無理の違和感がなかなか捕まえられない

スカルパが言うように綿密に計画されたシーン展開には厳かな感覚の中に楽しさを引き出す仕掛けが盛り込まれている。

その綿密に計画された建物は、今写真を見ると少し重たく、無理をしているように見える。

カルロ・スカルパ考 古谷誠章より

スカルパの優れている点は全部バラバラなのにそれが統合されてひとつの調和をもたらしているということです。これこそが私たちがつくらなくてはならない都市や街の景観のひとつのヒントだと思います。今の時代に私たちがいかに都市景観をよくしようとしても、すべての人が同じ種類のコードでものをつくることは不可能です。

その不可能性を強く感じるのだ。(本当は体験してみないとほとんど分からない部類の建物だと思いますが。そして僕は体験していない。そこにあるギャップを感じてみたい。)

なんてことは、ここでは書かないつもりだったのに。

僕の元記事自体が無理をして書いていて、結局そこには何も書いていなかった。

今読んでる本には、そういう無理の正体に迫ることを期待している。

無理の生み出す質感と空気。頭では「良さそうなのに」と思いながらも、その僅かな違和感は身体の奥底で静かにくすぶっていて、なかなか捕まえることが出来ない。



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