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Xデザイン学校大阪分校 1年間の振り返り

2018年4月から2019年の1月まで、Xデザイン大阪分校に研究生として参加していました。すみれ建築工務店の新しい”住まいの”ビジネスモデルとサービスを創るものです。

1月12日(土)に最終プレゼンを終え、講評としては「全くイノベーティブではない。ダメダメ」でした。プレゼンが終わって一番大きく膨れていたのは「どうしてこんなにも出来なかったんだ〜!?」という疑問。
そのどうして?と、この約1年間の気づきについて振り返りをしたいと思います。

《提案内容》
多額のローンを組んで住宅を買うことをしないミレニアム世代が、半月からお試しで住宅(賃貸)を借り、そこでの暮らしを確かめてことができるサービス。ユーザーはマッチングアプリを通して住宅を選ぶ。すみれ工務店はマッチングアプリに登録しているユーザーの傾向を吸い上げ、建築業界向けのイベント等でユーザー傾向を情報提供する。

《講師の皆様からのコメント》
・人と世の中に対する洞察が甘い
・今のリソースありき、足し算のビジネスモデルなので、全くイノベーティブじゃない
・誰が一番喜ぶのかがわからない。住み手側なのか、工務店なのか、ユーザーなのか
・世界中が集合住宅化になっていく、という利用シーンの変化を読み取れているか?

まさに図星としか言いようがなく、それが顔に出ていたのか、プレゼンの最中かなり俯き気味だったよ、と後から言われました…

ビジネス提案と、一年間の学びを通しての気づきは大きくわけて3つあります。
⑴学生の時との学びの違い
⑵目の前の作業と、全体像を行き来する視点
⑶必殺技を捨てたら自分がこんなに何も出来ない人間だと分かった

⑴学生の時との学びの違い
とにかく広い範囲の物事を深く洞察する力が必要だということ。学生の時の学びは「”人”を洞察し、インサイトを見つけ、新しい価値提案ができるサービスを作る(提案する)」もの。当時もCVCAやビジネスモデルキャンバスを書いたことはありますが、提案内容を補強するために作ったものでしかありませんでした。
ビジネス視点のインサイドアウト、ユーザー視点のアウトサイドインはどちらも大切であるという言葉は、毎回講義冒頭で浅野先生が仰っていたことです。
ビジネス視点だけが満たされていても使いたい人が居なければ売れないですし、ユーザー視点だけ満たされていても、社内の共感や実現する術がなければどこにも結びつきません。さらに、他社と比較する、未来の利用シーンの変化を見る、他業界でも汎用できるパターンを見つける…など様々な視点が問われます。

特に私には”世の中”に対する洞察力が必要です。
これは私が特に力不足を感じたことで、人生経験の豊かさ(ある程度多額のお金を掛けた)が顕著に現れるところだと思って居ます。
例えば今回のXデザイン学校では「工務店の新しいビジネスモデル・新しい暮らしのサービス」について考えましたが、私自身は大学までは実家、そして今は社員寮で暮らしています。私は、住まいに関するイシューを得るのに沢山悩んだり、理想とのギャップに怒ったり、お金をかけて経験したことが無いことから、住宅に関する長期的な体験の中に散らばるタッチポイントを理解できておらず、気づけばどこか薄っぺらいビジネスモデルが出来上がっていました。(これを理解するためにサービスエコロジーマップなどの手法があるのですね)

パターンランゲージワークショップの際にも感じた、”的確に語彙を選ぶセンス”みたいなもの。これを身につけるのには人生経験とはいかないまでも、今ままで読んだ書籍の数や、想いを言語化する訓練を日常的に積み重ねることが大切であると習いました。特に”言語化”の部分がネックだと感じます。これらを日常的に、楽しくできるようになりたい。

⑵目の前の作業と、全体像の把握を行き来する視点
自分達でサービスを考えれば考えるほど目の前のことに集中してしまい、「全体像を理解しようとする姿勢」を忘れてしまいます。思えば前半はそれが出来てたかもしれません。論理的に繋がりを理解し、目の前の作業とを常に往復するように意識したいところです。(散々グラレコで身につけたはずが…)

⑶必殺技を捨てたら自分がこんなに何も出来ない人間だと分かった
「一番の必殺技を捨てないと、これから成長は見込めない」というのは、私たちがビジネスモデルを考えていた時に浅野先生から頂いた助言です。
それを私自身にも当てはめてみると、私にとっての必殺技というのは、在学時の環境(ゼミやサークルのメンバー)であったと言えます。物事をあ・うんで理解しあえる環境に慣れすぎて、「これは同じ認識だろうな」と勝手に思い込んでしまいます。言語化と、伝えるコミュニケーションの努力を怠ってしまったことが一番悔しいポイントです。
Service Design Hong Kongに参加して一番に感じた、それぞれバラバラの背景を持つメンバーが認識を合わせるためにしつこく議論することを、これから私自身も実践していかなければなりません。共創の態度を身につけるってこんなにも難しいんだ〜〜と実感しました…

これからについて
・学生の時のような学ぶことに貪欲に向き合う姿勢をもう一度意識する
必殺技の話にもあったように、どんな環境でも学びに向かう姿勢を忘れない。
そのために、虎の巻的に省察をストックしていくこと、論理的に理解していることが大切。

・知識として新しく学問を学ぶ
UXの知識だけでは、これからのビジネスを考える上で不十分(むしろ今まで学んできたUXの知識すら正しいのか、怪しい)。

・学び得たことを普段の業務にきちんと活かす、業務から学ぶ
特に、収益の流れや市場の規模感などについて、私はどうも目を背けがちですが、それを一番肌感覚で勉強できるのは普段の業務だということ。

最後に
4月から大阪で暮らし始めてもう少しで1年が経ちますが、最初の一年にガツンと洗礼を受けることができて良かったです。この場がなければ、私は頭でっかちに学生の成功体験だけを元に仕事をしていたことと思います。自分の課題もたくさん見えてきました。正直、これからじゃあ具体的に何を学ぶべきか?という答えは未だ出ていませんが…
一緒に学ぶことができたチーム1st placeの皆さま、研究生の皆さま、受講生の皆さま、ありがとうございました。そしてご指導いただいた浅野先生、佐藤先生、本当にありがとうございました。この場でできた繋がりをどうか大切にさせて下さい。ひとまず一年間おつかれさまでした!これからもよろしくお願いいたします。

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