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ナイト・イン・ザ・ウッズ 考察&感想


・ナイト・イン・ザ・ウッズしたか?

いつだったかは忘れたがこういう記事を書いた。今回はこのナイト・イン・ザ・ウッズの感想……考察……そういう記事をする。これは完全にめちゃめちゃにネタバレがある。インターNETで調べたときによく出てくるフワフワしたゲームの印象だけ書いてある真っ白くてリンクがたくさんある記事じゃなく、自分が感じたことを1000%放熱する。このNOTEという真っ白いキャンバスへだ。つまりプレイしたことがない人間が来ても……ミステリーサークルを見たような感じになって意味がわからなくなり家に帰るか、もしくはバックドラフト現象で吹き飛ばされて家に帰るかのどっちかしかない。つまりゲーム本編をやってないやつはやってから来い。

いちおう参考になるかと思いSTOPWATCHで測っていたのでデータを公表しておくが自分は10時間とかでこのゲームを二周した。10時間だ。現代人は忙しいので10時間と見ただけで吐き気をもよおし、今のこのNOTE記事が映し出されたモニタとかスマホを力いっぱい殴ってつばを吐いて怒るかもしれない。「10時間のねんしゅつ……そんなのむりだよ!」スーツを引き裂き、ネクタイを振り回しながら住んでいるマンションから怒りのママに飛び降りて会社に走り出すかもしれない。

だが……はっきりと真理を示しておくが生きているだけで時間は流れている。数十年前とかはBABYで哺乳瓶を持っていたやつも今はバーに入り浸って酒を飲んだり、夜更かししてE3 2019カンファレンスを見ている……それだけの時間が生まれ、流れていった。つまり時間はどこかから捻出できる。今は会社と自宅の行き帰りでせいいっぱいで目一杯ナイトインザウッズできないやつも10年後はサイパン辺りの砂浜に寝転がってSwitchしてるかもしれない。だから少しでもゲームが気になっていたらこの記事は読むな。蓋をして未来に備えろ。カネがなくてゲームができないやつは酒とかタピオカをちょっと控えて、いずれ買え。


前置きが長くなったがここからは考察とか感想する……とめどなくあらゆる話題が流れ、しっちゃかめっちゃかの時空になる。とにかく気になったところについて話しまくるし長くておそらく読むやつはこまるので気になるところだけ読むといいとおもう。


・ぶっちゃけどういうゲームだったのか?

自分がありそうだと思ったのは「クリアしたけどどういうゲームだったのかわからなかった」という感想だ。自分に読解力がないんじゃないか……そう思って恥ずかしくなりブリッジして泣きわめくやつもいるかもしれない。だが……このゲームが内包している幾つかのメッセージは生まれた国や環境によっては受け取りにくいという確かなデーターがある。いいか? 内藤インザウッズはいくつかの側面を持っている。角度によって見えるものが違うということだ。自分は少なくとも四つのテーマを受け取ったが、このゲームはもっと多くの顔を持っているかもしれない。そこに正解も不正解もない。

→「若者の青春物語
冒頭から物語に深く関わってくるメイのモラトリアム……葛藤。そして家族や友人関係に関するストーリーの主軸だ。たぶんこれがわからなかったやつはいないと思うのでこの部分が楽しめれば花丸がもらえるはずだ。

→「ラストベルト(さびついた工業地帯)
米国中西部から北東部に位置する、鉄鋼や石炭、自動車などの主要産業が衰退した工業地帯の称だ。ポッサム・スプリングはまさにラストベルト。終わってゆく地域だ。町の人間を取り巻く諦観や一連の事件の背景は結局のところこの経済的・社会的な問題にある。

→「信仰
物語の中盤辺りまでくるとメイは夢と幻覚に苛まれ、大いなる……神的な存在と相対する。元々あまり信仰に篤くはなかったメイはその一件でさらに神の存在に懐疑的になり、教会のケイトと口げんかになった。要は神が存在しているのか? していないのか? という話だ。

→「コズミックホラー
メイが踏み込んだ事件の背景には宇宙的恐怖が待っていた。これはテーマというよりは物語をうまくまとめるための土台のようなものだと自分は考えている。このゲームがまるごとクトゥルフ神話TRPGの一シナリオだと思えば分かりやすいかもしれない。メイも、グレッグも、ビーも、アンガスもSAN値をうしないながら何とか生き延びた。やつらの人生は続く。

この四つのメッセージの中で結局のところ最も重要なのはメイの青春物語だ。あとのテーマは背景……フレーバー……そういうものだと思っていればいい。

・オールド・ワンに棲む者

何から話そうか迷ったのでまず真っ先にポッサム・スプリングの裏に潜んでいた存在について語ることにする。物語の佳境で明かされたことだがポッサムには秘密カルト組織があり、組織は廃坑の奥深くへ浮浪者や若者を引きずり込んで殺していた。なぜ? 理由は非常にかんたんで廃坑(オールド・ワン)に棲む存在はエサになる者を求めているからだ。こいつが何なのかは明言されておらず、棲んでいる深い穴の中は覗き込まれることはあっても描写はされなかった。だが赤ん坊でもなにかおぞましい者が潜んでいることはわかる。コイツを信奉するカルト教団のヤツはコイツのことを「黒いヤギ」と呼んでいた。

「黒いヤギ」は腹が減ると歌を歌いエサを要求する。応えなければ天災が起き、あるいは経済的にも衰退していく。教団曰くメイが子どもの頃に起こった大洪水はエサを差し出さなかった故に起きた。少なくとも教団の者たちは「黒いヤギ」へ生贄を差し出し続けることでポッサムの衰退を止めることができると考えており、続けてきた。エサとなる標的は汽車でやってくる浮浪者や、将来性が無いと判断が下された若者。メイたちの友達だったケイシーはエサとなり殺されていた。ジャームも拐われかけたことがある。カルト教団は利己的に生贄を定め、ポッサムの大義のためと言う。

「黒いヤギ」の絵をメイはグレッグと忍び込んだ資料館の一室で見つけている。星々……宇宙から地表に降り立とうとしている絵だ。おそらく「黒いヤギ」はポッサム・スプリングが町ですらなかった大昔に地中へと潜り、棲み続けてきた。それが鉱山として開拓され廃坑になった後に発見された。廃坑の名前はオールド・ワン。これはクトゥルフ神話における太古の地球に君臨した者達の総称だ。

「黒いヤギ」はシュブ=ニグラスのことだろう。豊穣の女神という性質を持つシュブ=ニグラスは豊穣の象徴とされる「ヤギ」であり、西洋における魔女の崇拝儀式であるサバトと関連が深い。そして儀式の舞台は深い森の奥……ナイト・イン・ザ・ウッズ……つまりそういうことだ。豊穣という性質は教団が信じているポッサムの振興に関わっており、このゲームで流れていく季節である秋を想起させる。

・メイの状態

ゲーム開始十分くらいでだいたい察しがついていただろうがメイはメンタルの病気を患っている。時期はメイの高校時代。アンディ・カレンをスポーツの試合中にタコ殴りにしてしまった直前からだ。病名は不明だが症状などで絞り込んでいけばわかるかもしれないし、あるいはわからないかもしれない。だが「メイの病気は○○だぜ!」みたいにするのは野暮だと思うのであえて調べる気もない。言い出すとキリがないことに頓着するのはあほのすることだからだ。

症状はメイがビーかグレッグに語っただけのもので言語化は難しい。メイ自身が言語化に悩んでいるからだ。メイの目に見えるものがナニカの塊……正しく人物や物体のように見えなくなるといった火の鳥・復活編みたいな症状なのか、あるいは人や物の存在や感情がメイの中で不確かになって感情が不安定になるのか……メイの曖昧な言葉だけでは分からなかった。ただビーやグレッグの反応からしても間違いなく重いメンタルのなんかであり、しっかりとした医者に罹るべきだということは分かる。メイは感情のコントロールが難しくなったことでノートへ物事を書き記す療法を教わった。医者はヤブだったがノート療法自体はメイにとって意味のあることのはずだ。

この症状を和らげる方法としては唯一、メイが安心できる場所、安心できる人物の近くで過ごすという対処法がある。ビーやグレッグなどの一部の友達はそれをメイの両親伝いにか聞いているようだ。メイは「家族」あるいは「家族的な存在(ビーやグレッグのようなSOULフレンド)」が身近にいればメイは病気の症状が出なくなる……と考えている。そしてもちろん、大学を中退してポッサムへ戻ってきたメイは安心できる環境にある……ではどうしてメイはしっちゃかめっちゃかになって崖から落ちたりしなければならなかったのか? この原因は病気には無い。別にある。

これは図書館で幽霊騒ぎの記事をサーチしていたときの切り抜きの一つだ。一見すると関係なさそうに見えるが「特定の地下ガス」による症状は夢遊病、幻聴、幻覚……つまり物語後半のメイの症状と合致している。ポッサムの一部の地域は家屋と炭鉱が地下伝いに繋がっておりガスが湧き出している。ボロウスキ家は物置から地下へ行けるが、地下は完全に炭鉱と繋がっている。ガスの発生源はそこだ。メイの母のキャンディーも二十歳くらいの頃は変な夢を見ていたと言っていた。何か関係あるかもしれない。

ポッサムには毒の水がありこれは入植者たちがやってきた頃から存在していたがどこかで枯渇している。一部の炭鉱が廃坑になった理由は毒のせいだ。幻覚や幻聴の内容から察するに毒の水は「黒いヤギ」由来のものだ。メイはずっと「黒いヤギ」に引き寄せられていた。三章以降、メイは常に森の奥に行こうとしていて家族や友人の説得にも応じなかった。最後はビーたちも何かを察したのか無理に止めようとしなくなったが、メイは「黒いヤギ」による誘惑によって限界に近づいていたのだ。夢の中でも起きていても幻聴が聴こえるからだ。友人たちは理解こそできないものの、メイ自身の意思でどうしようもないことを悟っていたのでしんぱいで付いていった。

町の演奏者を引き合わせるイベントの最後までいくと判明するがメイの夢の世界に出てくる四人の演奏者たちは「ディープ・ホロウ・ホロラーズ」という70年前くらいのダンスバンドだ。あるときからこの四人組は信心深くなり幽霊のためと言って森で演奏するようになった。そして1949年に森で凍死しているのが発見された……メイが夢の中で探し回るのはその四人だ。こいつらは完全に「黒いヤギ」に心を囚われた信奉者であり、未だに夢の世界で演奏を続けている。歌を聴くようになると幻覚と幻聴で心は壊れてゆき、いずれ森の奥深くへと向かうようになる。メイも同じ症状だった。


要するにメイの持っている病気と事件で加速していく狂気は別のものだ。メイはポッサムに帰郷したことで病気を抑えられる環境に戻れたが、代わりに家の地下から湧いていた地下ガスを吸引しておかしくなり「黒いヤギ」の歌を聴くようになってしまった。最終的には森の奥まで行き実際に「黒いヤギ」と対面したがメイは対話の結果、のみこまれずに済んでいる。おそらくメイはある種の救い……つまり自らの患う精神病から逃れる術を「黒いヤギ」に見つけていた。かつてのディープ・ホロウ・ホロラーズのようにだ。だが断った。最後の対話……水場の中心で行ったのはそれだ。メイは「黒いヤギ」の救いを拒否し、自らの持つ病と戦っていくことに決めた。これはかけがえのない決断だ。

・カルト教団の始まりと終わり

カルト教団の始まりはあいつらが語った通りなので省く。かんたんに言うと20年前にエドとジムというやつがいて、盗掘を企んでいたがその最中に「黒いヤギ」を見つけた。ジムは穴の中に落ち、食われた。その後エドは「黒いヤギ」によってギフトを与えられた。壁を通り抜けられるようになった……ふしぎな力だ。メイはハロウィンの夜に誘拐された子供と怪しい人影が通り抜けられるはずもないフェンスの向こうへ不自然に移動しているのを発見したことで《幽霊》を見たと言い張った。これは「黒いヤギ」に与えられた力だ。この力を使い、カルト教団は人々を誘拐してはエサにしていた。

史学会本部は怪しいところでいっぱいだったがここははっきり言ってカルト教団のアジトのようなものだ。異様にエレベーターがあるのも「黒いヤギ」の絵が飾ってあるのにも意味がある。カルト教団はギフトを与えられたエドが生み出したもので、エドには人を集めるだけのカリスマがあった。20年前とかそこらなので実はあまり歴史は長くない。だがいずれ老いて死んでいくのがわかっていたからカルト教団は世代交代をもくろんでいた。殺した数はゆうに30人をこえる。大量虐殺だ。

教団はどうなったのか? エピローグの通りだ。グレッグにクロスボウで撃たれたやつが怒りちらし、メイを追ってきた。それを振り払うために老朽化したエレベーターを動かした結果、オールド・ワンは崩落した。地下は生き埋めだ。警官のモリーおばさんは異変について知っていそうだったので警察や一部の者たちは何かに気づいていたかもしれない。教団自体はどうあがいてもただの人間だったので生き埋めになり窒息とか餓えで死んだはずだ。わかりやすく壊滅したことになる。「黒いヤギ」はどうだろう? まだいるのかもしれないし、どこかへ去っていったのかもしれない。とにかくもう人々が誘拐されて殺されることはなくなった。あっけない終わりだ。エピローグ時点でのメイたちにはまだ現実味がない。いずれは間接的にではあっても何十人もの生きた人間を殺した……後悔と恐怖が襲い来るかもしれない。

・メイと人々の関係

延々とカルトの話をしているのも何なのでこの辺でポッサムの人々とメイの関係も語っておく。ここまで読んでくれば分かるようにメイ・ボロウスキはいいかげんボコボコの満身創痍だ。そんな状態であらゆるやつに話しかけるのでそこには精神的なバトル……あるいは魂レベルでの理解……そういう尊いものが生まれる。そもそもメイが宇宙的恐怖と決別しカルト教団が全滅してもメイの人生が続くことには変わりないのでメイの物語の主軸は人々との交流にこそあると言える。だが全員の話をするにはあまりにもこの記事は狭すぎる。一部のキャラクターに絞っていくことになるだろう。

→セルマーズ

セルマーズはメイの家があるMAPの隣に移動した瞬間にいる。つまりメイが朝のアイサツをする二番目の相手というわけだ。一番目は母親。セルマーズの趣味は詩だ。これはセルマーズの芸術性の発露と言うよりはメイの日記のような心理療法としてのツールだ。セルマーズは彼氏を別の女に取られたり麻薬のなんかをしたりで……ずいぶんボロボロだった。メイよりも数歳は年上のはずなので、いわゆるメイのような満身創痍を経験した人間の一人ということだ。ポッサムの人々はリアルに生きているのでメイだけが悲劇のヒロインではない。全員がどこか何かしらでボコボコにされ、それでも立ち上がりし人間たちだ。

セルマーズは毎日メイに詩を披露する。こいつはメイに優しく、あまり押し付けがましくもない。理由は昔の自分を見ているから……そういうこともあるだろう。妙に「キアイを入れてやる」みたいな気持ちを出さないのでメイも安心して話しかけられるということだ。セルマーズの詩を毎日聞くか、聞かないかでイベントの内容は少し変わる。まず、ちゃんと詩を聞いていると詩のイベントにセルマーズが出て……すごいリリックを披露する。他の参加者とは段違いの怒り、悲しみ、凄みが渾然一体になったやつだ。だがセルマーズの詩をあまり聞いていないとこのイベントは発生しない。つまり、セルマーズは自分の詩にあまり自信がなかった。良い詩ができた、と言いつつも不安がっていたということだ。だがメイが朝やってきて、雑談のつもりで話しかける。詩を聞いてやる。そういう積み重ねでセルマーズは自分の詩を認められるようになり、イベントにも出てやるか……という気持ちになった。つまりメイの何気ない会話がセルマーズを変えたのだ。

「ゲームだからそんなもんでしょ?」冷めたやつはそう言うかもしれない。だがポッサムは……何度でも言うがリアルだ。リアルというのは今辞書で引いてきたが「現実」という意味だ。現実で悩んでいる人間一人をいい方向へ持っていけるか? 言葉と行動で。毎日話しかけ、何とかしてやれるか? 難しいはずだ。メイはそもそもセルマーズを良い方向へ引っ張ってやろうなんて気持ちで詩を聞いてはない。自分のことで手一杯だからだ。だが物事は良い方向にいった。セルマーズにちゃんと話しかけていた場合、メイが倒れ、教会へ運ばれたときセルマーズは慌ててやってくる。やつは泣きそうだった。メイはそれだけのことをセルマーズにしてやっていたのだ。

→ローリーM

ローリーMはセルマーズとは違い、メイの年下だ。5歳くらいだったか? 基本的にこいつとは屋根の上で邂逅する。この歳で独り屋根の上にいるから鋭いやつならわかったはずだがこいつも孤独で、問題を抱えている。思春期だからおかしなことではない。こいつのメイへ向ける視線はリスペクトで溢れてる。町に流れているメイの暴力沙汰のことを知っていて、それを揶揄する意味合いの「殺人鬼」というあだ名をローリーMは崇高な武器の呼び名かのように言う。メイはローリーMにとって町の生ける伝説的存在で、あほの現実をどうにかするために拳を奮った……パンクそのものだ。実際のメイは無論、精神病が原因で暴力事件を起こしてしまった悲しいやつなのだがローリーMにとっては違う。

メイは自分がいっぱいいっぱいながら、歳下ながら心に傷を持つローリーMに優しくあろうとする。一緒に線路に寝転がってフィギュアをつぶしたり、ホラー映画の話を聞く。ゲームをやっていればわかるがメイは基本的に生活や地位が安定しているやつ、元気なやつに対してはかなり邪険にあたる。鼻持ちならないからだろう。自分が元気じゃないから、元気なやつが羨ましくて仕方がない。だが自分と同じように傷を持つ誰かに対してメイはなんとかしてやれないか……? みたいな気持ちになる。その思いは時に衝突を生むが、ローリーMに関してのメイは……かなり慎重だった。それが功を奏した。
チャプターが進むごとにメイのサイコ具合は極まりさすがのローリーMもちょっと引いていたがそういう嵐に見舞われながらもメイはローリーMを傷つけまいとした。

エピローグ後のメイはローリーMを家に誘い、一緒にメシを食おうと言っている。ローリーは色々とかんがえてしまい緊張で過呼吸になったがメイは無理強いしなかった。このやり取りはメイとローリーが明るいほうに一緒に歩いていこうとしている象徴的イベントだったので自分は一人、グラスを掲げて祝福した。光あれ。

→ジャーム

SSを撮ってなかったので絵を描いた。本名はジェレミー・ウォートン。ジャームは謎多き真の男で本筋にはあまり関わってこない。こいつは楽しいことが好きで常に町の隅で旅行者などと話している。またメイたちのバンド活動の見学にも来る。エピローグ時点のメイの言葉から分かることだがジャームは五人(メイ、ビー、グレッグ、アンガス、ジャーム)の中でもっとも立場が悪く、シリアスな状態にあるらしい……が、自分のペースを崩していない真の男である。こいつの背景に何があるのか? それは明言されていないが、大家族であることや森の奥に家があること……ポッサムの中での立場が関係しているかもしれない。またジャームはカルト教団の標的にもなったことがある。つまり奴らの中で「死んでもいい人間」であると判断されたということだ。そういう逆風の中でも自分を持って強く生きており、そういうタフさがあるのでカルト教団と敵対したときも何食わぬ顔でグレッグの家に来てレトロゲームをやっていた。

ジャームのプロフィールについてはイベントを進めることである程度は判明していく。ジャームは「黒いヤギ」による幻覚と幻聴で憔悴していくメイを気晴らしのために家に連れてきた。これはグレッグによると滅多にないことで、ジャームはメイに特別な思いを寄せている可能性もある。ジャームの家にはトランポリンがあり、メイの大好きなタコライスがあり、そしてジャームの祖母は占い師だった。メイはいくつかの啓示を受ける……この内容は「黒いヤギ」、そしてカルト教団との対決を示唆する内容だった。ジャームはメイを祖母に会わせることで危険を知らせつつタコライスを食わせる完璧なムーブをした。このイベントを見ているとカルト教団に追われた後にグレッグ家に集合するシーンでジャームはメイにある質問をする。

それはメイという愛称ではなく本当の名を聞く……そして呼ぶということ。ジャームは賢い男なので恐ろしい戦が始まろうとしていることを察しつつ、その舞台へ自分が立たないことも知っていた。だからメイの本当の名を呼び、「なんとかして戻ってこい……」的なことを言った。この時のジャームは最強にカッコよく、自分は画面の前で震え……PROCONを取り落とした。思えばジャームは教団との最終対決へ向かおうと思えば向かえたはずだ。だがメイとグレッグ、ビー、アンガス……四人の間に入っていく野暮をするつもりはなかった。だから気をつけろという一言で済ませた。余計なことも……何もしなかった。このスマートな真の男のフィギュアがFANGAMERに売っている。超欲しい。

→グレッグ

最高の男……グレッグ。こいつはメイが帰ってきたときに腕をプルプルさせ始めたときからすでに最高の男の風格を千里先まで醸し出していた。前回の記事にも書いたがグレッグはメイを遊びに誘いまくった。蛍光灯破壊、ナイフバトル、ロボット制作、狩猟ごっこゲーム……このゲームにとうとつに入ってくるミニゲームのうちかなりの数をグレッグが用意した。そう、用意だ。グレッグは大きな問題を抱えて傷つきながら戻ってきたメイを楽しませるためにやっていた。そして同時に自分の不安を紛らわせたかった。グレッグはいずれ町を出て、恋人のアンガスと共に他所へ移住するからだ。アンガスは賢くおおらかでエロ動画の見過ぎでどうにかなったメイのPCを黙って直してやるほどの器の広さを持つ。そんな男に自分が釣り合うのか? デカい街でやってけるのか? グレッグは常にそのことばかりを考えている。

立ち止まったままのメイのために自分も過去へと戻るのは、自らの弱さゆえだ……グレッグはちゃんとそれを悟っていたのでドーナツ屋の帰りにメイへ向けてはっきりと言った。「おれをさきへすすませてくれ・・・」これはメイに対しての言葉でありながら自分へ向けての言葉でもある。大人にならないといけないという責任感、大人になり……自分のケツを自分で拭かないといけないということへの恐怖。グレッグは素直にそれを吐露し、自らの黄金時代の象徴であるメイとの日々を終わりにする宣言をした。あえて突き放すようにだ。メイと遊ぶ時間がないから……ではなく、真っ当にやっていく一人の戦士として子供だった自分と決別した。これは当然メイとの友情を終わらせるという意味ではない。それを証明するように後にグレッグはメイを信じて森の奥深くへついていった。アンガスもだ。

グレッグは子どもの頃に見た羊の話をした。グレッグがまちがえて柵を開けると羊は大量に飛び出し、牧場へ戻ろうとした羊たちは道路で跳ねられまくって死んだ。だが一頭だけ脇目もふらずに逃げていったやつだけは生き残った。グレッグのこの過去の話は要するにポッサム・スプリングの状況を端的にあらわしている。元いた場所に戻ろうとすれば、ただ死ぬ。だが何とか抜け出して先へと進めれば生き残れる……だがポッサムの大半の人間は柵の中に戻ろうとして死んでいく。道路を渡って生き残ろうとするのはグレッグだけだ。一人だけ外に出ようとするグレッグは居心地の悪さに苦しみながら、悩み抜いた末にアンガスと町を出ることにした。逃げ延びる羊であろうとした。そのためにバカな子供を演じ続けるのをやめ、大人になる必要があった。本当に大事なものを守りながら生きるために……。

自分が好きなのはメイがグレッグとアンガスの引っ越す町に付いていこうとするシーンだ。二人はあからさまに邪魔者を見るような顔つきをした。グレッグにとってのメイは親友だが、優先順位というものがある。愛する男との生活の中にメイは……ざんねんながらいらない。どっちかというと邪魔者だ。そういうシビアな判断をグレッグは下せるようになった。これは冷徹だからではなく、アンガスへの想い故だ。カップルで引っ越す町へついていこうとしたメイが悪い。このイベントから得られる教訓はあらゆるやつとウェットに肩を組んだままでは先へ進めず、あほの二人三脚みたいに誰かのせいで転ぶだけになるということだ。グレッグはそれを魂で理解した。だから自分とメイの足に結んでいた紐を解いた。それでもグレッグはメイが転べば駆け寄って助けおこし、腕をプルプルさせながらサムズアップするだろう。見上げたやつだ。

→ビー

ビーははっきり言ってかなりシリアスな状況に陥っており細い足場の上で右にいっても左にいっても奈落へ落っこちる寸前だ。母親の治療費のために家を捨てマンションへ移り、それでも母親がいなくなったとき。ビーの家は崩壊してしまった。父親は酒浸りになり、ろくに働きもしない。だからビーは父親の分の仕事をやり、家計も担わなくてはいけなくなった。自由な時間などなく、仕事が終わり家に帰っても暗澹たるきぶんだ。そんな折に帰ってきたのがメイだ。経済的理由からビーが身を切るような思いで諦めなければならなかった大学を蹴りメイは帰ってきた。当然ビーは良く思わない。ビーのイベントでは大人にならざるを得なかったビーと立ち止まり続けているメイの対比が描かれ、やっているヤツの胸に突き刺さる。ビーの視点で見てもメイの視点で見ても重いボディブローを受け続ける感じになる。なったはずだ。

ビーの視点から見るメイはかなり厄介なやつだ。メイは自分の罹っている精神病については後半まで何も言わず幻覚と幻聴の話ばかりするからだ。ビーから見たメイはかなりのサイコやろうでしかなく、しかしそんなサイコやろうに付き合って車を出したりしなければいけない。身の上話をしてもモラトリアムの最中にあるメイには道理が通じず的はずれな説教をされてしまう始末だ。ビーが密かにやっていた街コンに連れてきたときもメイはしっちゃかめっちゃかにした。ビーといっしょにいたビーの友人もメイを指して「クソたろう」だと罵った……自分もクソやろうだと思った。ビーとメイの会話はつねにヒートアップし、傷つけ合う。血しぶきが飛び散るほどのメンタルバトルだ。だがそれは虚飾を取り払った世界の殴り合い。真の友情だという証左でもある。メイは雨の中街コンパーティー会場から逃げ出したビーを追ってビルの上をとびまわり、しんぱいして駆けつけた。メイがサイコ状態のクソやろうかはともかくビーのためにそこまでしてくれるのは今のところメイだけだ。

ビー自身が認めているようにビーにも不公平なところは当然ある。ビーが行きたかった大学を中退したことがメイへの怒りの源泉であり……これはフェアじゃない。しかしそんなビーに対してのメイは何の色眼鏡も掛けずに真正面からぶつかってきている。ビーは街コンではポッサム出身であることを言わない。ビーの友人も気を遣っているからその嘘を共有する。街コン……上辺の世界だ。それがビーにとっての唯一の気晴らしのつもりだったが、同時にやるせなさも感じていた。ビーにとって真に必要なのはグレッグにとってのアンガスのような……共に現状に縛られても良いと思える人間。メイは病気と幻覚のせいでワケがわからなくなってこそいるが、つまらない虚栄を纏っていない数少ない人物でもある。この凶運に因われた友人が雨の中探しに来たとき、ビーは内心では嬉しかったはずだ。そういうのが徐々にビーの腹の中に効いてきて、最終的には収まるべきところに収まる。

カルト教団関係のいざこざの中でビーはメイの病気について深いところを知り、内心ではちょっと反省したはずだ。それまで不透明だったメイの問題が形となって現れ、理解こそ及ばなかったもののカルト教団という形を持った敵がメイを虫歯んでいたこともわかった。エピローグ後、ビーのルートではメイがビーを遠出に誘う。車で……デカいピロシキを見に行こう的な提案をする。これはメイにとってできる限り現実的な気晴らしだ。ビーは色々と野暮なことを言おうとしたが、メイと一緒に一歩を踏み出すために曖昧にうなずいた。こいつらは遠からず良い感じになり、ポッサムというクソみたいな場所でもしっかりやっていけるだろう。

・呪われたボロウスキ一族

冒頭で分かることだがメイの祖父はボロウスキ家が呪われておる……と言い残して死んだ。ジャームの祖母もメイの家に亡霊が取り憑いていると占った。では何に呪われているのか? 材料はなさすぎるが少しずつ考えてみよう。

まずボロウスキ家の特に男側はトラブルメーカーが多いとボロウスキ家と親交が深い老人、ローザは語っていた。メイの死んだ祖父は炭鉱の管理者をつねに敵視していてその車をパンクさせたり車内に小便をしたという。メイの父親であるスタン・ボロウスキも組織側を憎んでいる。今の時代を生きるメイにはさほど関係ないことだが昔のポッサムでは鉱山に関係するいくつもの事件が発生し血が流れていた。鉱山の爆発事故、そしてポッサム大虐殺。どちらも鉱山管理者と労働者間のいざこざの中で生まれた事件であり、常に反体制側に与するボロウスキ家にとっては無関係のことではない。

ボロウスキ家の物置から繋がっている地下には金庫があり中には歯が入っていた。この歯は炭鉱の管理者のもので、作業員の給料を横領していたこの管理者への作業員たちの怒りがばくはつした結果、ペンチで全部の歯を引っこ抜いた。この歯は作業員の中で分配され、労働者の利益を守るという誓約の元で秘密結社が結成された。この歯が地下金庫に隠されているということは1870年のこの事件で労働者側にいた人物がボロウスキ家にいるということに他ならない。1888年には20名ほどのストライキが発生している。これを先導したのはアーサー・ボロウスキ。ボロウスキ家の先祖だ。それから歯は連綿と受け継がれてきた。

呪いはいつからあるのか? またどのようなものなのか? そもそもそれがわからない以上は推理しようもないのだが、ボロウスキ家の共通点である「トラブルメーカー」という部分に焦点を当てれば納得できなくはない。トラブルを呼び起こす、または誘い込む性質が呪いの内容……。
あるいは鉱山の爆発事故、ポッサム大虐殺のような大量の死人が出た事件にボロウスキ家が関わっている場合だ。その被害者がボロウスキ家を恨んでいる……わからなくもない。だがそもそも管理者側ではないボロウスキ家はどちらかと言うと民衆側だ。爆発事故に関しても管理者側がかんぜんに悪かったという証拠がある。この線を疑うならば大虐殺が怪しいかもしれない。ポッサム大虐殺は州兵を連れて交渉をしにきた鉱山管理者を子どもたちが挑発し石を投げたのが発端だ。この子どもの中にボロウスキ家の人間がいたなら、原因を作った一端として非難されてもおかしくはない。

または数十年前に謎の死を遂げて幽霊になったと噂される炭鉱作業員ジョー・シェイド……こいつの墓を掘り起こすイベントもあった。あるということは重要なのだとは思うが、こいつは労働者のはずなので同じ労働者側の権利を守りたいボロウスキ家の人間が殺し……恨まれているというのは考えづらい。ともかく、メイの祖父が死の直前に言った「呪い」はかくじつに存在している。オカルトの存在は十二分に証明されているからだ。

ついでに言っておくと「黒いヤギ」が廃坑で見つかったのは20年前だがそこにいた、ということは大昔から存在している可能性が高いということだ。ポッサムでは何かと人死にが多発している。爆発事故、大虐殺。発端が人為的なものということが「黒いヤギ」の関与を否定する材料にはならないだろう。こいつは過去の事件にも関わっている可能性も高い。

・ロストベルトと怒り

この記事の最初辺りにテーマの一つとして存在していると書いた「ロストベルト」についても触れていく。メイがポッサムに帰ってきた冒頭部分、背景に描かれているのは光の灯っていない工場だ。通る列車と、向こうの……アレはなんだ? 名前がわからん。とにかく列車とアレには赤い光が灯っているのに工場には一つもない。終わりきっている。メイの父であるスタンは昔こそバリバリのやり手としてあらゆる工場を切り盛りしていた。しかし今はスーパーの精肉コーナーで肉を切っている。もちろん肉を切っているのが悪いことだとこのゲームは言っているわけじゃない。かつてあった仕事を奪われて、崖下に落とされることの恐怖。怒り……それを指して言っている。叫んでいると言ってもいい。スタンはメイの大学費用と暴力沙汰の解決のために多額の金をほうしゅつし、ボロウスキ家は経済的にヤバくなっている。かつてあったものが奪われるというのはそういうことだ。

カルトのやつらは「ポッサムを守りたいオッサンの集まり」を自称した。しかし加熱していく会話の中でやつらの本性がむき出しになっていく。結局のところ、カルト教団のメンバーたちはかつてあったものを奪われた……その怒りを原動力にして動いている。若者の価値を自分たちの尺度で計り、エサにするかどうかをこいつらは決めていた。ケイシーについて糾弾されたときにこいつらのエゴはさらけ出される。「生きていてもしょうがないやつを殺した」そんなのはブルシットでしかない。大学に行っていなければ教団はメイを狙っていたかもしれない。ポッサムの大義を謳いながらこいつらの物差しはエゴに満ちている。すべてが終わった後にビーが言った「年を取った大家が入居した若者を追い出したいだけ」は穿ってはいるがかなり良い目線だと思う。ビーはちょっと自信こそなさげだったが自分がその場にいたら大いにうなずき、マズいピザを渡すと思う。

その一方でメイは教団の気持ちについても少しはわかると言い、グレッグとビーを驚かせている。この会話はどちらのルートのエピローグにもあるのでそれだけ重要だということだ。メイは教団に撃たれかけ、崖下に落ちた後に夢を見た。ポッサムが更地になっていて、我が家もなくなっている……空虚な夢だ。これは「黒いヤギ」が見せたイメージだろうが、ポッサムの今後を表す確かなヴィジョンでもある。さらにメイはかつて唐突に精神病を発症したとき、自分が育ててきた感情が……思い入れがサッパリと消え失せて確かめられなくなる。そういう状況に遭った。つまりかつて確かに持っていたものを一瞬で奪われる感覚。その残酷さを知っているからこそメイは教団が「黒いヤギ」にすがりつく理由も少しは理解した。少しだけな。

「黒いヤギ」の行方はともかく教団は壊滅し恩恵は受けることができなくなった。恩恵。「黒いヤギ」にエサをやることで本当に経済の安定は保たれていたのか? 洪水や雪害、地盤沈下を免れることができていたのか? それはわからない。教団はそう信じているが全ては闇の中だ。そもそもあいつらは強大すぎる宇宙の力に取り憑かれていて物事をちゃんと考えることができなくなっていた。ああなるのも時間の問題だったということだ。すべてが終わった日。エピローグでのポッサム・スプリングは雪が降る町になっている。実りの秋が終わり、冬の時代となる。誰も何かを保証してくれることはない厳しい寒さだ。だが……最初からメイやグレッグ、ビーたちの時代にはポッサムは終わっていた。輝かしい時代を若者は知らない。誰も何も保証してくれなかったからこその今があり、不安と恐怖と常にたたかう運命にある。メイたちはメイたちなりのやり方で冬を越えていく必要があり、その答えの一つが歌とピザだ。

・感想を言ったら今日は帰る

どういうゲームだったか? と言われると答えにくいが、要するに青春物語に直截的な政治的メッセェージを詰め込み、コズミックホラーという型の上で丹念に焼き上げたよくわからないピザだ。食った場所によっては変な味がし、舌を出して不思議がるかもしれない。自分は概ね楽しめたが同じ日本人にとってはロストベルトとか信仰心の話はいまいちピンと来なくて楽しめないかもしれない。だが政治的な思想とかが入っているからぜんぶわからなくてダメ……それは腰抜け理論だ。このゲームは率直に思想を取り込みつつ、ちゃんと等身大の人間のリアルと友情を描いている。じゃなかったらここまで面白くはならない。自分は信仰心についてはピンとこなかったので書かなかったが人によっては味わい深いはずだ。味が薄いと感じる部分にはケチャップとかオリーブオイルやタバスコをかけて食え。自分はそうした。

興味深いのはやはりこのゲームのジャンルだ。ジャンルは「ヒューマンドラマ」……自分はドキュメンタリー番組は嫌いなのでこれがT・V・BANGUMIだったら絶対に見なかった。しかしナイト・イン・ザ・ウッズはゲームだ。ゲームの中で見事に青春を描ききっている。アドベンチャーベームの多くは推理物や恋愛物だ。理由はかんたんで決着が付けやすいからだ。巨悪を暴いたり、なんかヒロインと良い感じになって終わったりと一つの区切りがつけやすい。しかし青春とは? メイがどうなれば物語に決着が付く? 

物語性とリアルさを同時に追求するのは難しい。だからこれまで似たようなゲームは出てこなかった。それをこのゲームはやった。メイの精神障害はご都合で治らなかったが「黒いヤギ」の支配を乗り越える中でメイは自分の感情に気づき、自らを支えてくれる幾つもの手が身近にあることを知った。町は良くならなかったがグレッグもビーもある種の答えを見つけ前向きにやっていこうとしている。決してハッピーエンドではないかもしれないが充分すぎるエンディングだ。

今日はこの曲を聴きながらお別れだ。自分は次の列車に乗る……ナイト・イン・ザ・ウッズはサウンドもめちゃめちゃに良かったから旅立つ前に聴いていくといい。

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ドーモ! ドネートは常時受け付けています。 ドネートはときにおやつやお茶代に使われます。