[映画評] vol.8 マーク・ウェブ監督『さよなら、僕のマンハッタン』4/14公開

『さよなら、僕のマンハッタン』試写
http://www.longride.jp/olb-movie/

 『犯罪都市』と同じ試写会場で続けて見ることに。どっちも満員の盛況で、前評判が高いみたいですね。

 現代のNYを舞台にした青春もので、ひとりのモラトリアムな青年がある出来事をきっかけに成長し大人になる。まあよくある話ですけど、人はいろんなものを失って大人になっていくのだなあとオッサンとしては感慨深かった。俳優の演技も過不足なし。なにより魅力的なのは、明るく美しい光と色彩で描かれるNYの町並みの描写。監督自身が言うように、実際のNYのリアルというよりは、こうあってほしいという「憧れのNY」を描いたらしいけど、何年に一度訪ねる程度のNY好きとしては、たまらないぐらい素敵な「観光映画」でもあった。主人公の女友達役を演じるカーシー・クレモンズがなかなかチャーミングなんだけど、彼女が監督から演技プランのために読むように渡されたのが、パティ・スミスの「ジャスト・キッズ」だということからも、どんな雰囲気の作品なのかわかるだろう。いい映画です。スイセン。

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