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住まいに潜む物語 第一回 孤高のキッチン

※このエッセイは以前「cawcamo」さんに掲載させていただいたコラムの転載です。(2015年4月初出)


キッチンに立つ男というのは、なんてセクシーなんだろう。

相手の素の顔を見た、と思うのは、高級レストランでワインを傾ける瞬間でも、スポーツ観戦に付き合って、子供のように喜ぶ様を横目で眺めるときでもなく、素足でキッチンの前に立つ、あの姿を見たときだ。


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