せめてぽかぽかと気持ちの良い日で

4月某日

近所に住んでいる友達と久しぶりにのんびり散歩する。駒場公園という、家の近所にあるあまり知られていない公園に行ったら桜がちょうど激しく舞い散る頃で、桃源郷のような景色で笑ってしまった。

その後、近所のカフェに入って話をしているときに、ふと教育の話になって、うちの母親の話になった。

私は去年の夏に転籍をして(籍を抜くこと)、現在は親とはほとんど関わりを持たずに生きているのだが、20代後半くらいまでは本当に大変で、その時のことはあまり思い出したくないので、人に話すこともほとんどない。

恋人にも、親しい友人にも、一度も話したことがない。

どうやって話したらいいのかもわからないし、もう解決したことだ、と自分で思いたいからだ。

けど、その人が発達障害児の支援サービスをしていることもあり、あまりに春の陽気がおしゃべりを誘うので、この時はつい、とめどなくぽろぽろと話してしまった。

「まあ、殴る蹴るは当たり前としてさ、お母さんはさあ、娘にどうしても自分より幸せになって欲しくなかったの。

例えばさあ、誕生日の夜に、楽しく友達に祝ってもらって嬉しい気持ちで帰ってくるとするじゃない?そうするとさ、

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小野美由紀

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小野美由紀

文筆家。著書に銭湯を舞台にした青春小説「メゾン刻の湯」(2017.2)「傷口から人生。メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった」(幻冬舎文庫、2015年2月10日発売)絵本「ひかりのりゅう」(絵本塾出版、2014)など。http://onomiyuki.com/

それでもやはり、意識せざるをえない(小野美由紀のマガジン)

作家小野美由紀によるエッセイマガジンです。タイトル通り "それでもやはり、意識せざるをえない” 物事について、月に5-10本程度配信します。日々のエッセイ、恋愛、性愛、家族、また書くことについて、作家という職業について、ジャンル問わず本気でおすすめしたいもの・こと、お店、本...
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