[野球] コーチングスタッフ決定

日本ハム 1、2軍コーチングスタッフ発表/一覧

[1軍]
◇監督 栗山英樹 背番号80
◇投手コーチ 吉井理人 81 
◇投手コーチ 黒木知宏 87
◇打撃コーチ 城石憲之 79
◇打撃コーチ 金子誠 88
◇捕手コーチ兼打撃コーチ補佐 高橋信二 78
◇内野守備・走塁コーチ兼作戦担当 白井一幸 90
◇外野守備・走塁コーチ 川名慎一 75 
◇ベンチコーチ 厚沢和幸 84

【2軍】
◇監督 田中幸雄 72
◇総合コーチ兼投手コーチ 伊藤剛89
◇投手コーチ 高橋憲幸 74
◇打撃コーチ 林孝哉 73
◇打撃コーチ 小田智之 77
◇バッテリーコーチ 的場直樹 82
◇バッテリーコーチ補佐 米野智人 70
◇内野守備コーチ 小坂誠 85
◇外野守備・走塁コーチ 紺田敏正 76
◇トレーニングコーチ 中垣征一郎 なし

 来季のコーチング・スタッフが決まった時点で何かを書こうと思っていたんですが、なかなか決まらず。吉井コーチの就任決定を受けてようやく発表です。吉井コーチへの就任要請がいつの時点でなされたのかわかりませんが、これは朗報と言えるでしょう。3年前の退任は投手起用を巡っての栗山監督との対立が原因と吉井コーチ自身も認めていたわけですが、ここにきての復帰は、来季は何がなんでも優勝を狙うというフロントの意気込みだと思います。栗山監督の投手起用、特に先発投手の交代が早すぎて、若手先発が育たず(今季のQS率はリーグ最低)、中継ぎは登板過多でシーズン半ばで疲弊という弊害が、特に今季のオールスター以降の急激な失速に繋がったことは明らかです。3年前の対立も、どうやらそれが原因のようですしね。また若手の先発がことごとく伸び悩み、一本立ちしたのが大谷ひとりという状況もあり、投手陣の立て直しを託すため、チーム内に新たな火種となることを覚悟の上で吉井コーチを呼び戻したのでしょう。それだけ彼の手腕が買われているということでしょうし、お互い経験を積み、前回のようなことにはならないという期待もあるんでしょうね。

 記者会見で栗山監督は、吉井コーチからもたらされるホークス内部情報に期待したい、と言ってましたが、ここのところ吉井コーチ、田之上コーチ、鶴岡、ウルフなど、ファイターズ出身者がホークスに引き抜かれる(という言い方は語弊がありますが)事態が相次いでいましたね。当然ライバルチームの戦力低下や情報流出を狙っての引き抜きでしょうし、今回の吉井コーチ就任で優勝への最大の敵であるホークスを裸にすることは情報戦として正しい。もちろんそんなことはホークスも承知の上。これから虚々実々の駆け引きが始まるわけです。

 ドラフトで大学・社会人の即戦力投手ばかり獲ったのも、将来を見据えて、というよりも来年に勝負を賭けるということでしょう。流出が確実視されていたメンドーサを残したのもそうです。もしかしたら大谷のポスティングも迫っているのかもしれません。栗山監督も来季が5年目。これで3年連続でペナントを逃していることもあり、大谷がいるうちに、何がなんでも頂上を狙いたい。優勝を手土産に勇退して大谷はポスティングでメジャーへ、栗山監督はフロント入り、後釜には稲葉新監督(かどうかわかりませんが)を迎える…というのがフロントの描くシナリオではないかと。

 また捕手コーチ兼打撃コーチ補佐に高橋信二を呼び戻したのも目立ちます。捕手失格になって一塁手に転向したのはファイターズ時代ですから、打撃コーチ補佐はともかく、なんで今さら捕手コーチ…と思いますが、こればかりはやってみないとわからない。信二も他球団や独立リーグで苦労して、指導者経験も積んでの古巣復帰です。本人のモチベーションは高いでしょう。そして彼のファイターズ復帰には、ここのところ、生え抜きの中堅やベテランを次々と放出し極度な若手偏重起用になって、古いファンのファイターズ離れが顕著になって観客動員が伸び悩んでいることも関係していると思います。私など信二の現役時代にはさんざん「バカシンジ!」とエヴァのアスカばりに毒づいていたものですが、やはり日本一の立役者のひとりである彼の復帰は嬉しい。

 それはそうと打撃コーチに金子と城石というのも意外。どちらも打撃の人という印象はまったくないからです。城石はヤクルト時代は守備走塁コーチ、今年はファイターズのファームで打撃コーチ。そこでの働きが認められたんでしょうか。金子は投手との駆け引きや配球の読みなどは長けているので、そのあたりの指導を期待されているのか。金子などはおそらく稲葉監督のもとでヘッドコーチ就任とかありそうなんで、それまでチーム内を把握しておいてくれという含みもあるのかも。

 ただし中田や陽といったスラッガーの指導がこのコーチ陣でできるのかという不安はあります。稲葉が打撃コーチ就任なら誰もが納得したはずですが、まだ早いということでしょうか。

 作戦担当コーチの白井さんとベンチコーチの厚澤さんの役割分担もよくわかりませんが、そこらへんはおいおい明らかになるでしょう。厚澤さんはスコアラーのあげてくるデータの解析が職務と聞きました。

 ファームでは、西武を戦力外になった米野が選手兼バッテリーコーチで入団したのが目につきます。要はブルペンキャッチャーも含むファームの便利屋というところでしょうが、もちろん彼が北海道出身だからということが大きいでしょう。デフェンスというよりオフェンスに特徴があり、捕手から外野手に転向したのは信二と同じキャリアですが、ファームの若手のいいお手本になればいい。

 さてこの布陣で来季のファイターズは戦うことになります。春季キャンプはアリゾナ。GAORAでは真夜中に連日の生中継を予定しているということで、今から楽しみですね。


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