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デビさんのおばあちゃんの話

坂本龍馬を描いた舞台の2作品目が最初だったと思う。
長崎で日本初の株式会社と呼ばれる亀山社中を結成した坂本龍馬には長崎の地に愛人がいて、それがお元さんという女性だった。
台本に長崎弁があって、長崎の女ってね、しゃんとしてるんだよ。なんていう話が、デビさんのおばあちゃんの話の最初だった。

その後、何回、おばあちゃんの話を聞いたかなぁ。

印象的だったのは。
何かの公演で皆が反省して、下向きになってた時だったと思うんだけど。
完全にお前らより俺のおばあちゃんの方が元気だし若い!って言われたこと。その時にもう100歳は見えているような年齢で、その話を聞いてそんなに元気な90代がいるだなんて信じられない気分だった。
なんで印象的だったかと言えば、デビさんがおばあちゃんの話をする時になぜか少し嬉しそうだったからだ。

映画「セブンガールズ」には1つ謎があると思う。
その謎はきっとデビさんのおばあちゃんの話を聞けばすぐに理解できる。
この物語が生まれた一つの背景でもあるからだ。

デビさんのおばあちゃんが亡くなった話を聞いた時。
まだデビさんも信じていないんだなぁって思った。
そりゃそうだよ。一世紀以上も生きて、誰よりも元気だったんだから。
年齢的には当たり前のことなのにさ。

去年の9月末にセブンガールズは公開になった。
その時に来年の8月まで上映が続くなんて思ってもいなかった。
でも、もしそういう日が来たら。
そういう日を迎えることが出来たのなら。
舞台挨拶なんかで話してもらおうと思ってた。
おばあちゃんの話は絶対にしてほしいと思ってた。

5月に上映が終わると思ったのに。
応援してくださる方の願いが集まって、8月に復活上映が決まった。
そして続けざまに、初めて九州での上映も決まった。
多分、デビさんはおばあちゃんがいる長崎以来の九州に行くことになった。

だから、もし出来たらってお願いをしたんだよ。
おばあちゃんの話、送ってくださいって。
無理して頼むことじゃないけれど。
セブンガールズがこの日を何もなく通り過ぎることは出来ないもんね。

全部繋がってるよ。
繋がっていたんだよ。

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