[野球] 清宮、超大物の貫禄。

日本ハム 3-3 ヤクルト

 昨日のオープン戦は平沼のホームラン、太田のタイムリーなど若手の活躍が目立ちましたが、清宮は2回打席に立ちいずれも四球でした。高卒ルーキーが実戦2試合目でいきなり四球2つって、なかなか見ないですよね。いずれも追い込まれても焦らず、じっくりボール球を見極めていたあたり、もうプロで何年も実績を残している一流打者みたいな落ち着きでした。

 最初の打席は相手投手が最初から逃げ腰で、格の違いを見せ貫禄でもぎ取った感じ。

 2打席目はストライクゾーンからボール球になる変化球で執拗に攻められるも、くさいところはファウルで逃げ、ボール球は悠然と見逃し、ストライクゾーンに来たタマのみ鋭いスイングで振りにいく。とにかく選球眼が抜群に良いし、打席で落ち着いている。

 解説の石井一久は「清宮は四球をもらい慣れてる」みたいなことを言っていましたが、中学生の頃から全国的に知られた強打者で、相手も最警戒モードで四球も覚悟の上で攻めてくるわけで、そんな中で高校通算本塁打記録を作るなど実績を積み上げてきた。若い選手ならとにかく結果が欲しくて、打ちたくて打ちたくて仕方がなくて、なんでもかんでも振りにいく……というのが普通。そこで低めに落ちる変化球の格好の餌食になってしまうわけだけど、清宮はそういう意味での「若さ」が全然感じられないですね。若さゆえ、未熟ゆえの焦りがなくて、高校生にして既に「大人(たいじん)」の風格があって落ち着いている。キャンプの話題を独占する超大物新人。相手もコイツにだけは絶対打たせないと力を込めてくるわけで、そんな中で貫禄すら感じさせる2四球。現役時代の王貞治も、その並外れた強打ゆえ、やたら四球の多い打者だったけど、清宮もまた、打席での振る舞いはまるでプロでタイトルをいくつもとっている強打者みたいでした。

 これでオープン戦(というか実戦)3打席で2四球1三振。まだフェアゾーンに打球が飛んでない。キャンプではケガでロクに打撃練習ができず、振り込みが足りていないのは明らか。なのでなかなか打球が前に飛ばないのだと思いますが、それでもスイングは速くて、しかも柔らかい。パワーだけでなく対応能力も高そう。慣れてくれば必ず打ち始めるはずです。もちろん欠点弱点はあるんだろうし、ここまで3打席、育成や新人など実績のない若手投手が相手。本当の一流投手が本気で投げてきたらそう簡単にはいかないはずですが、超大物ぶりは、この日の四球2個で十分に伝わってきました。この記事を見ても、精神面だけでもちょっと並みの高校生とは違う感じ。もう楽しみしかないですね。


よろしければサポートをしていただければ、今後の励みになります。よろしくお願いします。