[オーディオ] Astell&Kernの超高級ポータブルプレイヤー「A&Ultima SP1000」を試聴する。

Astell&Kern「A&Ultima SP1000」ステンレスモデル、7月7日に発売。約50万円

アステル&ケルン、第4世代DAPの旗艦機「A&ultima SP1000」を7/7に発売。ステンレス筐体で50万円

 情報が出ましたね。これ、実はしばらく前にメディア関係者向けのお披露目で内々に音を聴かせてもらったんですが、情報解禁になったので感想など書いてみます。

 とにかく腰を抜かすほど音が良かった! 同社のAK380という、現在のフラッグシップモデルとの比較試聴もしましたが、これを聴いたあとにAK380を聴くと、笑っちゃうほどしょぼかった。これはたぶん、誰が聴いてもわかるぐらいの歴然とした違い。AK380は2年前に出た機種で、当時はその音のけた外れの良さが評判となったものですが、わずか2年でここまで劇的に音が変わるとは、この分野のテクノロジーの進化は凄まじいですね。新世代のDACチップの恩恵が大きいと思いますが、オクタコアCPUとか、各部のブラッシュアップも寄与していると思います。


 そしてさらに驚かされたのが、ステンレス・モデルと銅(コッパー)モデルが、明らかに音が違うこと。ボディの素材が違うだけでそんなに音が変わるのかと思われるかもしれませんが、パッと聴いてすぐわかるぐらい違う。一言でいうと、ステンレスモデルはシャープで立ち上がりが速くて切れ味のいい、すっきりした音。銅モデルは柔らかく温かく厚みのある濃厚な音。ニルヴァーナの「Smells Like Teen Spirit」で聴き比べたら、銅モデルの方がエレキの音が分厚く骨太で良かった。でもテクノとかエレクトロニカみたいな音楽はステンレス・モデルの方がいいですね。ステンレス・モデルはちょっと音が固い感じがあって、長時間聴いてると少し疲れるかもしれない。ただしこれはエージングで多少変わってくる可能性があります。聴いた人の中でも好みは二分されているようで、どちらが上ということもない。ただいずれにしろこれらの違いは2機種を並べて聴き比べて初めて気づくことで、それだけ聴いてたらまったく気にならないレベルでしょう。とにかく凄いです。


 問題は価格で、50万円はそうおいそれと出せる金額じゃないですよね。こんな高額のポータブルプレイヤーなんて紛失や破損を考えたら恐ろしくて持ち歩けないですが、AK380と同様、DACやネットワーク・プレイヤーとしても使えるのがミソ。今回DACとしては試聴できなかったですが、AK380もDACとして極めて優秀だったので、期待できる。同価格帯の据え置き型DACにもひけをとらないでしょう。


 AK380を持っている人は、当然買い替えるべき。買い替えない理由がないです。他社の高級ポータブル/プレイヤーを持ってる人も検討に値するでしょう。コンパクトで性能のいいDAC/ネットワーク・プレイヤーを探している人も。いいなあ。欲しいなあ……

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