マーケティングトレース×ビズリーチ

ハイクラス層向けの転職サイト「ビズリーチ」のマーケティングトレースです。

ビズリーチの概要

「ビズリーチ」は、ビズリーチ株式会社が運営するハイクラス層向け会員制の転職サイトです。特徴としては、

・年収1,000万以上の求人が3分の1以上。
・求人掲載型の採用サイトとは異なり、登録企業が求める条件にある人材に対して「スカウト」などを通して直接アプローチができる「ダイレクトリクルーティング」が可能。
・求人企業だけではなく、ヘッドハンターなども登録しており、ヘッドハンターからのスカウトを受けることも可能。ヘッドハンターが所有する独自案件を受けることができる。


など。

現在、サイトをオープンしてから10年で企業数は2019年3月時点で10,000社以上、求職者の登録数は151万人以上が登録している転職サイトとなっています。

ビズリーチのビジネスモデル

ビズリーチのキャッシュポイントは主に3つあります。

①求職者がよりビズリーチを使いこなすために支払う会員料
(タレント会員:月額3,278円。ハイクラス会員:月額○○円。)
無料会員は、「プラチナスカウト」のみ閲覧・返信が可能。応募は、特別な求人のみ。
有料会員は、すべてのスカウトの閲覧や返信ができることに加えて、求人の閲覧・応募、ヘットハンターへの相談も可能になっている。
ハイクラス会員とタレント会員の違いは、年収750万円を超えているか、いないかで分けられており、ハイクラス会員になると年収1000万円以上の求人に応募が可能になったり、ハイレイヤー向けのヘットハンターに相談可能といった違いがある。

②採用企業が払うシステム使用料+採用時の手数料
(基本利用料:85万円(6ヶ月)+入社成功報酬:理論年収の15%)
 固定で利用料金がはいってくる上に、案件の単価自体が1000万円以上が多いので、企業からの収入だけでもおいしいビジネスになっていそうです。

③人材会社/ヘットハンターから成果報酬型の紹介手数料のバック(手数料の30%) 

以上の3つのキャッシュポイントがあるからこそ、収益が安定し、様々な施策が打てそうです。では、売上数字に関わる「企業数」や「ユーザー数」「人材会社/ヘットハンター数」を増やすためになにをしているのでしょうか。

ユーザーを増やす施策(4P分析)

1.ターゲット企業・ユーザーを徹底して絞り、ターゲットに響くデザイン・ビジネス設計etc..

企業・ユーザー向けともに登録条件や価格設定など徹底したターゲットにそったマーケティング設計になっています。

・企業だけではなく、ユーザーからも料金をとることで、高収入なユーザーのみが継続して使うようにしている。
・ユーザーが登録する際は、登録条件を設けており、一般クラスのユーザーは登録できないようになっている。
・ユーザーが絞られているので、広告によるターゲティングがしやすい。(学歴フィルタリング、地域、年齢、etc..)
・ターゲットに近いユーザーが登録するからこそ、ハイクラス層を取りたい企業にとってのビズリーチの魅力が上がる。


また、明確なターゲットユーザーに登録してもらうために、ユーザーへのメッセージを「選ばれた人だけのハイクラス転職サイト」「即戦力」「プロフェッショナル人材」などと絞られたメッセージが多く見られます。

やはり採用サイトのコアな価値になるのは、「このサイトに登録すればほしい人材を採用できる」、「自分の興味にあった企業を探せる」だと思います。そこで、ターゲットハイクラス層に絞り、メッセージを統一感することで、企業・求職者ともに希望のマッチングがしやすい場所になっていると感じました。


2.TVCMによる認知度拡大/ブランディング

ビズリーチを知ったきっかけに多いのが、全国に向けて行なっているTVCMだと思います。



2016年から放送をはじめ、今でも目にすることが多く、認知度アップ、ユーザーへの転職サイトとして意識づけになっているかと。とくに転職者むけではなく、人事担当・経営者向けにメッセージを絞っているため、印象にのこるCMになっているかと思います。

また、もともと単価の高いサービスであるかつ、ユーザーだけではなく企業やヘットハンターへのリーチもできると考えられるので、CMによる認知度アップからの受注数アップに大いに貢献しているようです。

テレビCM出稿以前と比べ、サービスの導入企業数は約2倍となり、累計では9,500社以上の規模に成長。さらに、ビズリーチ事業の売上は3.4倍、営業1人あたりの売上も3.2倍と伸長。そして受注までのリードタイムが約半分に短縮され、受注率も10%上昇しているという。(MarkeZine  Day 2018  Kansai)


3.インハウスマーケティング強化による施策スピードアップ。オペレーションの構築

ここまで見る中で、ビズリーチのような人材マッチングサイトに重要なのは、ターゲットユーザーにとって、「転職先を探すときはビズリーチがいい」と認知させることだと思います。

その上で、デジタル広告やマス広告などの運営を行うマーケティング活動はビズリーチの成長にとって重要な活動かと。なので、マーケティングを外注することなく自社で運用していく体制を作っていっていき、運用からのナレッジの蓄積、次の挑戦・・・というプラスのループを作っていったのだと思いました。

もしもマーケティング担当だったら?

伸ばすべきところとして考えられるのは、「ユーザー数」「企業数」「人材会社数」「それぞれの単価」など。

高年収をターゲットにおいた場合、生息地域が首都圏に集中しそうなので、地方含め首都圏でのCMや電車広告をやっているビズリーチの認知度は高そうです。

そこで、認知していてまだ利用していない人を刺激するために、転職に関して本を書いたり、SNSで呟いて影響力を持っているインフルエンサーに自身のビズリーチの使い方(使ってる人の場合)をインタビューしてみるとかはどうでしょうか。特徴のある使い方がありそうですし、ツールへの利用を促せそうかなと。

また、なにか思いつく方がいれば、ぜひ聞いてみたいです!

以上です。

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