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#8 Uberドライバー Sonji

「私はベリーズ生まれ。カリビアンがみんなレゲエばかり聞いてて大麻吸ってると思ったら大間違いよ。知ってる?ベリーズって国はね、あの地域の優等生なの。

1981年に独立するまで、イギリス領だったんだけど、きっちりした教育システムがあって。英語と数学を子供たちはしっかり学ぶし、倫理観もイギリスに近かったの。おかげで犯罪も少なくて、真面目に働くことを良しとする国になったの。

でも、念願の独立をしたらね、政府がアウトオブコントロールになっちゃって。ガチの汚職まみれ中米国に成り下がったわ。

今はロクでもない首相が全権握って、盛大に個人的な活動(苦笑)に勤しんでる。クイーンエリザベスと彼女のオフィスが直接統治してた頃は、そんなことはやりたくても出来なかったんだけどね。皮肉なことね。

私はラッキーなことに、アメリカのロー・スクールに合格したんだけど、すぐに法律は肌に合わないことがわかって。ビジネスを勉強したくてUSCに転校したの。そしたら歯医者の父が仕送り送金を止めたのよね。お前を弁護士にすることが目的でアメリカに行かせたんだって。

仕事しながら勉強したけど、今となってはそれは良かったと思う。自分の力だけで、アメリカで成功してやろうって、そう強く思えたから。

You can bend me, but you can't break me.

今でもベリーズは親の顔を見によく帰るの。でも、最近あの国は、随分変わってしまったわ。若者が特に変わってきている。

元々、カリビアン諸国の中でも、特に宗教心が篤い国だったのに、モラルや規律がどんどん失われているのよ。年長者を重んじるカルチャーは無くなってしまったし、男は働かなくなってきている。中絶が増えてるのに出生率は落ちていてね。アメリカみたいなことになっている。

インターネットが、そうさせたように思うわ。ノーモラル。レスペクトのない世界。No boundariesって、昔は素晴らしいことと思っていたけど、そうでもないのかもしれないわね。」

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