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背徳感に勝る多幸感

人は何故毒を食らうのだろう。
アルコール、ニコチン、それだけではなく。
例えば薬と毒との違いは質量だけだったりもする。
香辛料や刺激物もある意味では毒だ。
殺菌効果の高い薬味だって毒と言えるだろう。
炎症を起こすほどの唐辛子を食べる人だっている。

人は肉体にダメージを自ら与えていく。
耐性を付けるためというだけではないだろう。
きっと本質的に死とは状況でしかなく、突然スイッチオフになるかのようなイメージをしている人もいるけれど、実際には徐々に死に向かっていくということを理解しているからじゃないだろうか。
誰もがなだらかに死に向かっていく。
社会的通念における死後も、毛は伸び、皮膚は生まれ変わる。
細胞レベルや、社会的存在や、文化的存在という意味では死は想像以上に遅れてやってくる。
毒を食らうのはそんな小さな死を実感していくことなのだろうか。

身体によいことをやり続けて。
ヘルシーな食事だけを摂り続けて。
なるべく体に悪いものは遠ざけて。
そういう生き方はそれはそれで素晴らしい。
それでいいのだよとも思う。
同じぐらい、体に悪いこともしてしまうようなことだって。
それでいいのだよでいいような気がしている。
自殺行為のような過激なことはともかくとして。

極端な健康志向はかえって不健康であると耳にしたことがある。
何をするにつけ、極端は不健康なのだろう。
歳を重ねれば自然と味の好みも変わっていくし、肉体が受け付けなくなるためのもだって増えていく。
そう思えば自然に自分が欲する食べ物を食べればいいのかもしれない。
僕も十代の頃からはだいぶ食生活が変わった。
カレーライスのおかわりもしなくなったし、脂っこいもので胸やけをしてしまう日もある。丼飯なんかもう食べないし、肉も赤身がうまくなってきたし、刺身は白身が美味く感じてきたりしている。酸っぱいものなんかが大好きに変化している。
まぁ、まだまだ変化もわずかなのだけれど、このぐらいはある。

そんなわけで。
アメリカンなでっかいチーズバーガーを食べてきた。
ザ・ジャンク代表。
今の僕にはあれかもなという嫌な予感は吹っ飛び。
なんだかパワーの塊を体内に取り入れたような感覚。
いや、毎日は無理だなと思うけど。
ジャンクフード。確実にこれは体に毒だろうな。
あっはっはっはっは。

まぁ普段はね。ヘルシーな感じも意識しているので。
たまあに、行っちゃうか的な感覚ですから。
塩分がーとか、カロリーがーとか、糖質がーとか、コルステロールがーとか、気になるやつです、はい。
でもまぁ。バランスだからさ。
その日に三食だったらあれだけれど。
夜は控えめにしちゃったりしているわけでして。

身体によいなんて1mmも思っていません。
うまそうだから喰らう。そう決めたら喰らう。
背徳感に勝る多幸感。

それでいいのだ。
満腹で幸せであった。

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