするとカレンダーにマークが付き、運動の継続を常に知らせてくれるというわけだ。そしてここが肝だがデイリーは一度設定するとその設定内容から変えづらい。その日の体調や気分次第で量を減らしたり多くするのにあまり小回りが利くようにはなっていないのだ。ではどうするか? 自分が設定しているコースは「20分」であり、オススメなのもこの時間だ。普通にエクササイズしているだけでは疲れず、ボリュームも足りないので本来ならば「30分」を勧めたいが、デイリーをぶっ続けでやる中で急きょ用事が出来てしまったり、ドアを開けてテロリストが襲撃してくるかもしれない。そういう事態に備えるためにデイリーを20分にし、体力や時間的余裕がある場合はフリーモードで10~20分のエクササイズをプラスしている。慣れてきたら20分から30分に変えれば良い。まずは日課としての余裕を持たせることが肝要だ。

この手の運動を恒常的にやっていない者ほど極端に時間を増やしたりハードなメニューを選びがちだという事実は統計学的にも出ているのでとにかく量を増やそう、みたいなことをする者が出てくることはおかしくない。だが自分が行き当たったような腰の筋肉痛……こういう事態でも休まずにプレイしていくには時間を調整し、体調を常に整えながらプレイすべきだ。ボリュームを多くするよりも続けていったほうが当然消費カロリーは増え、いずれはCMの女のように引き締まったボディになるのは明らか……そういうことを改めて理解する必要がある。それでも凄いハードにやってヘトヘトになる奴が出てくるかもしれないが、そもそも体をいい感じにしたいのに運動で壊していては元も子もない。そんな奴はバトル漫画の修行シーンの読みすぎなのでどうしようもない。

・ついにパンチが地を裂き天を穿つ音を立て始めた(3WAVE)

何のことか分かるか? ……ある程度慣れてダッキングとかウィービングまでこなせるようになったとき、実はほとんどの筋肉痛から開放される。そして新たなる試練が現れる。それが「ステップ」だ。ステップというのは前後にすばやく移動する動作のことで、ついに攻撃と回避だけじゃなく間合いの取り方までも教わった形になる。ここで筋肉痛の問題はたぶんないが、足を踏み込んでステップやストレートを繰り出すことになるのでこの地点まで来た我々のエクササイズはかなり……やかましい領域に達したことになる。音楽に合わせて調子よく動いていると忘れがちだがボクシングはかなり派手に体を動かしており、ステップまで入ると動作だけじゃなく音もうるさくなる。想像して欲しいが、住んでる部屋の真上の部屋でボクシングを始められたらどうだ? イカれた奴だと思い大家とか管理人に、あるいは家長とかに連絡して対策を考え始めるだろう。それがFitボクサーになると今や他人事ではない。パンチは大地を踏みしめて衝撃を放ち、床をドカドカ言わせるレベルへと立ち入った。進化し続けるボクシングが隣人との縁を断ち切る前に我々は音を抑えるように工夫する必要があるだろう。もし森の中でやってるとか廃墟に住んでる、みたいな奴の場合は野生動物以外には配慮しなくて良い。今回は文明社会で暮らしながらFitしている前提で話す。

まず動作の判定はJOY-CONの動きに依存しているのでステップごとに腕を軽く振るだけでもしっかり判定するはずだ。ただ、これでは本来の動作をこなしているとは言い難く、たちまち没入感が失われてしまいボクシングの真似事をやりながら大きな音を出さないようにビクビクしている奴、みたいな感じになってしまいテンションガタ落ちは免れないはずだ。ちゃんとステップを踏みながらやりたければマットみたいなものを敷いてやると良いと自分は思った。前後はともかく左右までマットでカバーできるのか? それはわからない。やってみて欲しい。どうしても出来なければステップ系のエクササイズを外す方向になるだろう。個人的には幾つかのエクササイズをデイリーで自動的に選択しないようにできる設定が欲しかったがそんなものはなかった。

・とにかくやった奴だけがえらい

自分は半月ほどプレイし、毎日20分~30分のデイリーをこなした。合計カロリーはおよそ体験版合わせて3500kcalといったところ。エクササイズ的に気になるのは体が引き締まったかどうかという部分だが、これに関しては夢のないことを言えば大して変わってないし、まず目に見えて変化することはないはずだ。運動だけの消費カロリーでは引き締まって筋肉が付くようになるまでもっと長い継続時間が必要になるだろう。どちらかというと起こったのは肉体よりも意識の変化だ。例えばショートケーキなんかは一切れで約350kcal。つまりこれを一つ食べることで35分~40分のエクササイズとイコールということになる。これが運動している時には割りに合わなく感じる。エクササイズでのカロリー消費の厳しさを知ることでエクササイズで1000kcal分の運動をするよりも1000kcal分の間食をやめた方が手っ取り早い、という方向へ意識がシフトするようになるわけだ。もっと突き詰めれば糖質制限……そういう部分へ目を向けることになるかもしれないが、運動を続けながら間食を控えるという考えが続くことで既に目論見としては成功している。FitBoxingを買うというのが最も高いハードルだ。続くのか? 効果はあるのか? 内なる自分や他の奴が何か言ってきて迷い、放り投げる自分を想像して弱気になるかもしれない。だが、このゲームを買って想像するのはすばやく拳を振るい、膝を動かす自分だ。それだけで良い。購入してやってみよう、と思った時点でおおよそ殆どの口だけ達者な奴に勝っているのでそんな奴の言うことは一秒たりとも聞かなくていい。

自分はこのゲームの内容にかなり満足しており、インストラクターのきせかえなどもかなりモチベーションに繋がっている。一つ不満があるとするならゲーム中にスクリーンショットを残せないことだ……(と書いていたが残せるようにアップデートされた)この手のゲームはSNSで相性が良いので記録でも単なる宣伝でもバシバシと撮影できるようにした方が良いはずだ。インストラクターも多彩で声優も豪華らしいので(自分はスネークしか知らない)口コミ効果はかなり高いはずだし、SNSで楽しそうにやってる様子のシェアは値段の高さに目をつむらせる魔法でもある。だが値段に関しても意味不明な健康グッズみたいなの一つで2000円とかするのでしょうもないものを山のように買う金でいくらでもこのゲームが買える。一回買えば無限にエクササイズできるこちらの方が得だと真っ当な奴ならすぐに計算が働いて理解できるはずだ。

自分は間食をやめるようになったが一方で餅を柔らかくし、砂糖ジョウユをつけて海苔を巻いて食った。だがそれ以上に拳を振るい、ジャブ、ストレート、フック、アッパーした。例年に比べると何ら恥じる部分のない新年を迎えたというわけだ。食った。確かに食ったが、食った以上にエクササイズした……そういう堂々とできるスタンスを手に入れた。自分にも周りにも言い訳せずに好きな物を食い生きるための……拳。そうした真理へと到達したことになる。ピコピコで~ボクシング~? みたいにあざ笑う奴らは世界に腐るほどいるだろう。誰の心の中にもいるはずだ。自分の心の中にも多少はいた。だが、FitBoxingを購入し振るった決断的なパンチ……その衝撃に打たれて粒子となって消え失せた。何だかんだで買ってやろうと思った奴が超えらいからだ。自分は新年そうそう超えらくなった。半月でこのえらさなので半年くらい続ければほぼ半神的な存在になれるだろう。このFitBoxingという塔へ昇ってくる者を自分はいつでも待っている。そして昇ってくる者に負けじと歯を食いしばり、塔の外壁を拳を打ちながら駆け昇って行くだろう。

#ゲーム #感想 #レビュー #Switch #FitBoxing #エクササイズ #おもち #パンチ #あごぶろぐ


ドーモ! ドネートは常時受け付けています。 ドネートはときにおやつやお茶代に使われます。