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【お知らせ】FGO概念礼装のお仕事

ここで書くのもずいぶん久しぶりとなってしまいました。命の危機を感じる暑さが続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、Twitterでは昨日告知させていただきましたが、6月29日より開催中のFGOのイベント『南溟弓張八犬伝』の概念礼装『武の櫓』を描かせていただきました。FGOのゲーム内のお仕事はこれで3回目になります。めちゃくちゃ嬉しいですしありがたいことです。

今回も絵についてちょっとした裏話を挟みつつ、ここ1年ほど絵の活動が少なかったことについてつぶやこうかと思います。

今後も幾度となく申し上げていくつもりなのですが、「オノ・タコ」としての原点はFGOなんですね。就職してから忙殺されていつの間にか大好きだったお絵描きの楽しさを忘れかけていたところ、ファンアートという形で再び思い出させてくれたのがFGOです。
このあたりの経緯を詳しく綴った記事がありますので、もしよければご覧になってください。(笑)

そんなお絵描き大好きマンがここ最近またあんまり描けてなかった理由について、自分の中で整理する意味も兼ねて書こうかなと。ざっくり箇条書きにすると
・人生最大の挫折
・異動と転居のストレス
・上記が原因のメンタル不安定による自信喪失
・今後の創作活動についての迷い
こんなところでしょうか。

まず人生最大の挫折なんですが、実は私小さいころからの夢があってそれが何かというと漫画家なんです。あ~打っててすでにちょっと胸に詰まりを感じる…笑
そう、イラストレーターとしては大学生の時点で「あ、向いてない」と思うような経験があったのですが、(こちらの記事で綴ってます)
実はそのことについてはあまりダメージを負ってなかったんですね。なぜなら本命は漫画家だったから。
ただ、これは今だからこそ振り返ることができますが、あの、よくある感じのやつで、「なりたいならすでに行動に移してる」「なりたいのではなく描きたいものがある」「継続している」といったことが揃っていて成り立つお仕事なわけですよね、漫画家というのは。
しかしオノタコは大学生の時点で「イラストレーターは無理でも漫画家があるしな」、みたいなゆるい思考だけをもち続けてそのまま就職しました。理由は漫画が大好きだったからです。それだけ。

そんなオノタコは、思いがけない幸運によってイラストのお仕事をさせていただくようになります。このことは私に大きな成長をもたらしてくれました。一方で、

めちゃくちゃ調子に乗っちゃいました。

個人的に創作活動なんて調子こいてなきゃ筆が動かんもんだとは思ってますが、乗るっていうかなんかもう飛んでました。「今ならいける気がする」という根拠/Zeroの自信と年齢不相応の勢いで某大手出版社に漫画を持ち込んだのです。すごいよね。
担当の方もお仕事なので、とても丁寧にご対応くださり、以降しばらく漫画の修行のつもりで新人賞の投稿作品作りのアドバイスをしていただいてました。この期間は締切(編集者の方が仮に設定してくれたもの)を守るスリルを味わいつつ、純粋に楽しんでいたように思います。朝から晩まで本業やって、帰ってから寝るまでのわずかな時間や休日にめいっぱい描くという日々。
でもこれもなー、今思うと「漫画描いてる自分」に酔ってましたね。万年漫画家志望の特徴を見事コンプしてるのではないでしょうか。

で、その先になにがあったかと言うと、新人賞の落選です。たった1回で挫折?と自分でも頭の隅で思ったんですけど、これがびっくりするぐらいショックで。地に足が着いてなかった分の反動だったのでしょうね。ていうかもうこれ自分で打ってて恥ずか死にそう。でも戒めっていうか老人になったとき笑えるようにしたいから書いちゃう。

そう。ほんとショックで。なにが一番ショックだったかっていうと、「今回はダメだったけど次は頑張ろう、叶うまで戦おう」って思えなかったことです。自分の漫画に対する情熱と長い目で見た適性についていっぺんに思い知らされたとでも言うんでしょうかね。落ち着いた今となっては、なにも完全に漫画を諦めることもないとは思えますが、でもイラストよりは現実的ではないとは思うようになりました。たまにアンソロジーとかで描くくらいがいい塩梅で楽しめる。それがようやく分かったことだけが収穫でしたかね。

いえ、もう一つあります。「自分だけのキャラクターをもてた」こと。自分の世界観を表現することはイラスト含めてどんな媒体だってできるとは思っていますが、漫画という形で喋り、動き、生きるキャラと出会えることには幸せを感じました。イラストのお仕事で言えば、キャラデザもそんな感じですね。この場合は自分だけの、というものではありませんが、限りなく近い感覚があります。なのでこれまでデザインさせていただいたキャラ達には申し訳ないくらいのクソデカ感情あります。これ言わない方がよかったかな?

ちょっと(かなり)話が脱線してますが、人生最大の挫折と諸々のストレス消化期間にほんとにやりたいこと、自分に向いてること、今やるべきことをぐるぐる考えてました。この期間、SNS恐怖症から始まり娯楽不感症(?)を発症しほんとなんもやってませんでした。知ってる方々はどんどん描いて活躍の場を増やしてるのに自分は何やってるんだろうなーって。

そんなこんなで創作から目を背けつつ、でも生活があるのでもっと近いところからちょこちょこ環境を整えていったところ、少しずつまた元気になりました。そうしたらまたお仕事を少しずついただけるようになりまして。
個人的に本当にありがたかったです。まだ使ってくださる場があるんだと、そう思うと否が応でもペンタブ握る手に再び熱が籠りました。

そして今回の『武の櫓』。(やっと戻れた)
浮世絵風でFGOのキャラを描くの、本当に久しぶりなんです。でも、ブランクを感じさせないくらいいいもの描きたいって思って取り組みました。これまで課題にしていた描き込みとか、ずっと好きだったバトル絵の拘りとか、FGO愛とか、ここで色々注ぎ込めたらきっとまた元気になれると。
FGOのお仕事の時はいっつもこんな感じで語っちゃいますね。でもしょうがないです本当にどれだけ感謝してるか、どれだけ絵を描くことの楽しさを感じさせてくれてるか、筆舌に尽くしがたいクソデカ感情を無理に言葉にしてるのですから。関係者の方に直接お伝えできたらいいですが、気持ち悪すぎなのでここで叫んでおきます。
あと何よりFGOキャラ描いてると実家に帰ったような安心感があります。あ~これこれ!ってなった。笑
人のために描くのが好きなんでしょうかね。誰かに喜んでほしいっていう下心、常にあります。

概念礼装の裏話交えつつっていうかもはや締めですね……。小学生のころ作文を直せと言われて書けば書くほど先生の顔を曇らせていたオノ・タコです。
今回のイラストの項羽、4本も腕があるので描き甲斐があったんですけど、なぜ武器は3つなのか。これは呂布が一つぶっ飛ばしたからです。まず呂布の武器を何にするかちょっと迷いましたが、やっぱ方天画戟だよなあということで、そうなると絵的に構図的に4対1では分が悪いかな?と。あくまで両者の力が拮抗してるように描きたかったので、そんな展開を勝手に脳内で繰り広げてました。
一方で足元の瓦が整然としてるのはどうしてでしょうね。FGOの項羽と呂布ならもうめちゃくちゃにしてしまった方が自然かなとも思ったんです。ただ、色々資料を参照するとどれも瓦が整然としていまして。実際生身の人間が屋根の上で争った程度ではそんな感じなんですかね。なのでそちらに倣う方向にしたのでした。ていうか項羽と呂布っていうWバーサーカーのパワーにリアリティもたせたら屋根崩れますね。

ふー色々吐き出せて勝手にすっきりしました。タイトル詐欺な記事になってしまってすみません。
それはそれとして、ぜひ一緒に『南溟弓張八犬伝』楽しんでいきましょう!ついでに礼装も使ってやってくだされば幸いです!