[野球] 2018年シーズン終了

 CS第一ステージ敗退で、日本ハムの2018年シーズンが終了しました。去年の5位から3位へと順位を上げ、最下位予想が大半だった下馬評を覆しての健闘、と言えるのかもしれませんが、そんな充実感など全くないのは、私だけではないでしょう。一時は首位西武にゲーム差ゼロまで肉薄したのに、8月以降に急激に失速して結局首位と13.5ゲーム、2位と7ゲームも離され、CSでも力差を思い知らされての敗退。上位の西武やソフトバンクが勝負どころの秋以降に大型連勝を重ねて勢いを増していったのと好対照でした。これが同じ3位でも終盤に追い上げての結果なら、先行きに希望も出てくるしCSも勢いをもって臨めましたが、完全に竜頭蛇尾に終わりました。CSで1勝できたのはできすぎだったと言えるでしょう。

 とにかく全てが力不足でした。

 まずは投手陣。チーム防御率はリーグ2位ですが、数字以上に中身はボロボロでした。

 高梨加藤有原といった実績のある先発陣がことごとくローテ失格。上原杉浦堀といったあたりが先発に抜擢され一時的には結果を残すもののローテには定着しきれず。10勝をあげた上沢も、CS第一戦の大炎上が示すように肝心の勝負どころで力不足を露呈し、到底「エース」とは言えない働き。かろうじて頑張ったと言えるのは新外人マルチネスと、谷間の先発や中継ぎなどで便利に使われたベテラン村田ぐらい。開幕投手に抜擢されたロドリゲスは来季への伸びしろを示したものの、ほかの若手・中堅がことごとく伸び悩み、来季以降の先発陣には大いに不安が残る結果になりました。投手コーチの手腕が問われるところです。

 ブルペン陣は抑えとして大きく成長した石川直也と、フル回転だった公文、ホールド日本記録を達成した宮西、そして中継ぎに転向して意外な適性を示した浦野あたりは頑張りましたが、鍵谷・井口は完全に伸び悩み。中継ぎで26試合に登板した新人西村はフェニックスリーグで先発に挑戦して結果を残しつつあるようですが、白村や田中豊樹はまったくの期待外れ。報道によれば宮西がFA流出する可能性があるようで、そうなると来季一気にブルペン陣は空洞化します。昨日のCS第3戦で見事に試合をぶっ壊してくれたトンキンが2年契約で来季も残りそうで、彼の成長(?)に期待するしかないというのも辛い。ブルペン勝負のチームだけにドラフトやトレードで即戦力投手の補強は必須ですが、そう簡単にいくかどうか。

 そして投手陣以上に悲惨なのが打撃陣です。チーム打率も本塁打も盗塁も、上の2チームに大きく離されての3位。数字以上にとにかく打てない。粘れない。チャンスで弱い。打撃コーチの責任は大きいはず。

 近藤が規定打席に到達し打率3位を記録したものの、その打撃技術からすれば、正直期待に十分に応えたとは言いがたい。中田は最低だった去年よりは成績を上げましたが、9月以降に打率1割台、本塁打わずか1本と低迷しチーム後半戦大失速の一因となりました。中田も来年は30歳。これから成績が大きく上向くとも思えず、今後も打率.250前後、本塁打25本前後という平凡な成績が精一杯でしょう。一部報道によれば今年もFA宣言は断念し残留の方向のようですが、彼にこのまま4番を任せていいのか。彼の場合は適切な指導が出来ないコーチ陣にも問題があると思います。首脳陣の判断が注目されます。そしてもう1人のチームの顔である西川は2年連続盗塁王を獲ったものの、打撃面では大きく成績を落としました。そろそろ殻を破って首位打者争いぐらいしてくれないと困る選手ですが、果たしてどうか。今年で契約が切れるレアードも成績が頭打ちで、本人は残留を希望しているようですが、チームとしてそうそういい契約条件が出せるわけもなく、今後の成り行きは不透明。本当はCSで来季覚醒の兆しを見せた横尾をサードの後釜として腰を据えて起用すべきと思いますが、フロントの判断が注目されます。

 チームとして来期以降に持ち越された大きな課題は二遊間の強化と清宮の育成ですが、これ以上の大きな伸びしろが期待できそうもない中島はともかく、後半戦に二塁定着の兆しを見せた渡邉は、そろそろ殻を破って大きく飛躍して欲しいところです。清宮はまだこれからですが、来季中田が残留なら一塁は塞がってしまうので、DHか外野しかない。ケガがちの近藤をDHに回したいので、そうすると外野ということになりますが、清宮は打撃以上に守備に課題の多い選手。西川・大田のほか淺間・松本など守備が良く、使いたい選手はほかにもいる。個人的には淺間にレギュラーに定着してもらいところですが……。そして捕手は清水が打撃面も守備面も期待ほどの成長がなく、このままでは来季もまた鶴岡頼りになりそうです。むしろ私としては石川亮に期待したいところですが、どうなるか。

 そして肝心の首脳陣は、栗山監督が来季も指揮をとる模様。あれだけ「オレが悪い」「オレの責任」と言い続けても、実際に責任をとるつもりはなさそうです。今年の後半は勝利優先というよりも育成に舵を切ったような印象もありましたが、その割に若手が伸びきれなかった感じ。東京オリンピック以降、つまり2021年に稲葉が監督に就任するのはおそらく既定路線なので、それまでは栗山監督が指揮をとりそうですが、永遠に再開発工事が終わらない渋谷の街のように、発展途上の若手をとっかえひっかえするだけの永遠の未完成のチームに終わりそうな気配も。

 そして一部メディアでは吉井コーチの退団が報じられていますが、投手コーチよりも打撃コーチの交代が必須と思いますがどうでしょう。フロントや栗山監督は自分たちの言いなりになるイエスマンではなく、ちゃんと理論と指導力があり実績もあるコーチ、具体的に言えば清宮をちゃんと指導できる人を招聘してほしい。吉井コーチがいなくなると監督の中継ぎ酷使にストップをかける人がいなくなりそうで、これも不安。

 まだまだ書きたいことはありますが、今季3位とは言っても来季以降優勝を狙うならあまりにも課題が多すぎる。ドラフトも含め、このオフのチームの動向が注目されます。

よろしければサポートをしていただければ、今後の励みになります。よろしくお願いします。