[野球] 3/1 オープン戦 対ジャイアンツ 観戦記

ジャイアンツ 10 - 2 ファイターズ

 いくらオープン戦とはいえ、今年初めてのホーム札幌のゲームで見せ場もない惨敗。悪天候の中、足を運んだ現地のファンが気の毒です。投・攻・守、どれも課題山積みの試合でした。なにより、チーム全体に漂うなんとも覇気のない無気力な感じは、なるほど大野の言う「闘争心、勝負への執念の欠如」とはこれかと思わされました。

 まず投手。先発ローテの一角と目される新外人バースが、四球をきっかけに、ヒット、ヒット、ホームランであっという間に4点を奪われ出鼻をくじかれます。高めに浮き、ど真ん中に入ったストレートを狙い打ちされての失点。これで目が覚めたのか、以降は立ち直り、無失点に抑えました。1回はストレートの球速が140キロ台、2回以降は150キロを連発、球速もタマのキレも別人でした。1回は単に日本の打者を甘く見て力を抜いていたのか? 本人は「緊張で投げ急いでしまった」と言っていたようですが、いずれにしろ評価は次回登板に持ち越しです。
 がっかりさせられたのが斎藤です。4回は走者を出しながらなんとか抑えました。打たれたヒットも詰まった当たりで、なんとかこのまま無難に終わってくれたら、と思っていたら、続く5回はヒット4本を集中され4失点。味方の2失策にも足を引っ張られた形で、特に賢介のエラーの場面は無難にさばいていればゲッツーでチェンジ、無失点で終わっていただけに気の毒な面もありますが、その後踏ん張りきれず、失点を重ねた脆さはプロで何年も飯を食ってきた投手とは思えません。4回と違い、ヒットはすべて甘く入った棒球を見事に捉えた当たりばかり。はっきり言って今の斎藤の実力はプロの一軍の水準に達していないと思わされました。1イニングなら誤魔化せても、長いイニングは無理です。明日にでも荷物をまとめて鎌ケ谷に帰り、一から鍛え直す必要があると思いますが、今までの栗山監督の(あるいは、ファイターズ球団の)斎藤の起用法を見ていると、今後数回チャンスを与えられ、一度でも好投すれば開幕一軍の可能性は十分あると思います。その温情に斎藤が応えてくれればいいですけどね。
 斎藤の次に出てきた新人・井口の投げっぷりの良さには惚れました。ぐいぐいストレートで押してくる強気の投球は、ちゃんと打者と戦う気迫に溢れていて、斎藤とは好対照でした。新外人マーティンは目の前でバースの大炎上を見て気が引き締まったのか、走者を許しながら無失点。これも評価は次回登板に持ち越しです。谷元はさすがの貫禄。増井の2失点は試合全体のダラダラした空気に飲み込まれてしまった感もありますが、増井ほどの実力者では言い訳にもなりません。

 打つ方もどうにもしまらない。印象に残ったのは新人の横尾だけ。どん詰まりを力で持っていった2回のヒット、ボール気味の外角低めチェンジアップに食らいついてセンター前に落とした4回のタイムリーと、ヒットの内容がいい。また石川慎吾は守備で危なっかしいプレーがありましたが、打つ方では大いにアピールしていました。しかしそれ以外の選手は精彩なし。全体に調整の進み具合が、ジャイアンツに比べ大きく遅れている印象です。特に中島の元気のなさは深刻。シーズンに入ってこのまま今の打撃不振が続くようなら、起用法も考え直す必要があります。

 そしてなんといっても情けないのが守備。中島、賢介、レアードと、ボロボロやらかして、白井コーチも怒り心頭でしょう。天然芝の名護から、守備の楽な人工芝のホーム球場に戻ってきてのエラー連発は、気の緩み以外の何ものでもありません。いくら打たせてとるゴロピッチャーをスカウティングで集めても、守備がこうボロボロやっては何の意味もありません。

 残念ながら、今日の試合の結果が、そのままファイターズの現在のチーム状態だと思います。全体の調整遅れは明らかで、覇気も伝わってこない。新人2人ぐらいしか目立つ選手がいない。あしたも札幌ドームでジャイアンツとオープン戦ですが、せめて地元のファンが恥ずかしい思いをするようなだらけたプレーだけはやめてほしいものです。

 

 

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