開催によせてPART2

 ホームページのトップでいっぱしに「開催によせて」みたいなこと書いてます。「初心に戻る気持ちで今年はBACK TO THE OFURO!だ」みたいな。 そして今年は映画に寄せて遊んでみよう♪と思った。んが、しかし、相手がデカ過ぎてこれはいかんと自制心が初めて働きました。面白ければなんでもやってきた人生が、50超えてブレーキを踏めるようになったよ。皆さんありがとう、大人の階段登ってます。

 いや、そんなボケに頓挫したことではなく。開催に向かう心持ちを少し詳しく書いてみます、今回は。

 まず時系列的なことを。2020年の7月に予定していたのに詳細発表できず自粛したのは前述の通り。その際、期待してくださったお客さんに感謝の気持ちを形にせねばと思ったし、中でも「やってもないイベントのグッズ」を販売し、あろうことかそれを購入頂いた方々には感謝の言葉しかありません。この場を借りて厚くお礼申し上げます。正直その時期4ヶ月半、無収入だったので皆さんから頂いた貴重なお金は本当に助かりました。その応援の気持ちを気合いで現しております、はい。(と言いながらまたチケット代をとり、グッズを売ろうとしてる矛盾)


 そして20年、21年の夏に泉大津フェニックスで開催されたRUSH BALL(以下RB)も心動かされた要因となった。長年苦楽(だいたい苦)を共にしたフェニックス仲間のグリーンズ社Rさんとは、毎年正月明けに天神橋商店街の純喫茶で「お互いの今年のキャスティングや構想を被らないよう確認する会」をやる仲だった、コロナ禍前は。RBのここ2年はリスクが勝る状況で、立て付けでは収容五千人まで、そんなの採算全く取れない。それでもやる理由は、おそらく「ライブを生業(なりわい)にしているバンド」と「それを必要とするお客さん」の為でしか無かったであろうし、この業界を代表して大切なモノを守る為に開催してくれたのは、ほんとに頭が下がる思いだった。世の状況的に第三者の人からは「なぜこの時期にイベントやるの?」という冷ややかな視線も少なくはなかった。特に音楽を必要としない人から見たらその考えは致し方ないかもしれない。しかし決して無理を押した訳では無く、行政から決められたルールを守り最大限の対策をした上で「やれる方法」を考え抜いて開催に漕ぎつけた様は感動的でさえあった。あの日見たバンドの渾身の演奏とそれを受け止めるお客さん、そこに集まった人達は大切なモノを守る気概に誰もが溢れていた。

 RBは20年以上、過去一度も中止になっていない。台風来てすぐ中止になるどこぞのイベントもあるが(ほっといて)、運もあるだろうけど「辞める選択」より「やれる方法」を見い出そうとする姿勢は素晴らしいと思わされました。(来年から5月一緒にやってくれないかなぁ...独り言)


 20年の暮れ「来年は5月の野外に挑もう」と思っていたものの、なかなか状況が改善されず結局タイミングを逸してしまった。しかしやっていれば4月末から「緊急な事態の宣言」に突入した為、結果やってなくて良かった。こんな時にやってしまいネタになる人生なのが、そうならなくてラッキー。たまにはイイことあるもんだ。いやそんなこたない、あるわけない。

 昨年夏、配信で見たフジロックも大きかった。生のライブが出来ない時期、配信ライブはとても励みになり有り難かったのは確かだけど、収容制限がある中で徐々に有観客も始まり、現場に居る身としては「生演奏」じゃないと物足りなさを感じていたのも事実。しかしフジロックの配信を超えるパフォーマンスはどれもとても勇気づけられた。丁度、この時期も状況が悪化していて決して追い風が吹かない中での開催。知り合いや同業皆さんが何かをかけて開催し、ミュージシャンが演奏に向かっている様は心打たれた。人数的にはおそらく甲子園球場なら1万人、大阪城ホールだと2千人くらいの規模感であったと思う。これも金銭的にはリスクしかない中で大事なモノを守る明確な意志が伝わって感銘受けましたし、1組ごとのライブにも胸が熱くなった。配信通して演奏からこんなに気持ちが伝わるものなのかと驚きもした。

 2年前から大阪のプロモーター、ライブハウス、FM802が集まって定期的に会議をしている中で20年8月に大阪城ホール、秋に万博記念公園で協力して開催したイベントも励みになった。普段ライバル会社なのにこの非常事態で何やら団結感も生まれたりして。その会合は未だ行われているが、それはある種状況が進捗しない残念なことでもある。

 そんな幾つかの出来事や仲間の存在を糧に「自分も出来ることを最大限やらねば」と思う今までに無い類の熱い気持ちはあります。あるけれど、ハシゴ外されまくったこの2年の経験で体温はそこまで上がらず36.5℃くらいで昨年秋から構想を始めました。

 今抱える問題はコンサート全般的に券売が落ちていること。そして恐れているのはこの状態が元に戻らないのではないか?という不安。例えるなら20年くらい耕した畑が更地になった感覚。加えてライブが必要と不要の狭間で「ふるいにかけられている」気もしています。なんとかしがみついて、元に戻さないといけない。自分だけではなく、ライブを取り巻く全体的な問題として。
 今回普段携わってないバンドにも多数お声がけしたのは、そこに起因します。30年と少しのあいだ、有り難くもこの仕事をさせて貰った中でご縁があった人達、出逢った音楽を見かえした結果こうなりました。落ち込んだ状況を元に戻す為、いつもと違う拡げた視野で取り組まねばと思った次第です。


 あ、でもまだ出演くださる全ての方を告知してませんでしたね。今週末には最終発表出来ると思います。過度に期待せず楽しみにお待ちください。大きな悩みは先程吐露(とろ)しましたが、逆に今抱える直近の悩みは、、、「風呂」にかけて「2と6」のつく日に告知してきたのに、今週かかる数字の日が無いことなんです!今日3月7日が「サウナの日」って絶好だったのになぁ、、、気付いたら時すでに遅かりし。

 こんな小さいことに悩み、来る人を不安にさせるイベント。それが音泉魂なのである。(キまった)