その記事は”共感”系か、”世界観”系か?

佐々木俊尚さんと久しぶりにお話させていただく。面白かったのが、「ウェブで最後まで読まれる記事とはどういうものか」ということと、「あらゆる文章は”世界観”系と”共感”系に分かれるよね」という話題。


以下、思い出せる限り、書き起し。


「今まではさ、ウェブでは2000字から3000字くらいの短い記事の方が読まれるって言われてたけど、最近アメリカでは、1万字くらいの記事でも読まれるよね、って言われていて。


これまでの文章の運びっていうのはさ、”起承転結”って言われてたけど、最近の読者は、最初が面白くなければ”転”まで読んでくれずに離脱するじゃない。長々としてつまんない"起"、動きのない”承”を経て”転”に至る、そこまで辛抱強く待ってくれる読者が少なくなった。
最近は音楽なんかも作り方が変わってきていて、みんなYoutubeで聞くから、サビから始まる曲が格段に増えたんだけど、それと同じで、ウェブの文章も、まず、インパクトある掴みがあることが何より重要。それから起承・・・って始まる。読者はさ、そこまで来たらあとは惰性でスクロールしてくれるからさ。"ダラダラ読み”してくれるんだよ、最後まで。うまい落語と一緒だよね。面白い枕で掴んで、あとは自然な流れで話に引き込む。あとは文体だよね、運の良い文体で書かれているかどうか。
掴みと文体によって、無事にそのダラダラ読みゾーンにまで読者を持ってこれたら、あとはおしまいまで読んでもらえるじゃない。

ケータイ小説とかまさにそれで、昔のガラケーってカチカチスクロールしてるうちにどこまで読んだかわかんなくなってきて、単純な話でも結局最後まで読んじゃうって仕組みに自然となってたんだよ。

そういう文の書きかたを意識しているものは読まれるよね」

ふーむ、じゃあ、ダラダラ最後まで読めるように、始まりを工夫してあとは文体とリズムで掴む、ってことかぁ。一方で、ダラダラ最後まで読んだ文章が心に残るかって言ったら必ずしもそうじゃないよな、あと、シェアボタンが最初と最後しかないメディアの場合、最後まで読んでも結局終わりが心に刺さらなかったらシェアしたいと思わなくない?など、いろんな疑問が浮かぶ。

佐々木さんと文章を書くことについてお話するのは刺激に満ちていて面白い。書くことについて奥深い話ができる人とお話することで、どれだけ救われていることか。

彼が言っていた、興味深いことの二つ目は
「その文章は”共感”系か、”世界観”系か」という話。

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小野美由紀

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小野美由紀

文筆家。著書に銭湯を舞台にした青春小説「メゾン刻の湯」(2017.2)「傷口から人生。メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった」(幻冬舎文庫、2015年2月10日発売)絵本「ひかりのりゅう」(絵本塾出版、2014)など。http://onomiyuki.com/

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