[野球] クライマックスシリーズ第2戦

日本ハム 4x-2 ロッテ

 最後は少しひやひやしましたが、なんとか逃げ切って、決着は明日の第3戦に持ち越しになりました。少なくとも明日までは野球を楽しめるわけです。

 誰もが驚いた、同点に追いついた直後のメンドーサの交代。わずか5回1失点71球での交代。尻上がりに調子を上げていただけに、あと2イニングぐらいは当然いくものだと思っていましたが、あれはファイナルステージでの登板まで見据え、消耗の少ない段階で温存したということなんでしょうか。しかしファイターズは初戦を負けているわけで、とにかく今日勝たなければ明日はありません。メンドーサをはやめ降ろしたところで、次の投手もいいという保証はない。まして交代した時点で勝ってるならまだしも、同点なのです。これを書いている段階ではまだ監督談話は出ていませんが、どんな合理的理由があっての交代なのか。納得のいく説明を求めたいところですが、案の定交代した谷元が昨日の2イニング登板の疲れが残っていたのかあっさり失点し勝ち越されます。もちろんこういうのは結果論でしか言えないわけですが、明らかな継投ミスです。

 このまま負けていたら、主たる敗因は監督の采配ということになるわけですが、7回から登板した有原の見事なピッチングが流れを変えました。私は2006年シーズン、最終順位を決めたレギュラーシーズン最後の試合でダルビッシュがリリーフで出てきたときを思い出しましたが、あの時のような力で圧倒するキレキレの投球。ダルビッシュの時と同じように、これが有原覚醒のきっかけになるかもしれない。そして回またぎの2イニング目、鈴木大地の左中間に抜けようかというライナーを、代打に出てそのまま左翼に入っていた矢野がスーパーキャッチして、流れが一気にファイターズにきます。岡の代打の代打で矢野を出した関係で淺間を無駄遣いしてしまったので、矢野に守備固めを出せなかった。西川あたりが守っていて、あのファインプレーが出たかどうかはわかりませんが、とにかく有原の好投と矢野のスーパープレイで、その後なにかが起こりそうな雰囲気になった。

 そしていつもは盤石の投球を見せるロッテ大谷がいきなり賢介に四球を与えたのは、おそらく球場の雰囲気に飲まれてしまったのではないでしょうか。近藤が必死のプレーでつなぎ、レアードのフェンス直撃2ベースでまず同点。一打勝ち越しの場面で回ってきたのは矢野。ここで代打大谷で一気に勝負をかける選択肢もあったと思いますし、そうすると向こうも左の藤岡あたりを出してくるでしょうから、勝負はどうなったかわからない。ですが栗山監督は、さきほどのスーパープレーで気持ちが乗っている矢野を、右対右とはいえそのまま打席に送った。同点に追いつきイケイケの場面、しかもランナー2,3塁で併殺の心配をしなくていいから思い切っていける。こういう場面での矢野の勝負強さは我々もよく知るところです。ランナーのいない場面と、ここで打てば試合が決まるという重要局面では、集中力がまるで違う。たぶん勝負は初球で決まると思ったら案の定、詰まりながらもライト前に落としてあっさり決めてくれました。何もしなくていいところをわざわざ動き、挙げ句は継投ミスでチームを崖っぷちに追い込んだ栗山監督が、今度は矢野を信じて動かなかった結果、チームを勝利に導いたわけです。勝負の綾はいつも紙一重です。

 あしたは涌井と吉川。しかし涌井うんぬんより、吉川が試合を作るような投球ができるかどうかだと思います。ミスなく終盤まで2点差以内の接戦に持ち込めば、ホームの利がモノをいう場面もあるでしょう。パリーグCSファーストステージで初戦を落としたチームがセカンドステージに勝ち進んだことは過去に一度もないそうですが、そんなジンクスを気にしても仕方ない。全力で応援しましょう。

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