勇者刑に処す6巻感想 2024/04/21

もはや勇者刑の感想でしか動かさないアカウントになってきた。まあ別にいいんだけど。

全体としては、既刊ほど構成の変更がなかった分細かいところの変化がたくさんあって非常におもしろかった。新しい登場人物たちもWeb版よりキャラ立っててよかったなー。

以下めちゃくちゃネタバレあります!!!!!!







・憂鬱なる禁猟全カットじゃなくてよかった。シグリア団長、美しすぎませんか? 聖印の関係で光学は発展してそうだし、眼鏡ヒロインはもっと居てもいいんじゃないかと思う。

・ジャンタレイさん、あのジェイスに「魔王を倒して恩赦を勝ち取る」と明言させかけてるのすごいよな。本人は無意識だろうけど、相手のプライドを的確に刺激して行動に移させる器があるというか。夜鬼って全体的に誇り高そうだし、この資質でうまくまとめてるんだろうね。

・フサルメさん、ドッタが活躍したせいでWeb版より救いがない状況なのかわいそうだな……。自業自得以前にもう詰んでる。

・暗黒円卓会議はなんぼやってもいいですからね!

・世界経済を傾けるレベルの総力戦かつ分進合撃作戦、リュフェンさんの言う通り博打すぎてゾッとする。聖印での通信がある分連携の精度は高いにしても……。まあ生存競争だからやるしかないけど、心労ヤバそうだな。

・リュフェンさん、自分の影響力に無自覚なのはザイロにちょっと似てるよな。能力への自負はあるみたいだし、あえてそこから目を背けてるところもあるのかもしれないけど。それはザイロもだいたい同じか。

・「英雄」ザイロ・フォルバーツがいろいろな人達の心に火を灯していく、っていうのは特に書籍版全体で強調されてる要素だと思うんだけど、リュフェンさんだけは「親友」ザイロ・フォルバーツの言葉をずっと持ってるように見えるんだよな……。熱ィぜ。

・聖女ユリサにセネルヴァ様の能力について軽く指南するところ、何気ないけどWeb版の構成のままだと起こり得なかった結構重要なシーンだよな……。

・5巻の感想(https://note.com/onoshiro72/n/nf949d5369639)で書いたけど、コルマディノ総督と戦う過程でザイロの過去に対する思いが少し整理されたんじゃないかと思ってて、それを象徴するシーンだったんじゃないかなと。緊急性が高い戦闘時ならともかく、こんなにさりげなくセネルヴァ様の能力について語ることはできなかったんじゃないかな。5巻までのザイロなら。

・ビュークス団長、自分が世界最強と断言してるのは予想通りだったけどザイロのことを世界2位と明言してたとは……! 書籍でカットされた探偵女神を読んだ時も思ったけど、ビュークス団長って人間味のないフラットな評価を下す分ザイロに対して優しいかのように錯覚するよな。

・ザイロの人格面の評判が悪すぎるからそう見えるだけだけど……。誤解もあるけどほとんどは実際の自業自得だしな……。亡国の王族出身のグィオ団長への地元イジリとか普通にめっちゃ失礼! 本人は「冗談が通じねえ野郎だ」ぐらいにしか受け止めてないし……。

・ところで個人戦闘力が激減してる今のザイロに対しても世界2位の評価は据え置きなんだろうか。これは質問コーナーに投げてみたいけど余計かな……。指揮能力とか精神力は全くブレてないからそのままのような気もするし、雷撃印群の分無慈悲に割引されてる気もするし……。

・ジェイスの自己認識が「ドラゴンに育てられた人間」じゃなくて「空も飛べないし炎も吐けないがその分器用なドラゴン」なのちょっと切ないよな……。本質的には否定から入ってしまってるわけだし。

・イリーナレア様の召喚物、正式名称がわからない設定に変わってた。ずいぶんオシャな名前がついてるな……。Web版ではセネルヴァ様が呼び出した地下鉄も出てきたけど、そっちも変わってるのかな。

・ゼハイ・ダーエ海賊団かなり強化されてるな……! 確かにこんな状況で海賊やるにはこれくらい能力盛ってギリなのかも。

・樹鬼ってもとは獣の女神の召喚物だったんだ!? 獣と言っても哺乳類以外も召喚できるのか……。

・そもそも獣の女神と第七聖騎士団って高速輸送補給部隊ってことくらいしか設定出てないからまだ謎が多いよね。パーチラクト出身者がトップだし特別な騎兵部隊なんだろうけど、召喚した家畜を繁殖させて食料にするみたいなことも可能なのかな? 胎生生物は召喚持続時間が保たないのかな……? シグリア団長も美しいし今後の活躍が楽しみだ。根拠地と補給線が確立できたらいずれ前線にやってくるだろうし。

・「人を殺す覚悟のことを、強さなんて呼ぶな。お前には必要ない」優しいいいセリフだな……。

・トヴィッツの試み、ヤバすぎる……!

・知性フェアリーってよっぽど例外的な存在かと思ってたけど、今までは淘汰されてただけだったのか……! じゃあ魔王の支配領域で本気で保護し始めたら300なんてすぐ揃っちゃいそうだな。「兵士として体系的に訓練する」「軍隊として編成する」という概念を魔王側に持ち込んでるの、利敵行為どころじゃなく世界終わらせにかかっててすごい。目的地まで歩くとか戦う訓練は必要ないから、立哨の訓練重点なのもおもしろい。

・5巻で7110部隊が出てきた時も書いたけど、やっぱ共生派の存在意義ってなくなってきてるよな……。もちろんはじめから名目だろうけど、それすらなくなってきた。

・魔王でも聖女って成立するのかよ……! これもまたヤバすぎる。最初女神を作った人、後の人間が聖女を作った時頭抱えたんだろうな。「人が必死こいて作り込んだリミッターを外しやがって……!」って。

・しかも大地の女神の能力が防衛側に有利すぎる。

・あと一柱は月の女神だっけ? 能力よくわからないけど、太陽の女神の対で夜を司るような能力だったら大変なことになるな……。特にビュークス団長と第十一聖騎士団にブッ刺さりだ。

・性格的な個性を持つ魔王もどんどん出てきて、「人類の敵」というよりは「新人類」の雰囲気を帯びてきてるよな……。生存競争はさらに加速する……。

・『密約』の聖痕とタウラウ・ユムの聖炉、どっちも戦略級ユニット過ぎるだろ!  国家統一のどさくさで失われなくてよかったな……! 

・スアン姫、Web版だとちょっとキャラ薄かったけどグッと濃くなったな……! 表面的な言動は変わらないけど、王族としての演技力と素の性格にギャップあるの、非常に萌えだ……!  詰んでる状況にギャーギャー言いながらサバイブする気だけは失わないのも非常に素敵。

・ていうか正直好みのキャラ付け過ぎてフレンシィさんいなかったらここで首位に躍り出てた可能性すらありますね。

・テオリッタ様の主張が「懲罰勇者部隊の人間は実は悪い人間ではない」じゃなくて「贖罪としての戦いに本気で取り組むができる人間たちなんだ」っていうロジックなのいいよね……。

・パトーシェが思ったように実際にそうかは別として、ただ仲間に甘いんじゃなくて女神として許しを与えてるのがカッコいい。生体兵器を超えて、本当の女神様に成長しつつあるんだと思う。

・ザイロの教官、一体何者なんだ……。最新鋭の雷撃兵を運用する戦術を考えた人だとすれば、それこそノルガユ陛下クラスの、共生派に殺されるか勇者になってもおかしくないレベルの天才だと思うけど。聖印を内蔵した兵士の発明からゼロイチでエアランドバトルまで辿り着いた人かもしれないってことでしょ? 今後登場するのかな。砲撃都市ノーファン編で過去の掘り下げがあるんだろうか。

・密約の聖痕、口約束でも発動するのめちゃ強いな……。右肩上がりになってる魔王側の知性を逆用できるんじゃないか。

・勇者刑の条文にある恩赦の履行についても実際どうなるかは今のところ見えてないけど、密約の聖印を工夫すればなんとかなるんじゃないか? もしそうなら、スアン姫は本当にめちゃくちゃ最重要キーパーソンということになるな……。

・どんなに貴重で強力でも守りにしか使えなくてみんなを消極的にしてしまうアーティファクトなら迷わずブチ壊すザイロ、猛将すぎる。水瓶を槍で叩き割った柴田勝家みたいだ。あんまりそのタイプが主人公になってることって無いから、それも勇者刑の魅力の一つだと思う。

・ブチギレて鬼電入れてきてるジェイス、怖すぎる。

・Web版よりさらにキレてるし、逆らったら本当にスアン姫を殺害してたんだろうな……。ザイロ(国宝損壊)が優しいほうの警官に見えるくらいキレてるもんな……。

・ぶっ倒れるその瞬間まで戦い(あといつでも信頼できる親友)のことを考えてるザイロだけど、それが結果として海賊の皆さんの命運を救うことにもつながってるわけで……。なんか、根っから英雄って感じですよね。

・味方との不和、読者視点だと「なんでだよ!!!」って感じだけどどうしてもこうなっちゃうよな……。軍司令部と貴族の私兵と神殿直属の聖騎士団で系統が3つもある連合軍なわけだし。マルコラス総帥もまあクソ野郎だけど利益代表者のポーズがめちゃうまいだけと言えばそうでもあるしな。数々のフェイルセーフを仕込んで女神という生体兵器を人類の味方として仕上げた人と、それを運用するシステムを宗教と絡めて不可侵にした人、どっちも有能だけど現状見たら卒倒するだろうな。それか「あー、こうなっちゃったか…… わかってたけどね……」ってなるかだな。

・グィオ団長、ザイロのことガチめに嫌ってるけど自分も従姉に普通に嫌われてるのなんか面白いな。

・魔王ブリギッド……。魔王に「自分に与えられた役割を演じきる」という概念があることには素直に驚いた。知性が高いと言っても真社会生物みたいなもので個々の人間性みたいなものはないのかと思ってた。魔王の王の言葉を借りてとのことだけど、やっぱり現生人類に成り代わろうとしてるのかな……。

・でもそれだと、「人間に対して凶暴な魔王を演じる」理由にはならない気がする。魔王の社会の中で演じるんじゃなくて、これから滅ぼすものたちに向けて誇示するというのはどういうことだろう。まあこれは先々わかるだろうから焦る必要ないか。

・魔王の王がトヴィッツを評して言った「世界を面白くする」というのは、ロウツィル殿下がノルガユ陛下を作り出すときの「もっと何か別の、くだらない、しかし血の煮えるような物語のためだ。」という気持ちと共通するものがあるような気がする。

・人間には人間の、魔王には魔王の物語があるということか←何も言ってないのと同じ。

・でも勇者刑アニメのティザーPVも本のカットから始まってたし、「物語」という要素はすごく重要なんだろうな。そしてそれは人間だけじゃなく魔王も同じということか。書籍版で追加されたブージャムも「知性」だけではなく「物語」を持つ魔王ということなのかもね・

・パトーシェ、テオリッタ、ザイロの関係模様について「アホか、こいつら」とこぼすジェイス、さすがに進んでる男と言わざるを得ない。パトーシェがザイロにおかゆを作ってあげたようにジェイスもニーリィに初めてご飯を作ってあげた日もあっただろうし、それはもう結構昔の話だろうからね……。

・統べる氷汐マーヌルフの挿絵、マジで爆笑してしまう。こんな顔でこんな仕草してる男が何も考えてないの、全身全霊が詐欺師すぎるだろって。DNAがウソの形をしている。

・「不愉快になるんだけれど!」激萌えすぎますってこれは。フレンシィ・マスティボルト嬢、Web版でも加筆版でもツボを外すところが一個もなくて困ってしまう。絶対無理だろうけど、とりあえず美味しい魚でも焼いたら機嫌がマシになるかも……と思って食事にしたであろうザイロもなんかかわいいし、一応ちょっと待ったフレンシィさんもかわいい。本来この二人(パトーシェもだけど)の人間関係はタラタラ時間をかけて進んでいっていいものだったのになあと思ってしまう。人類には未来がなくてザイロには人権がないばかりに……。

・(どうしようもない、かもしれませんね)貫禄の原文ママ。

・誰かが誰かを犠牲にするシステムそのものにブチ切れて粉々にしようとするザイロ、本人が言うように短気ではあるけど短絡的ではないし、忍耐力はないけど視野が狭いというわけでもないんですよね。怒りの人だけど、それだけじゃない……。

・小隊単位でもフェアリーが戦術を使うようになったら本当にやばいんじゃないか。魔王がいない戦線でも人間が不利になってしまう……。下手したら貴族たちよりもう強くなってしまってるのでは。

・フレンシィさん負傷! しかし、中央の貴族連中にザイロとの関係を根回しするみたいなアピールはめちゃくちゃできるのに(フォローメールSS参照)、こういう場面では甘えたりできないの、非常に……非常にいいですよね。非常に。

・ニーリィの負傷はWeb版からだけど、フレンシィさんの負傷は加筆でわざわざ足された要素なんだよね。ニーリィはジェイスを主人公として見た場合文句なしのメインヒロインなわけで、それと同じ状態になったということは……。もうわかるよね? メインヒロイン選別はもう始まっちゃってるんだよね(Mr.幼馴染伝説 席空夫)。

・フレンシィさんが「死なないで」という意味をわかっていないザイロではないんだよね……。

・ザイロ、ジェイス、ライノーの連携でブリギットに立ち向かうあたり、Web版より盛り上がる展開でカッコいいな。

・パトーシェの衝撃発言、書籍ではもっとスマートな感じになるのかなとぼんやり思ってたけどそのまま! これはこれで行くんですね先生!? 今後マジでどうなるんだろ……。

・トヴィッツが魔王軍に「悪意」という新たな指向性を与えている……。魔王の王もそれを面白がっている部分もあるのかな。知性と悪意はまた別の話だもんな。でもトヴィッツとデアドラの関係みたいに、悪意が猜疑を生んだらそれは魔王たちの虫めいた強さを削ぐ要素もあるような気もするけど。人間たちもそれで揉めてるみたいに……。まあこのへんの真意はまだ情報が足りないね。

・モブ兵ちゃん、戦い続けてこんなとこまで来てしまったのか……! ザイロという英雄が灯す火…… 希望という心の物語は命ごと焼き尽くしかねないほど熱くて大きいんだなあ……。

・イリーナレア様、お優しくて繊細……! こういう細かい補強が嬉しい。なんでお茶会来てくれなかったんだろ。仲良くしてた人が戦死したりしたらめちゃくちゃ悲しくなっちゃうからとかかな……。ありそうだな。他の女神よりお姉さんぽいし、大地の女神や月の女神の最期も覚えてるのかも……。

・海賊たちも「希望があれば戦える」の状態になってしまった。げんなりしつつもかなりやけっぱちにもなってるスアン姫、いいよね。

・カロス君とターグ君、記憶から消えてる……。

・みんながザイロを助けに来る展開、熱すぎる……! 

・自分が命を捨てればいい、というのはある意味共生派と同じ思考回路なわけで、それだけではダメだという話なんだろうな……。

・自分の戦いが周囲に影響を与えて、それによって戦死する人たちも増えるかもしれない。それを認めて割り切るなんて無理だし、だったら自分はクズの罪人だと言い張って真っ先に死ぬように戦う方がザイロにとっては気が楽なのかもしれない。けど、ザイロの人生……物語に希望を感じて、その登場人物になりたい(なるしかない)という人たちもこのようにたくさんいて、彼らを無視することはできない局面がこうして訪れる。

・勇者が罪を背負ってるなら、英雄は責任を背負わなければいけないのかもしれないですね。自分についてくる人たちの命を時には「使い切る」責任を…… ザイロが恐れていた「みんなを地獄に連れて行く」責任を強いられるということなのかも。

・5巻までで罪の話は終わって、次は責任の話になってるのかな。どっちもめちゃくちゃキツイことに変わりはないけど。

・使える兵力が揃ったことを認められれば鍛え抜かれた戦術家としての思考がめぐり始めるの、めちゃくちゃカッコいいな……。ザイロの本領はこういう野戦指揮なんだということがよくわかる。

・ブリギット、歴戦の魔王らしいけど本当に人間らしい情緒が身についてるな……。相手から自分がどう見られてるか正確に推し量って能力を隠してるのもそうだし、「大いなるものが自分を見ている、見て欲しい」という考え方は信仰そのものだ……。

・てかブリギットめちゃくちゃ強いな! Web版→書籍版で基本みんな強化されてるけど、強化幅歴代1位だろうな。今後はそもそも未知のエリアだから……。

・グィオがザイロを、ザイロがユリサを嫌うように、人間は自分の良くないところをいくらかは自覚してるもので、だからこそ自分に似てる人はあまり好きになれないものだ。

・でもライノーは人間じゃないから、人間の社会の中に入りたくてザイロやジェイスに似た存在に……英雄になろうと頑張っている。人間そのものになりたいわけじゃないだろうけど、似せようと真似をしている。それこそが1番人間らしくない動きだけど、その真摯さ自体は誰も否定できない……。

・ライノーがかばうシーン、Web版から引き続きだけどそういう文脈を付加できてるのも強いな~。最初にも書いたけど、構成あまり変わってない分行動そのものにどういう意味を乗せるかをいじってきててすごいなあ……。

・ザイロのセリフが「消耗品の使い捨てだ」から「罪人だ」に変わってる……! 罪人も人ですからね……。

・ベネティム死! ツァーヴ、仕方ないけど今回ちょっと影が薄かったし踏んだり蹴ったりだな……。次巻以降どんな酷い大逆襲をするのか、今から怖い。怖いという意味で怖い。

・タツヤが「勇者」って力強く宣言する挿絵、めちゃくちゃカッコいいな……。瞳は濁ってるけど、長い間貫いてきた使命と意思を感じる……。めふぃすと先生は本当に絵がうまいな!

・ザイロがテオリッタ様に女性関係で詰められるシーン、もともと好きだったけど書籍6巻の文脈だとより良いな。他人に影響を与えるということ、自分の物語に他人を巻き込むということは、戦いだったら英雄と兵士の関係になったり、男女だったら恋愛の関係になったりする……。そう望んだかは関係なく、巻き込んだ方には責任が生じるし、それを無視したり放棄したら怒られたりもする。理不尽なようだけど、これはどんな人間でもどんな社会でもそうと認めるしかない部分だからな……。ザイロの場合は、いろんな意味で吸引力が強すぎるということもあるけど。

・女性関係を真面目に考えろ、というのは、ザイロを人間に戻してみせる、という宣言でもあるからやっぱりテオリッタ様は優しい女神様なんだよなー。

・う、う、うわあああああああ!!!! ジェイス真実!!!!!!! 

・やめてよ!!!!! なんでこんな…… なんでこんなことになっちゃうの!

・序盤で■になってた部分は、変換不能な竜語での固有名詞かな?と思ってたんだよね。そう取れなくもない部分が伏せられてたからさ……。

・その後、イリーナレアの兵器の名称も伏せられることになってて、異言語間の翻訳精度について設定を見直したのかな?とか的はずれなこと考えたんですよ。そしたら、コレ。

・どうしてくれんねん。

・「言葉がなくても心で通じあえる!」的な感じがなくて、お互い言及を避けてるのが本当に……切なく辛くて……。

・考えてみれば当たり前だよな。ジェイスとニーリィは体の大きさも機能も違うし、もしかしたら寿命も違うかもしれない……。だからこそ言葉でコミュニケーションを取ってお互いを大切にしてきたのに、それすら奪われるかもしれないという事態を楽観できるはずがない……。その現実に正面から向き合えるはずがないんだよ……。

・もっと生々しい話をすれば、ジェイスとニーリィは体で繋がって子供を作るということもできないわけで……。本当に、心のつながりだけが全てなのに……。こんな……。

・なんか、悲恋という領域を軽く超えて「愛し合っているけど、子供がけしてできないとわかっている夫婦」の物語ですらあるんだよな。ロケット商会先生が本気で愛の話をしたらここまでのパワーが出ちゃうわけ? 怖いよ。私はそんなの知らなかった……。

・フレンシィさんをメインヒロインにしてくれどうこう騒いでたのが恥ずかしくなってきたよ。いやしてほしいけど(なんなんだてめえは)。

・ロケット商会作品ってこれまであまりこういうしっとりした話がなくて、そこが男女ともにウケてる要因なのかなーと勝手に思ってたんだけど、逆方向に振り切ったら振り切ったで覇権取れそうな出力を発揮してる……。怖い……。

・ホント、アニメとこのヒキからの7巻を同時に待たされるというのはすごいことですよ。ていうか魔王都市のヒキもアレだし。どうなってるんだいったい。こんな締めかたは良くないけど仕方ないから締める。感想は以上です。


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