ハイレゾ配信は本当に「音楽業界の希望」なのか?

「ハイレゾ音源が伸長」moraにおける2015年の音楽配信トレンド

 中でも、ハイレゾ音源は、ダウンロード数315%、配信楽曲数259%、売上241%と大きな伸びを見せている

 ハイレゾ関連は音源販売だけでなく、ハードも売れてるらしいですね。オーディオ業界にとっては唯一無二と言っていい売れ筋/成長商品でしょうし、音楽業界にとっても先行きの希望のひとつ、なんて一部の専門家の見方もあるようです。ですが、どうかなあ。私は少し懐疑的です。

 配信楽曲数が去年と比べると圧倒的に増えたことは確かです。ですが、ポップ・ミュージック関連の多くは(こう言っては失礼ですが)あまりパッとしないB級なJ-POPと、昔のアイドルポップスの再発みたいなのばかりで、本当に強い大物邦楽アーティストは新譜も旧譜もなかなか出ないし、たとえば通常ヒットチャートの上位に来るようなヒット作も、ほとんど出ない。そして洋楽も、出るのは旧譜ばかりで、新譜は発売タイトル数自体きわめて少ないから、見た目の売り上げ数ほどハイレゾが世間(一般の音楽ファン)に浸透しているとは思えないのです。

 ビートルズがストリーミング配信に踏み切ったことで、世の中のストリーミング配信への流れは決定的になったと言えそうです。お手軽リスニングのストリーミングの対極にあるものとして、ハイレゾは有望ではあると思うし、もっともっと普及してほしいと思うけど、そのためにクリアしなきゃならない課題は多い。サザンやミスチル・クラスの大物が参入し、洋楽の新譜がもっとコンスタントに出ること。もちろんビートルズも。ハイレゾ音源はCDよりも通常DL配信よりもずっと割高なんだから、まずはCDと同じ付属物、つまりブックレットのpdfと、歌詞対訳・解説の同梱から始めないと。誰もがストリーミングに流れてCDを買わなくなりつつある中、CDよりも高額なお金を払ってハイレゾを買っているのに、CDよりもしょぼい付属物しかついてこないのは理不尽です。私自身、仕事等でさんざんハイレゾを持ち上げてきたし、いち音楽愛好家としても、その優位性は確かだと思いますが、このままだとハイレゾは一部オーディオマニアの嗜好物で終わってしまう危険性もあると思います。

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小野島 大

オーディオ・ヴィジュアル

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