ジョン・ライドンの自伝が爆発的に面白い。

ジョン・ライドン新自伝 怒りはエナジー(版元)
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 解説を書いたので、本ができあがってくるのが楽しみだったんですが、今日届きました。予想をはるかに上回る分厚さ、重さに笑いがこみあげてきます。総ページ数600近く、2段組に渡って繰り広げられるライドン先生の大独演会。この情熱と過剰さ。まさに先生の人生そのものですね。

 とにかくボリュームたっぷり、ベラボウに長い本で、ゲラを読み終えるまでが大変でした。しかしそれ以上に内容と文体のあまりに面白さに悶絶しました。この人が生まれてから現在に至るすべてが書かれていると言って差し支えない。圧倒的な情報量と豊かな語彙、ディテールの描写のリアリティ、衰えぬ情念と閃く知性、明晰な分析。ちょっとでもこの人に、パンク〜ニュー・ウエイヴに、そして英国のポップ・カルチャーや社会構造やワーキングクラスの生活実態に興味あるなら絶対に必読です。個人的には、これまでメディアで伝えられることがほとんどなかったPiL時代の活動を詳細に記しているのが興味深かった。詳細な索引も便利です。前著『No Irish, No Blacks, No Dogs』(1994年。邦訳『STILL A PUNK』)を読んだ人も必読ですよ。600ページ近い大著なので、たぶん寝っ転がって読むのは無理。本国だとkindleで出てるので、ちょっとは読むのが楽そうなんですけどね。GW中の読書はこれで決まり!

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