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地球のはなし ようやく達成

 現役の頃は旅行することが多かったが、3年前の定年退職の後は、大幅に減った。しかし、日常的なことばかりが続くと、旅心が頭をもたげてくる。

 海外に引かれることは確かだが、国内のことも、現役時から気になっていた。その具体的内容は、全ての県を訪問したかどうかである。訪問という意味は、JRの駅や空港から出て、実際にその土地を歩き、宿泊したということである。

 それで、県庁所在地であろうと片田舎であろうと、どこか1箇所で良いことにして、判定の基準を和らげ、子供の頃からの記憶をたどった。結果、高知県と沖縄県が残った。

 高知が残っていたのには、忸怩たる思いがした。というのは、可愛がってくれた母方の祖母が高知出身、つまり私の血の少なくとも4分の1は高知種だからである。これは、幸いにも昨年の3月、解消できた。先ずは、あの世で顔向けができる。

 そして、一気に沖縄をと思ったのだが、機会がない。しばらくは駄目かと思っていたら、次女が計画を立ててくれて、この3月初めに実現した。生を受けて66年、全国47都道府県訪問ようやく達成、というわけである。

 最後が沖縄という島だったのは、その独特の景観が実に魅力的だったこともあって、良かったと思う。実は、佐渡も淡路も屋久も、出身県長崎の対馬も五島列島も、島々はほとんど訪ねていないのである。次は島巡りにしようかと思っているのだが、その余裕があるかどうか。
                           (2007.4.11)

別府温泉地球博物館理事長の由佐悠紀が執筆し、新聞・雑誌などに掲載されたものを順次ご紹介しています。--

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